ハイラックスに限らず、クルマをカスマイズするうえで、最も基本的なメニューとなるのがタイヤ&ホイールの変更だ。もちろん、ノーマルのままでもハイラックスの走りやスタイルは、十分満足できるもの。しかし他車と差をつけるスタイルを身につけたり、走りの性能を特化させたりしたいなら、タイヤ&ホイールの変更は極めて有効だ。とくに走るフィールドの広いハイラックスは、タイヤ選びが重要で、マッド向け、ダート向け、オンロード向けなど、目的に合わせた様々な指向のタイヤがアフターマーケットには溢れている。一方、ホイールについては皆さん、どんな基準で選んでいるのだろう?価格?デザイン?さらに製法や軽さなど、選ぶポイントは多々あるが、こだわるのはデザインやカラーではないだろうか?ただしタイヤ&ホイールは、いたずらに変えればいい、というものでもない。そう、フェンダークリアランスなどの関係で、そのクルマに装着できるサイズが必然的に決まってくるのだ。だから変更前に、まずは純正(ノーマル)サイズを確認しておく必要がある。
ここでは、ホイールの大手メーカーRAYS(レイズ)の力を借り、サイズ変更やデザインの違いで、スタイリングがどのように変化するのか?それに適したタイヤサイズは?などを検証してみた。検証用の車両は、人気の約1.5インチのリフトアップを施したハイラックスを用意した。
タイヤ&ホイールのススメ
2017年の登場から2つのタイヤサイズを設定する
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/fa8a786df12cf01894a3691a276d273b_1688105005-300x169.jpg)
GR SPORT標準サイズ:265/60R18
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/1a7608a3c9e7480a7d071648a3adc4a0_1688105008-300x169.jpg)
Z/X標準サイズ:265/65R17
「Z」「X」は265/65R17、「GR SPORT」は265/60R18と、グレードによってサイズは異なるが、タイヤハウス内のスペースは全てのグレードにおいて同じ。なのでタイヤのカスタマイズて選択できるサイズは共通となる。外径776㎜/幅 265㎜までは履くことができるので、その近辺のタイヤサイズを選択すれば、インチアップもインチダウンも、深く迷うことなくタイヤ選びができる。
■注意1
タイヤ&ホイールの履き替えでは、現状に準じたものを選べば問題はないが、サイズを変えるのなら外径と幅を確認したい。また、タイヤの種類によっては、同じタイヤサイズでも、外径や幅が大きく変化する場合があるので注意が必要。
■注意2
リフトアップ量が約1.5インチの場合では、265/70R17や285/70R17はインナーフェンダーに干渉する(干渉部分の加工が必要)。また、装着によりメーター誤差が生じる場合もあるので、購入の際は、プロショップ、ホイール&タイヤ量販店に相談して欲しい。
■注意3
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/c01e8a0b47b5b7329f1e9bd5946764ca_1688105171-300x169.jpg)
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/225537cac2dc5df834c00b53e7114694_1688105173-300x169.jpg)
検証用の車両は、フロントサスペンションをリフトアップスペーサー(40㎜アップ)で前後のバランスを整えている。また、GMG製のエアローパーツ(タンドラフェイス)でドレスアップしている。
※285/70R17はホイールスペーサーでバランスを整えている。
1.適合サイズを知る
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/9f567f12776721f15ec957d665358068_1688105235-300x298.jpg)
Z/X標準サイズ:265/65R17
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/3c0c34c906a0d30fc06cb7d91fb5e086_1688105247-300x298.jpg)
GR SPORT標準サイズ:265/60R18
タイヤ&ホイールを変更する、その大前提に、まずは純正でどんなサイズを履いているか、知っておかなければならない。ハイラックスはグレード別に18インチ、17インチを設定する。
2.タイヤの外径や幅は変えない
【17インチ】外径:776㎜/幅:265㎜
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/9f567f12776721f15ec957d665358068_1688105235-300x298.jpg)
Z/X標準サイズ:265/65R17
【18インチ】外径:775㎜/幅:265㎜
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/3c0c34c906a0d30fc06cb7d91fb5e086_1688105247-300x298.jpg)
GR SPORT標準サイズ:265/60R18
純正サイズのタイヤは、外径がどれくらいの大きさなのか? これをチェックしておこう。大きすぎればフェンダー内に収まらないし、小さすぎてもスタイルに影響が出る。
3.ロードインデックスを下げない
タイヤを履き替える際は、履ける・履けないのサイズ的なことだけでなく、そのタイヤのロードインデックス(負荷能力)にも注意。タイヤが車重を支えきれない場合も。
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/30ca5a8b7683004b6ca4eee7c1d254ac_1688108643-300x169.jpg)
4.適切なサイズのホイールを選択する
