■OPEN COUNTRY R/T TRAIL
TOYO TIRES(トーヨータイヤ)が誇る4WD・SUVタイヤブランド『OPEN COUNTRY(オープンカントリー)』は、今年で誕生42周年。歴史が長いだけでなく、現在もユーザーから〝オプカン〟の愛称で親しまれている人気タイヤブランドだ。ひと口にオプカンといっても種類はさまざまで、オフロードに特化したM/T(マッドテレーン)やオン・オフをハイバランスさせたA/T(オールテレーン)、舗装路を重視したH/T(ハイウェイテレーン)といったラインナップがある。さらにオプカンには、M/Tタイヤのようなアグレッシブなデザインを採用しながら、A/Tタイヤのような快適な乗り味の双方を兼ね備えたR/T(ラギッドテレーン)という新しいカテゴリーのタイヤを用意する。
このR/Tはまさにオプカンが元祖。そして今春リリースされたのが、最新タイヤ『OPEN COUNTRY R/T TRAIL(オープンカントリー・アールティ―トレイル)』。メーカーによるとその位置づけはオープンカントリーR/TとオープンカントリーA/TⅢの間にあたるという。
ただ、そのトレッドのパターンデザインは、従来のR/Tよりもブロックの1つ1つが大型化され、溝面積が増えたように思える。またタテ方向に太い溝のジグザグワイドグルーブを刻み、横方向にもラテラルジグザグワイドグルーブが走るなど、タテ・ヨコとも路面を捉えるエッジ成分が高そうだ。要はかなりワイルドになっていて、むしろオフロード寄りの印象だ。
一方で再生ビードワイヤーといったサステナブル素材を使用して環境に配慮したケースからも分かる通り、ハードに見えてオンロードの静粛性はより優れている。もちろん、オフロード性能は標準モデルと同等のスペックを誇る。つまりR/Tに比べて若干オンロード寄りの性能を持つR/Tの上位バージョンだと理解すべきなのである。
またトレッドパターンのデザインだけでなく、新採用したサイドウォールもまたR/Tトレイルを語る上で外せない魅力だ。4WD・SUVの足元を演出する迫力のあるディープバットレスデザインやバイティングエッジなどは、MTタイヤ並みのアグレッシブな見栄えと実性能の向上を実現。またサイドウォールがしっかりしているため、タイヤそのものが立ってオフロードで接地面積を稼げる。
ちなみに国内のサイズラインナップは現状7サイズで、タイヤ幅265~285㎜、リム径16~20インチという大径が中心。またすべてがLT規格で、ランドクルーザーやジープなどの大型4WDがそのターゲットとなる。

TOYO TIRE株式会社
商品企画本部 消費財商品企画部長
永井 邦彦さん
オフロードでの高いトラクション性能と、日常でも十分使っていただける快適性を追求したのが、今回の『OPENC OUNTRY R/T TRAIL』です。トーヨータイヤが米国で鍛え上げてきたパターンデザイン技術を駆使して、オフロードだけでなくオンロードでも違和感なく使えるタイヤとして、幅広い環境でトラクション性能を発揮できるようにしています。ゴツゴツしたMTタイヤのようなサイドウォールももちろんアピールポイントですが、見た目に反してノイズ抑制、耐摩耗性などもしっかりと向上させ、さらに「再生ビードワイヤー」などの環境に配慮したサステナブル素材も採用していることもポイントです。





ON-ROAD
早速まずはR/TとR/Tトレイルをオンロードで比較試乗する。装着したサイズはLT275/70R18でプライ数(プライレーティング(PR))は10PR。これではやはり乗り心地は硬いかと思われたが……それは杞憂だった。まず比較試乗したR/Tと比べてタイヤノイズはほとんど感じられず、中速域から上が相当静か。乗り味はしやなかでフラット。ワイルドなパターンとは思えないほどのマイルドな路面入力と吸収性の高さを実感する。もちろん路面からの小刻みな入力が無いわけではないが、凹凸の揺れは少なく、R/Tよりもしなやかなのは間違いない。
さらに試走会スタッフに聞いてビックリなのが、このR/TトレイルはLT規格のタイヤであるため、なんと空気圧は320kPaに設定されていた。確かにタイヤ構造のしっかり感は良好なハンドリングにつながるし、路面からの衝撃をタイヤ全体でしなやかに受け止め、ちゃんと快適な乗り心地が提供されていたのだと思えた。
OFF-ROAD
続いて、オフロードはどうだろう?こちらは装着サイズ・空気圧ともにオンロードと同じ条件で、愛知の〝聖地〟さなげアドベンチャーフィールド内のコースで試走する。いわゆる外周コースだが、セクションとしては一般的なダートやウェットな路面、ガレ場、砂利の浮いた上りに、急登坂や急勾配の下りにチャレンジする。
特に印象的だったのは、どんな状況でも路面に“食いついている”感じだ。特に強いタテ方向のトラクションが良好で、路面が濡れて緩めの登りでは蹴り返しの強さを見せるし、斜面の途中で発進しても、スリップせず路面を掴むようにランクル250を前進させる。また、砂利の浮いた斜度30度の下りでブレーキを踏み込んでも流れることなく、そのまま止まってくれる。多くのA/Tタイヤがズルっと滑ってしまうような場面でも、MTタイヤ並みの安定感があった。
またオフロードでの乗り心地に関していえば、とにかくカドが丸い。入力と段差乗り越え時の左右への揺さぶられはオンロード以上に皆無で、むしろオフロード走行の方が快適で、林道走行に向いていると感じた。
ここでどうして〝トレイル”というネーミングがつけられたかが理解できた。一見ハードな印象もあるが、北米などで使われるトレイルのイメージは「気軽な林道走行」といった具合。まさにオンロードもオフロードもオールマイティに気楽に楽しめるのが、この『オープンカントリーR/T TRAIL』ということなのだろう。
キャラクターはオンロード寄りだというが、むしろオンロードもオフロードもレベルの高い走りを発揮。安心してオフロードに踏み込んでいけるトラクション性能と耐久性、さらにオン・オフの両方で感じる乗り心地の良さなど、むしろこれが本当の“オールラウンダー” という気がする。




