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【JAOS】〝新三種の神器〟でデリカD:5は大きく進化

 約40年も前から「オフロードも走れるミニバン」として独自の路線を歩んできたミツビシ・デリカシリーズ。そのキャラクターは、現行モデルであるデリカD:5とて例外ではない。というより、駆動システムを堅牢なFRから乗用車ライクなFFベースに切り替えることで、従来ファンからの拒否反応が容易に想像できたD:5の場合は、「このモデルにそこまで必要?」というほどのオフロードパフォーマンスが込められている。それは当時メディアに向けた内覧会で流されたテスト走行動画にて、執念とも思えるミツビシ開発陣の努力に感動すら覚えたほどだった。そんなデリカD:5に対して、モデル誕生のころから心血注いでパーツ開発を行なってきたのが、日本を代表する4WD&SUVパーツメーカーのジャオスだ。
 パーツ単位ではスターワゴンから、トータルカスタマイズとしてはスペースギアの頃よりデリカシリーズと濃密に接してきたジャオスは、デリカD:5登場時より様々なアイテムをリリースし続けてきた。なかでも人気なのはBATTLEZサスペンションシリーズだが、それと同等以上に長年に渡って高い人気を誇っているのがリヤラダーやサイドステップなどの機能系エクステリアパーツ。そこに今夏、いよいよ真打とも呼べるルーフラックが加わった。今回はそれら「新・三種の神器」についてご紹介していきたい。

JAOS フラットラック

 1990年代に巻き起こったアウトドア&ヨンクブームの立役者だったジャオス。当時の同社ラインナップの中で欠かせないパーツなのが「JAOSルーフラック」だった。しかし、誕生時は一般的だったレインモール付き大型4WDへの搭載を前提としていた「JAOSルーフラック」だったが、ディーゼル規制やボディデザインの変化によって装着可能車種が減少。2000年に入ったころには一旦販売終了となった。ところが、昨今改めて巻き起こっているアウトドアブームにてルーフラックが注目を浴びることに。そこで、ジャオスでは再びルーフラックを開発することとなった。そして、メーカー純正ルーフラックを製造している国内サプライヤーや同郷のランプメーカーであるIPF株式会社との共同開発によって誕生したのが今夏リリースの「JAOSフラットラック」だ。自動車部品に求められるJISやISO試験もクリアした安心の国産ルーフラックなのである。

目先のデザインより扱いやすさと安全性にこだわっている。その思想は、拡張性を実現するTスロット(ボルトなどを組み込む溝)や、ルーフの洗浄も考慮してあえて高めに設定した専用フットなど随所に及ぶ。

機能を拡張する豊富なオプション

外枠はもちろん、フロアバーのTスロットに装着して間仕切りにもなる「ウォールバー」、IPFの各種ランプを装着できる「ランプブラケット」、荷かけロープの装着を容易にする「アイボルト」などオプションも充実。
デリカD:5に適応するのは、コンパクトな1400タイプと、ルーフをほぼ覆う1920タイプの2種類。使いやすいほぼスクエアなフロア形状は、1400タイプでも積載量は十分だ。今後は、カヤックや自転車のマウントキットなどの開発も検討しているという。
そもそもルーフの高いデリカD:5ゆえ、ルーフラックへのアクセスにはリヤラダーの装着が望ましい。しかし、ラック自体の高さは極力抑えているので、タイヤやフロアへの足掛けでアクセスすることも十分可能だ。
本体を軽量なアルミ製としているので、無積載の状態であれば走行安定性への影響は最小限だ。走行時の風切り音については、影響がないとは言えないが、実は写真の車両のようにランプを装着するだけで状況が改善される(ランプがスプリッターの役目を果たす)。また、スタイリッシュなディフレクターを開発中というから楽しみだ。

JAOS サイドステップ

大型4WDの必需品といっても過言ではないサイドステップだが、純正品はサイドビューを少し重くしてしまうため、以前からジャオスではすっきりとしたサイドバーへの換装を推奨していたが、ステップとしての機能を持たせた製品はあまりなかったという。しかし、デリカD:5のカスタマイズパーツを検討する際、SUVとミニバンの融合という稀有なキャラクターを象徴する最重要パーツの一つとして、改めて開発されたのが「JAOSサイドステップ」だった。様々な年齢・体形のスタッフが実際に試作品を踏みしめながら開発した同品は、スタイリングと乗降しやすさを両立したパーツとしてロングセラーとなった。
76.2φという適度な太さと、インジェクション成形された樹脂ステップが乗降のしやすさとスタイリングを両立している。本体はポリッシュタイプがステンレス、ブラックタイプは強靭な被膜のパウダーコートを施したスチールだ。
樹脂ステップによって確実に体重を任せることができる。ステップのパターンが、脚を引っ掛けやすいように外側が一段高くなっているのも芸コマだ。
ロックレール並みとはいかないが(パーツは良くても車体装着部がもたない)、ラフロードでの小石や枝の跳ね返りなどからボディを守る効果もあり。

JAOS リヤラダーⅡ

 デリカD:5とジャオスの関係を良く現しているのが「JAOSリヤラダー」のエピソードだ。実はデリカD:5はハッチゲートの下部が樹脂製のため、従来の方法では装着できないリヤラダーは開発しないことになっていた。ところが、あるデリカのイベントにジャオススタッフが参加した際、ずらりと並べられたスペースギアのリアビューを見ると殆どの車両にJAOSリヤラダーが装着されており、「これを見たデリカD:5ユーザーはやっぱり欲しくなるよなぁ」と痛感したという。そこで、ナンバーを外して装着という新技が考案されたとのこと。ユーザーの希望を何とか具現化したいというジャオスの思いがこもった逸品なのだ。
すべり止めテープや手前に引き出したステップ、そしてハンドレールなど、前型スペースギアで好評だった特徴を引き継いでいる。ちなみにハンドレールはレス仕様も選択できる。
デリカスペースギアから踏襲されているセンター装着。安定感のあるシンメトリックなデザイン要素もさることながら、ルーフ上のラックなどにアクセスしやすいという利点もあわせ持っている。
「大人が乗る」ための強度を確保するためにそれなりの重量があるので、残念ながらエレクトリックゲート車は装着不可となっている。