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デリカミニ

2025.09.08

変わっていないようで大きく確実に進化した2代目「新型・三菱DELICA MINI」

わずか2年足らずというショートスパンで驚かされたが、三菱自動車が2025年8月22日に軽スーパーハイトワゴンの新型『デリカミニ』と新型『eKスペース』を公開。受注を開始した。2025年の秋が正式デビューだが、詳細価格は現時点では未定。
 本誌としてはやはり〝デリカ〟の弟分である新型デリカミニに焦点を絞って解説していきたい。その外観はスマッシュヒットを記録した従来モデルのイメージをしっかりとキープしつつ、細部をリファインしたもの。比較してみないと違いが分からない人もいるかもしれないが、よくよく見ると新型の方が愛らしさとタフさが高まっているように感じる。そのひとつがまるで人気のデリ丸。の“目”を思わせる特徴的な半円形のLEDランプ。従来型から大型化され、よりファニーな印象を強めている。また顔回りで言えば三菱のファミリーフェイスである「ダイナミックシールド」を引き続き採用。ただしボディ同色の一体タイプとしている。
 ちなみに従来型人気をけん引したイメージキャラクターの「デリ丸。」も続投。新色「サンドベージュパール」と「デニムブルーパール」に合わせたデリ丸。も登場し、キャンペーンが展開される。
 話をデリカミニに戻そう。エクステリアの変更とともに印象を変えたのが室内空間。インテリアは、機能的で高品質なデザインとし、上級グレードでは上質なベージュ、標準グレードではベーシックなブラックを内装基調色とする。なお室内の広さと視界を確保するべく、Aピラーの位置と角度が見直されている(室内長は従来比で115㎜延長)。
 情報を表示するモニターは12.3インチの超大型ディスプレイと7インチの液晶メーターが一体となったシステムを装備。先進的なイメージも相当強い。さらに衝突被害軽減ブレーキシステムに、広角カメラとレーダーで歩行者や車両を検知する機能を採用。また前後左右4つのカメラで周囲を立体的に確認できる「3Dマルチアラウンドモニター」も備える。
 新型デリカミニの最大の売りは軽自動車として初めてエンジンレスポンスやASCなどの制御を専用チューニングするドライブモードを搭載したこと。路面状況に応じて「POWER」「NORMAL」「ECO」「GRAVEL」「SNOW」の5つの走行モードを選択可能。まさにデリカらしい悪路路走破性が与えられている。またこちらも軽自動車で唯一となる「接近時アンロック」と「降車時オートロック」機能を採用。ほかにショックアブソーバーを中心にサスペンションも高性能化されている。 さて、新型デリカミニの車両価格は約195万円~約295万円とアナウンス済み。現在予約注文を受け付けているが、実際の発売は2025年の秋を予定している。

一見、違いが分かりにくいかもしれないが、初代デリカミニと新型デリカミニを見比べると、そこには違いが感じられる。新型デリカミニは顔つきからボディのスタイリングまで立体感があり、「ハッキリしたスタイル」や「タフさ」を感じさせてくれる。よりデリカらしいイメージだが、むしろユーザーに人気のデリ丸。の雰囲気も強くなったような気がする。なおピラーの位置と角度の見直されており、新型デリカミニは初代よりフロントピラー(Aピラー)のルーフ側を起こした。と同時に絞り込んでいたルーフの横幅は広がっている。
 また、車体後ろのDピラーにもメリハリを効かせた処理になったこと、ボディサイドに特徴的なプレスラインがあることで、力強さを感じる。特にフェンダーフレアの上の造形の絞り込みと膨らみによって、デリカらしい安定感が演出されている。
初代のイメージを引き継ぎつつ大きくなったヘッドライト。目のようで、よりキュートな印象になった。ウインカーを点けると表情が変わるという遊び心も楽しい。
インテリアはトレイや操作スイッチ類にアウトドアギア感のあるデザインを採用。見た目のみならず、使いやすさにも配慮している。またシートはグレードによって表皮は変わるが、いずれもデリカミニらしく防水加工がされている。さらにインテリアで目立つのがメーター周りの12.3インチ×7インチの大型モノリスディスプレイ。ナビゲーションにはGoogle機能が搭載されていることにも注目したい。
リアシートの座面も延長して座り心地を向上。さらにリヤの左右席はともにショルダーサポート形状を変更している。またシートアレンジではほぼフルフラットになるように段差が低減されている(※オプションでさらに完璧なフルフラットになる純正アクセサリーも設定される)

日常だけでなく非日常使いにおける機能が高い!

デリカの名にふさわしく、新型デリカミニのフルタイム4WD車は、悪路走破性を高めるドライブモード選択機能を搭載。「パワー」「エコ」「ノーマル」「グラベル」「スノー」の5つからダイヤル式セレクターでモードを選択できる。ちなみにグラベルモードとスノーモードは、フルタイム4WD車のみに設定。ぬかるんだ未舗装路面や深い雪道など、トラクションが必要なシーンで威力を発揮するように電子制御が最適化される。
新型デリカミニに搭載されるエンジンは初代から引き継ぐ直3D 660ccエンジンでNAとターボを用意。従来型との大きな違いはマイルドハイブリッドシステムを外してエンジンのみのパワートレインになっていること。なお、現時点ではエンジンの詳細なスペックは不明。またフルタイム4WD車には未舗装路での走行安定性を高める専用ショックアブソーバーを採用。KYB製のショックアブソーバーとなり「プロスムース」という先進技術が使われている。