見た目も性能もより一層「オールマイティ」なタイヤ!

TEAM JAOSドライバー
OPEN COUNTRYブランドアンバサダー
能戸 知徳さん

2024年のBAJA1000に挑む際に、TEAM JAOSがマシンに実際に装着して走ったのが、『OPEN COUNTRY R/T TRAIL』です。サイズは国内未導入の37×12.5R17ですが、このタイヤは砂や泥、雪道などで高い性能を発揮するのが特徴で、ショルダーとサイドウォールのラグが深く、柔らかい地形でもしっかりとグリップできる。さらに耐衝撃性や耐パンク性も高く、過酷な路面が続くコースに適していました。
BAJA1000では不用意に歩くと膝まで埋まってしまうような、粒子の細かい砂状の路面“シルトベッド”と呼ばれるエリアが多く、さらには数多くの車両がスタックしてしまった急勾配のロックセクションもありましたが、R/Tトレイルはこうした場面でも最後までグリップを失わず、確実にマシンを前進させてくれました。また今回のレース本番では空気圧を180kPaくらいまで落として走りましたが、R/Tトレイルはこうした低圧下でもビード落ちすることなく安心して走れました。過酷な地形を舞台とするBAJA1000では、タイヤの性能で結果が大きく左右されます。今回の初完走・クラス優勝もOPEN COUNTRYの優れた性能が大きく貢献してくれたと思います。

ランクル&タイヤスペシャリストたちがR/Tトレイルを試乗して評価
今回の『OPEN COUNTRY R/T TRAIL』試走会には、タイヤのスペシャリストであるCraftやK-one、ランクルスペシャリストのFLEX&flexdream&autoflagsといったカリスマショップ、ユーザー代表としてランクル友の会のメンバーまでもが招集されていた!我々メディアと同様のメニューで、オンロードでのR/TとR/Tトレイルの比較試乗、オフロード試乗、BAJA1000マシンへの同乗体験を行なった。彼らが感じたR/Tトレイルの評価もお届けしよう!

【FLEX】
金田 さん / 荒 行浩 さん / 三浦 さん
ファッション性も高くなり、見た目のアグレッシブさ通りの走破性とそれとは裏腹の乗り心地の良さで、ランクルにピッタリです。BAJA1000完走に貢献する耐久性も魅力。

【Craft】
大平 さん / 小林 将人さん / 高橋 さん
発表当初は見た目からMTタイヤ寄りの印象でしたが、実際に乗るとややATタイヤ寄りのオン性能があります。ただしMTタイヤ並にカッコイイので、人気になるのは間違いないです。

【aufoflags】
近藤 雅之 さん / 木下 さん
オンロード・オフロード共に乗り心地が良くノイズもほとんど感じさせないタイヤでした。特にオフロードの接地感は好印象で、しっかりと止まれる安心感があります。

【K-one】
高野 さん / 小菅 久幹 さん / 野田 さん
サイドの見た目がワイルドなのに、オンロードでハンドリングやブレーキ性能が良好。乗り味もスムーズで内圧の高さを感じます。オフロード性能も高次元で発揮してくれます。

【flexdream】
川原 さん / 谷崎 秀隆 さん / 鬼木 さん
オフロードではトラクションが効いているし、オンロードは静かで乗り味はしなやか、転がりも良い。総じてオールマイティなタイヤです。MTタイヤのお客さんにも勧めたいです。

【ランクル友の会】
中村 さん / 野村 さん / 矢沢 さん
インパクトのあるサイドウォールと深いブロックで満足度が高い。オフでは止まれるし、踏ん張れます。オンも快適ですが、今回の試乗は空気圧320kPaで行なったことが驚きです。
- トーヨータイヤ
- https://www.toyotires.co.jp
- お客様相談室/ 0800-3001456(フリーコール)
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