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【JAOS】我々自身が「こうしたい」と思ったカタチを実現しています

 2018年のデビューから早いもので5年を迎えた現行のジムニー&ジムニー シエラ。5年と言えば、少し前の乗用車であればそろそろ新型の噂も立ち始める頃合いであるが、当のジムニーはいまだに解消されない長納期が悩ましい人気モデルである。そんな状況下、ブレないコンセプトと商品展開で新旧ユーザーから支持を集めているのが、4WD&SUV総合パーツメーカーのジャオスだ。ジャオスと言えば、自動車メーカーへのOEM供給も行なう商品開発力と、海外ラリーに参戦するアクティビティで知られている。そんなジャオスの考えるジムニーの魅力やカスタマイズに対する思いについて、同社の広報を長年務める内田氏にお話をうかがってみた。

◇編集部 今井(以下、編集部) 今日は久しぶりに御社のシエラをドライブさせていただきましたが、相変わらず角がなくて乗りやすいですね。
◆ジャオス広報・内田氏(以下、内田) ありがとうございます。『乗りやすい』っていう感想が我々にとって一番嬉しい評価のような気がします。
◇編集部 ジャオスでは他にも大小様々なモデルを扱われていますが、誤解を恐れずに言うと形は違いこそすれ、どのモデルからも『ジャオスらしさ』のようなものを感じます。そこで今回は、ジムニー用のパーツに込められたコンセプトや、それらパーツによるカスタマイズについてお聞かせください。
◆内田 我々がジムニーを手掛け始めたのは、前モデルであるJB23の4型からでした。それまではパジェロやランドクルーザーなど大型の4WDが主な取り扱い車種だったのですが、1990年代後半に施行された都市部のディーゼル規制によって、多くの4WDユーザーが愛車を手放すことになってしまいました。しかし、それでも4WDに乗りたい…と思うユーザーが挙ってジムニーに乗り換え始めたのです。ところが、当時のジャオスにはジムニー用パーツはラインナップになかったので、我々のパーツに慣れ親しんでいるお客様からご要望をいただくようになりました。
◇編集部 それがジムニー用パーツを開発するきっかけになったんですね。
◆内田 実は私も含め、ジャオスにもジムニー好きなスタッフがたくさんいたので『渡りに船』だったともいえます(笑)
◇編集部 なるほど。ところでファンとしてではなく、商品開発をを前提として接したジムニーの印象はいかがだったのですか。
◆内田 一言でいうと『びっくりした』というのが正直なところです。それまでは安定感でいえば乗用車以上の大型4WDを主に扱っていたので、『前後リジッドサスペンション+軽自動車サイズ』という組み合わせによる挙動が、それまで我々が積み重ねてきた経験とはかなり異なっていたように感じられたのです。