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/9b955e0e3fe0cbbaa3d0582ae5fc1955_1688106117-300x169.jpg)
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/bcb3e4444ed064380b22137950945b4a_1688106115-300x169.jpg)
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/6e671c817472ee57455d04e01c976edf_1688106113-300x169.jpg)
走りに支障を来さないサイズを選択する
■265/65R17→265/65R17
純正採用サイズと同じ外径と幅なので、フェンダー内の干渉はなし。ホイールやタイヤのデザインを存分に楽しむことができる。
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/c8bd9e2a3c723daf05798ea224708458_1688106431-300x169.jpg)
RAYS TEAM DAYTONA FDX F6(17×8.0J(インセット20))
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/b5d08452919d6119435baa18e1b98cc8_1688106271-300x169.jpg)
BFGoodrich All-Terrain T/A KO2(LT265/65R17)
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/11db5d064288dd15d97a28b45e31ee3f_1688106397-300x169.jpg)
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/c2af0e6de703c6a7ff29a7be26498212_1688108934-252x300.jpg)
干渉の有無と対処方法
フェンダー内の干渉は一切なし
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/7a5588a2c44c823e56f58a2848dd83be_1688106540-300x169.jpg)
■265/65R17→265/70R17
純正採用サイズよりも外径が28㎜もアップしている。265/65R17に比べてフェンダーの左右の隙間が小さくなっており、ホイールやタイヤの存在感は増している。フェンダー内の加工は必要。
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/4ec5d4b437526b9246a592930a2ca206_1688109155-300x169.jpg)
RAYS TEAM DAYTONA M9 BLACK EDITION(17×8.0J(インセット20))
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/9916a40eb418db646c3141706bf533ee_1688109203-300x169.jpg)
TOYO TIRES OPEN COUNTRY R/T(265/70R17)
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/e815cc6709db5efabe26db106d790466_1688109546-300x169.jpg)
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/c0e4bb05b1769a39f1b279c173196a38_1688109647-246x300.jpg)
干渉の有無と対処方法
インナーフェンダーの加工は必要
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/e7de42b334c80585e8e71dddcebf6338_1688109738-300x169.jpg)
■265/65R17→285/70R17
外径838㎜と純正採用サイズよりも62㎜ほど大きくなったのでステップ2を上回る迫力がプラスされた。このサイズの選択では、車高アップやオーバーフェンダー、フェンダー内加工、他が必要。
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/4ff6a23a5925c4798a89340ae2ada12c_1688109861-300x169.jpg)
RAYS TEAM DAYTONA M8(17×8.5J(インセット10))
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/d41fbc2338d0501d947dcab7eec16270_1688109950-300x169.jpg)
BFGoodrich Mud-Terrain T/A KM3(LT285/70R17)
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/48db0b8a37164080ac26963fb1822187_1688109952-300x169.jpg)
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/058b714bcfdc1d32a518ac2eaae46314_1688110047-237x300.jpg)
干渉の有無と対処方法
各部の加工、ホイールのサイズ選びは重要
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/ddd8e790c46763bbe0ec2a964c127dfe_1688110195-300x169.jpg)
