■見ても楽しい競技でシン・マシンが激走!
2023/7/7[FRI]~7/9[SUN] 北海道虻田郡ニセコ町エリア
市販車に近いマシンで、ターマック(舗装路)だけでなく、ダート路面のグラベル(砂利道・泥道)といったさまざまな公道路面を限界走行する、国内最高峰のモータースポーツに位置づけられる『JAF全日本ラリー選手権』。本誌読者にもこの全日本ラリーが好きだ!なんて方もいるだろう。そんな今季の全日本ラリー第6戦「2023 ARXラリー・カムイ」が北海道を舞台に開催された。
GRヤリスや86、そしてシビックなどが熱い戦いを繰り広げたのはもちろんだが、今回我々が注目したのは、本格4WD・SUVが出場する『XCRスプリントカップ北海道』の第3戦が併催されたこと。出場車両は合計7台。内訳は「XC-2ラス」にエクリプスクロスPHEV、キャミ、そして3台のハイラックス。一方小排気量系の「XC-3クラス」にはジムニー、ライズの2台が参戦した。
ちなみにこのライズは、塙郁夫選手がプロデュースした“ライズ・ラリー・コンセプト”。以前本誌でも紹介しているマシンだが、すでに今年のスノーラリーで優勝を果たすなど、結果を出している。むしろ今回のコースは全日本ラリーと同等ということで、そのポテンシャルを測るにはうってつけの機会といえよう。
「今回のラリーではSS2でトランスファケースのトラブルに見舞われましたが、なんとか完走。クラス優勝も果たしました! オールグラベルで後半スタートとなる我々(XC出場組)はワダチに悩まされましたが、そこはクルマ、そしてジオランダーという頼もしいタイヤに助けられましたね! ジムニー並みの大径タイヤ『195R16C』というチョイスも良かったです」
と、新たな結果を残した塙選手。トラブル前のSS1では上位クラスを上回るタイムも叩き出すなど、ライズ×ジオランダーの今後の活躍に、ますます目が離せない。
オフロードレースに特化させたライズが
全日本ラリー選手権 XCRスプリントカップに殴り込み!
日本屈指のオフロードレーシングドライバーでありながら、さらに凄腕のマシンビルダーという顔も持つ塙郁夫選手。これまでにアメリカン・オフロードレースの最高峰『BAJA(バハ)1000』への連続参戦や勝利、ダカールラリーやアジアXCラリーへの出場など、その経験値も唯一無二だ。今回のXCRスプリントカップには、自らがビルドアップしたライズ(=ライズ・ラリー・コンセプト)で参戦。1日目のSS1は順調にこなしたが、直後のSS2ではトランスファにトラブルが発生。それでも完走を果たして、クラス優勝をもぎ取った。
RAIZE RALLY CONCEPT とは?
実際のラリー出場を目指してボディ&シャシーを大幅に補強してFIA規格に準拠したカスタムを実装。さらにサスペンションは、フロントに強化アームを採用しながらKING製レーシングショックを組み合わせている。さらにパワートレーン系はCPUプログラムをメインにチューニング。ノーマルライクなルックスながら、丹念に造り込まれた“羊の皮をかぶった狼的なマシン”であることが魅力だ
GEOLANDER X-AT
岩手トヨタのメカニックがチームをサポート
ARKラリー・カムイ2023
■ARKラリー・カムイの〝XCR〟参戦車両を支えたジオランダー
『XCRスプリントカップ』は、排気量やボディサイズ別にXC-1、XC-2、XC-3に分けられる(今回の参戦車両はXC-2、XC-3のみ)。塙選手はXC-3クラス優勝だったが、総合優勝およびXC-2クラスを制したのは、#66 番場彬/加勢直毅組のハイラックスだ。ちなみに参加車両のタイヤには制限があり、XC-1クラスのタイヤ外径は940㎜以下、XC-2およびXC-3クラスは810㎜以下、さらにMTタイヤおよびHTタイヤの装着は禁⽌されている。そんな中、本大会では全車がジオランダーを装着!エキスパートたちが選ぶタイヤは、オールグラベルでワダチや水たまりが頻繁に現れるコースでも安心感を提供。改めて参加から大きな信頼を得ていた。
ちなみにXC-3クラスには、MAX☆ORIDOことサーキットのレジェンド・織戸学選手の愛娘である#70 織戸茉彩(おりどまあや)/槻島もも組もジムニーJB64で初参戦!見事完走し、XC-3クラスで2位入賞。今後の活動にも期待!総合優勝のハイラックスともどもCUSCO勢が活躍した戦いとなった。
- ヨコハマタイヤ
- https://www.y-yokohama.com
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- JRC 全日本ラリー選手権:JRCA(https://www.jrca.gr.jp)
- 2023 ARKラリー・カムイ(http://www.team-ark.jp)
- XCRスプリントカップ北海道(http://www.xcr-h.com)