◇編集部 戦意喪失…とはならなかったですか。
◆内田 逆に燃えました(笑)。1997年に立ち上げたジャオスの機能品ブランド『BATTLEZ』のサスペンションが、その頃には既にご好評をいただいていたので、培ってきた『BATTLEZテイスト』をジムニーでも実現してやろうじゃないか…という感じです。今でこそ、定番化している40ミリアップという設定も、3インチ(75ミリ)が流行り始めていた当時では地味な数値でした。しかし、大型4WDで2インチ(50ミリ)アップのサスペンションを展開していたジャオス的には、ジムニーのボディサイズを考えると2インチでも少し行き過ぎではないかと。そこでジムニー用タイヤでは当時定番だった185/85R16サイズを履きこなす最低限…ということで設定したのが40ミリアップでした。そのあたりの割り切り感は、大小様々なモデルを扱っているジャオスならではなかったかと思います。リリース当時は、ジャオスとジムニーの組み合わせ自体がまだ馴染んでいなかったので、市場の反応は今ひとつでしたが、一度乗っていただくと納得していただけました。結局、じわじわと販売数を伸ばし続け、多くのショップ様でも扱っていただけるようになりました。
◇編集部 確かに、古くから御社を知っている我々にとって『ジャオスとジムニー』という組み合わせは新鮮でしたが、あっという間に定着しました。
◆内田 当時のジムニー用バンパーにはなかったデザインとボリュームを両立したフロントスポーツカウルなど、前モデルでの成功体験が現行ジムニー&ジムニー シエラのパーツ開発にも活かされているわけです。
◇編集部 現行のジムニー&ジムニー シエラですが、実車を初めてご覧になった時はどんな印象を持たれましたか。
◆内田 20年分の進歩が詰まったメカニズムを、ジムニーファンが愛してやまないJAタイプのスクエアなシルエットで実現しているのですから人気が出ないはずはないと思いました。ただ同時に、デザインも含めてあまりに車がよくできていたので、パーツ開発は大変だ…と引き締まった気分になったことを覚えています。例えばリヤスポーツカウル。純正のバンパーはテールランプユニットを埋め込んだうえでとてもタイトにデザインされています。余分な部分がほとんどないので、テールランプから変えないとバンパー交換をした効果がわかりにくいんですね。そこで、ジャオスとしては初めてテールランプユニットから作り直しました。
◇編集部 その他にもパーツの開発が止まりませんね。
◆内田 実は当初予定していた商品開発は…先日リリースしたリヤハッチパネルでやっとひと段落…というのが実情です。それでも開発に時間をかけた甲斐があったのがAESという新素材の誕生でした。ジャオスではFRPやウレタンなど、様々な樹脂を適材適所で使い分けていますが、徐々に主流になりつつあるのが剛性と表面品質に優れている(塗装のしやすい)ABSです。前モデルではFRPだったリヤハッチパネルですが、現行モデル用はABSを採用する方向で開発を行なってきました。しかし、ABSは対候性がないので表面保護のために塗装が必須。そこで最近注目されているAESをラインナップに加えました。AESは対候性に優れているので素地のままで使用可能。ただの無色・無地ではつまらないのでカーボン調の柄を型押しした仕様としました。未塗装またはマットブラックに塗装したABS、そしてカーボン調のAESと3つの仕様から選択していただけます。フロントグリルや、新たにリリースしたボンネットディフレクターにも同様の仕様を揃えています。
◇編集部 昨今、人気のルーフラックもリリースされました。
◆内田 元々、ジャオスにとってルーフラックは『3種の神器』と言ってもいいほど重要な商品だったのですが、様々な理由によって20年ほど前に販売を終了していました。ところが、おっしゃる通り、数年ほど前よりルーフラックが再び注目を集めています。そこで『今のジャオスだからこそできるルーフラック』を考えてみようじゃないか …ということで、国内の純正用品サプライヤーと共同開発の末に誕生したのがJAOSフラットラックです。
◇編集部 今日、連れ出したジムニーには新商品が装着されているとのことでしたが。
◆内田 そうそう、サイドシルプロテクターですね。ジムニー シエラに続いてやっとリリースすることができました。ドアハンドルプロテクターから採用し始めたハイボスカル樹脂は、ソフトな手触りと優れた対候性で純正オプションにも採用されている人気の素材です。また、今日の車両には装着していませんが、新たに追加したブッシュバーも好評です。
◇編集部 お話を伺っていると、ジャオスで展開されているパーツには『安心・安全』と『高品質』がキーワードとなっている気がしますね。
◆内田 そうですね…我々自身、ジムニーを含めた車が大好きです。大好きだからこそ週末だけではなく毎日接したいと思っています。そのため、『毎日接しても飽きないスタイル』『毎日乗っても嫌にならない高性能』をコンセプトとしてパーツ開発を行なっているのです。それは言い換えると『安心・安全』そして『高品質』に通じているかもしれませんね。
◇編集部 改めてジャオスのパーツの本質をお聞きできたような気がします。今日は長時間お付き合いいただきましてありがとうございました。

原点回帰ともいえるフォルムに求められる機能性を表現

そもそも“働くクルマ”がルーツである4WD…それも、サイズ的に余裕のないジムニーにとっては「フォルムそのものが機能である」と言っても過言ではない。4WD用パーツを専業としてきたジャオスだからこそ、そんな原点回帰を果たしたジムニー&ジムニー シエラの魅力を引き出すカタチを生み出してきた。

使いやすさを追求してたどり着いたシンプルなカタチ

様々なルーフラックが流通している今、ジャオスの選択はフラットラックという名が体を表す最もシンプルなカタチ。本体は四方からアクセスしやすい梯子型とし、必要に応じてウインドディフレクターやウォールバー、そしてランプブラケットなどオプションパーツで機能を拡張できるよう床板からフレームにまでスロット(溝)が設けられている。