サスペンションアーム 上部
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/c45aa83ae2624557095b87f7b874ff0b_1688110188-300x169.jpg)
インナーフェンダー (泥除け側)
そのまま履かせると、サスペンションのアッパーアームやインナーフェンダーにタイヤが干渉するので、泥除け側のインナーフェンダーの下部をカットし、また、ホイールスペーサーでホイールを外側に出している。
※1 ハイラックスには個体差があり、加工なしで履ける車両もあるらしい。17インチ限定で検証を試みている。
■走りに支障を来さないサイズを選択する
タイヤサイズを大きくすると、最低地上高のアップや乗り上げ性能の向上をもたらす。一方、過度のサイズアップは、ギア比とのマッチングが少し崩れる傾向もあるので、その辺りは理解をしておく必要がある。ハイラックスの場合、33インチや35インチといった大径タイヤを履かせる場合、4〜6インチほど車高を高くする大工事が必要となる。
純正車高・フェンダー加工なし ※検証車両は足回りで車高を約1.5インチアップ
タイヤサイズ ➡ ❶265/65R17・❷265/60R18
車高が変わらないので、フェンダーの隙間は純正と同等。車高アップ量に関係なくタイヤの干渉を起こさないサイズは265/65R17止まりなので、タイヤ外径の限界は775ミリ〜776ミリくらい。具体的なサイズでは、「265/60R18(775ミリ)」「265/65R17(776ミリ)」の2種類となる。いずれも純正サイズなので車高自体には大きな変化はないが、ゴツゴツしたオフロードタイヤを選ぶことで、オフロード4WD車らしいボリューミーなスタイルができあがる。純正タイヤ以外の選択では、タイヤサイズが同じであっても銘柄によって外径や幅が、規定値を大きく超える場合もあることを覚えておく。購入の際は、専門家のアドバイスを受けたい。
●265/65R17(❶)、265/60R18(❷)を設定する主なタイヤ銘柄
❶❷ BFGoodrich All-Terrain T/A KO2
❶❷ BFGoodrich Mud-Terrain T/A KM3
❶❷ BFGoodrich TRAIL-TERRAIN T/A
❶❷ TOYO TIRES OPEN COUNTRY R/T
❶❷ TOYO TIRES OPEN COUNTRY A/TⅢ
❶ TOYO TIRES OPEN COUNTRY M/T
❶❷ GRANDTREK PT5
❶❷ GRANDTREK AT5
❶ FALKEN WILDPEAK A/T3W
❶❷ YOKOHAMA GEOLANDAR X-AT G016
※右記タイヤは、いずれかのサイズを設定している。外径・幅が純正車高では適合しない場合もあるので、購入の際には、タイヤ量販店・プロショップに必ず相談して欲しい。
フェンダー加工あり ※検証車両は足回りで車高を約1.5インチアップ
タイヤサイズ ➡ 265/70R17
人気の265/70R17(外径:804ミリ 幅:272ミリ ※検証で使用したタイヤ)を履かせる場合、インナーフェンダーの泥除け側の下部にタイヤが接触するので、干渉部分のカットが必要となる。タイヤによる車高アップ量は14ミリほど。フェンダーとタイヤの縦方向のクリアランスは広がり、横方向が狭くなるので、純正車高・加工なしよりもオフロード4WD車らしいボリューミーなスタイルとなる。タイヤサイズに合致する銘柄もあるが、外径を大きく超える場合もあるので、購入の際は注意をしたい。また、今回の検証車両のようにスペーサーなどで若干のリフトアップも施しておきたい。
●265/70R17を設定する主なタイヤ銘柄
BFGoodrich All-Terrain T/A KO2
BFGoodrich Mud-Terrain T/A KM3
TOYO TIRES OPEN COUNTRY R/T
TOYO TIRES OPEN COUNTRY A/TⅢ
GRANDTREK PT5
GRANDTREK AT5
FALKEN WILDPEAK M/T01
FALKEN WILDPEAK A/T3W
YOKOHAMA GEOLANDAR X-AT G016
YOKOHAMA GEOLANDAR M/T G003
※上記タイヤには、265/70R17が設定されているが、外径・幅が純正車高では適合しない場合があるので、購入の際には、タイヤ量販店・プロショップに必ず相談して欲しい。
インナーフェンダーのカットについて
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/6e4ddac6b62e0bed27d3096e1acfe9dd_1688110563-300x169.jpg)
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/77ba017d3310f8c698000300a151fb06_1688110603-300x169.jpg)
![](https://4wdsuv.auto-g.jp/letsgo4wd/wp-content/uploads/2023/06/35939f9e24db87b5e1ca31af3c3c25fc_1688110593-300x169.jpg)
リフトアップ・フェンダー加工あり ※検証車両は足回りで車高を約1.5インチアップ
タイヤサイズ ➡ 285/70R17
上記にて、車高を約1.5インチアップし、オーバーフェンダーを装着したハイラックスに285/70R17を履かせている。ホイールスペーサーでホイールの位置を調整し、さらにインナーフェンダーを加工している。さらにタイヤサイズを大きくする場合、ボディリフト(メンバーダウン)やリフトアップサスペンションなどで、4インチ〜6インチほどの車高アップが必要となる。上げ幅次第で、295/70R17でも、33インチでも、35インチでも履けるようになるのだが、大工事となるので相応の覚悟は必要となる。ボリュームアップアップは一筋縄ではいかないのだ。