「行ける」ではなく「余裕で行ける」がキーワード

ジムニーのパフォーマンスをもってすればノーマルでも走れない道はない…と断言できる。しかし、4WDパーツ専業メーカーとして培ってきたジャオスのノウハウを反映したプロテクションアイテムや、適切にセットアップされたサスペンションによって、そこに「余裕」や「快適」という付加価値が追加される。

日常で感じる高性能

前モデルと比較すると格段に快適度の増した現行ジムニー&ジムニー シエラだが、「しなやかで腰のある」チタン配合スプリングと「微振動をいなす」ハーモフレック内蔵ダンパーをセットしたBATTLEZのサスペンションにコンバートすることによって、更にワンランク上のパフォーマンスを味わうことができる。

フロントスポーツカウル JB64系/JB74系

JB64

JB74

JB64系/価格:52,800円(塗装品 マットブラック 70,400円)
JB74系/価格:59,400円(塗装品 マットブラック 77,000円)
※前モデルで好評だったスポーツカウルのデザインをベースに、現行モデルに合わせてアレンジされた。ジムニーとシエラ用は一見同じに見えるものの、並べてみるとそれぞれのボディに合わせ緻密にリデザインされていることが分かる。

リヤスポーツカウル JB64系/JB74系

JB64

JB74

JB64系/価格:81,400円(塗装品 マットブラック 99,000円)
JB74系/価格:85,800円(塗装品 マットブラック 103,400円)
※上記にもある通り、オリジナルのテールランプユニットの開発が必須だったため、開発には予想以上の時間とコストがかかった。しかし、その効果は抜群。丸4灯のLEDテールはジムニーのネオクラシックなフォルムに見事マッチしている。

リヤハッチパネル カーボン調

価格:50,600円 ※JB64/74共通
(塗装品 マットブラック 50,600円 JB64/74共通)
(未塗装品 マットブラック 37,400円 JB64/74共通)
※前モデル用ではナンバースペースを設けていたが、現行モデル用はフラットに造形され、アクセントとしてスポイラー形状を追加。塗装の必要がないAES樹脂ならではのカーボン柄が型押しされた質感はぜひ触って感じてみてほしい。

フロントグリル カーボン調

価格:52,800円 ※JB64/74共通
(塗装品 マットブラック 52,800円 JB64/74共通)
(未塗装品 マットブラック 35,200円 JB64/74共通)
※リリース当初はFRPだったが、後にABS・AES製に変更されて品質が向上。デモカーに装着されていたのはカーボンルックのAES製だが、ABS製のマットブラックのシボ塗装仕様や好みに応じて塗装できる未塗装仕様もラインナップ。

ボンネットディフレクター カーボン調

価格:61,600円 ※JB64/74共通
(塗装品 マットブラック 61,600円 JB64/74共通)
(未塗装品 マットブラック 52,800円 JB64/74共通)
※昨今のジャオスエクステリアパーツでは定番となっている横長のLEDランプ標準装備。「その他の灯火」扱いなので車検時の心配も無用。グリルやハッチパネル同様、ABS製未塗装&塗装仕様とカーボンルックのAES製という3タイプあり。

フラットラック 1250×1400 レインモール用

価格:107,800円
※走行中の風切り音を軽減する「JAOS フラットラック オプション ウィンドディフレクター type-A(写真上)」の同時装着を推奨。価格:3,300円
※軽量と高剛性を両立したアルミ押し出し材を使用。フロアパネルやフレームに設けられたスロット(溝)を使用してオプションを装着できる拡張性と、自動車用品に求められる安全テストをクリアした国産純正品同等のクォリティを誇る。

サイドシルプロテクター JB64系/JB74系

JB64系/価格:19,800円
JB74系/価格:14,300円
※乗り降りの際や、オフロードでのブッシュなどで傷を付けやすいサイドシルを、柔軟性に富むハイボスカル樹脂でプロテクションする。また、ブラック基調のカーボン柄はボディ下部を視覚的に引き締める効果あり。

フロントブッシュバー JB64系/JB74系

JB64

JB64

JB74

JB64系/価格:44,000円
JB74系/価格:44,000円
※じわじわと人気を集めているのがステンレス製のブッシュバー。純正バンパーとの組み合わせでネオクラシックなフロントビューを構築できる。JB64用とJB74用は、一見同じに見えるがそれぞれのバンパーに合わせた専用デザインだ。