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【FLEX】オールドランクルの愛らしさに近代的なランクルの装備と性能を融合したコンプリート

ランドクルーザー300系が話題を呼んでいる。最新のスタイルに先進のメカニズムを組み込んだ〝新型〟には、まさにランドクルーザー誕生から70年という歴史で紡がれてきた全てが凝縮されている。しかし、やはりその根底にあるものは変わっていない。そうしたブレのなさや、MADEinJAPANの誇りと真髄が感じられるからこそ、世界中で愛されているのだ。
 そして、日本においてそんなランクルの魅力を伝え、ランクル文化をずっと支えてきた存在がある。それが「FLEX(フレックス)」だ。

ランクルに興味があるなら、恐らく一度は聞いたことがあるだろう。その創業は昭和42(1967)年で、今やその歴史は50年超え。今ではハイエース店も人気だが、それ以上にずっとランドクルーザーを中心とした4WD・SUVのユーズドカーと向き合ってきた。
 現在では、専門店を含むランクル取り扱い店舗を全国の拠点で展開。さらにパーツ販売もするプロショップとして発展し、ランクルショップの老舗にしてトップランナーとなった。
 またランクルの販売に力を注ぎ、早くから「専門店」を展開してきた老舗だからこそのノウハウも多い。タフと称されるランクルとはいえ、年数を重ねてきたモデルはさすがに無傷とはいかない。しかし、あらゆる世代のランクルを次のオーナーに届けるため培ってきたリフレッシュ技術やメンテンナンスのポイントなど、数々のノウハウを持つからこそ、専門店のフレックスで在庫しているランクルは安心感が違う。
 在庫の豊富さや充実したノウハといったベースに加え、フレックスのもうひとつの魅力は、“ひと味違う個性派ランクル”であること。フレックスの販売車の主力は独自にカスタマイズしたランクルで、定番カスタムからトレンドの最先端を行く「FLEX STYLE(フレックス・スタイル)」、さらに今では新車のカスタムコンプリートから中古車のリノベーションまで、ランクルファンから羨望の眼差しを受けるランクルスタイルを生み出している。

ランクルシリーズに対しての豊富なノウハウ、そして愛ゆえ、FLEXが新たに展開しているカスタムコンプリートブランドが『Renoca(リノカ)』だ。新車とも中古車とも異なる「リノベーションカー」という新たなカテゴリーとして、いわゆるクルマのリノベーションを提案しているもの。コンセプトの定まったクルマを選び、豊富なカスタムメニューから自分好みのスタイルやカラーで作りあげていくことができる……そんな楽しみもあるモデルだ。

「自分らしさをどこまでも」

 そのコンプセプトのもとに開発されたリノカは、ランドクルーザー80やランドクルーザー95プラド、ハイエースなどをベース車両として展開しているが、今回フィーチャーするのは、ランドクルーザー100をベースにした『Renoca106(リノカ・イチマルロク)』と80がベースの「Renoca WONDER(リノカ・ワンダー)」だ。両車の最大の特長は、ランドクルーザー60を彷彿とさせるレトロなフロントマスクであること。実はワンダーは通称86とも呼ばれているのだが、80系+60系=86、そして100系+60系=106というワケだ。
 ちなみにグリルやヘッドライトベゼルはランドクルーザー60の純正品を使用し、ヘッドライトが丸目という現代のクルマではあまり見られない古き善きフロントマスクを採用(106には角目仕様も設定)。さらに前後のアイアンバンパーのほか、安全性を考えてオリジナル金型でプレスで起こしたスチール製ボンネット、さらにフロントフェンダーをボンネットやフロントマスクに合わせてナロー化することで、トータルのフォルムを構築。これらのオリジナルパーツを組み込み、ランクル80や100が60フェイスになるように調和させている。
 レトロ感を主張するボディ色は、スタンダードカラーとして16種類を用意。このボディ全塗装の際にはボディのキズやヘコミ修正に加え、モールやサイドパネルを撤去。これがシンプルなスタイルのための大事な作業。また、106で言えば、モールやサイドパネル撤去時にパテ痩せが生じないように装着用の穴を溶接で埋めるという凝った手法も。この手法はテールゲートにも用いられ、テールランプを外した後スムージング加工のような工程を経る。足し算のカスタムでなく引き算というのは、実に面白い。
 オールドランクルのスタイリングには惹かれるが、信頼性や安全性、リペアできるかが心配という人には『リノカ』はまさしく打ってつけ。誰もが気軽にヴィンテージカーのレトロさを手に入れられる。不変のエクステリアゆえ、色褪せる心配なし。だから飽きずに長く乗れる希有なランクルなのだ。

Renoca106

単にヘッドライトとグリル、薄型バンパーをフロントに移植しただけではないのが、Renoca106が唯一無二であるゆえん。自然に見える60フェイスは、ボンネットやグリル回り、ブリスターフェンダーを含むAピラーより前をオリジナルで新たに設計するなど、60系純正パーツともに組み込んだ結果。ヘッドライトについては106は、60後期型角目4灯や60前期型丸目2灯のいずれかを選択可能。※86ことワンダーは丸目のみ。
前後のバンパーについては基本はアイアンバンパーだが、別バリ―ションとして、マットブラック化した仕様も存在する!フロントグリルもそれに合わせてメッキorブラックアウトなどで統一されている。リヤにヒッチメンバーの追加も可能。
外観のレトロでお洒落なテイストはしっかりと車内デモ主張したい。オリジナルのシートカバーや、キャンパーに推奨のベッドキットをラインアップ。
Renocaに数多く採用されるクリムソンのレトロフューチャーなホイールDEAN(ディーン)シリーズ。今回の撮影車では、リノカ106がハードなギア感も感じさせるコロラドを装着。そこにMTタイヤをセットしていた。
サスペンションのカスタマイズがしやすいランクル80に対して、フロントサスが独立懸架トーションバー(もしくは電子制御エアサス)であるため、リフトアップカスタムには向かないとされる100系。一方で走行性能的には快適さと走破性を両立させた優れた足回りと評価できる。Renoca106のスタイリングなら過剰な車高アップはなくて良いし、パワフルなV8エンジン(もしくは稀少な1HD-FTEディーゼルエンジンなど)のパフォーマンスも魅力だ。

Renoca WONDER

ランドクルーザー80系をベースに、60系の丸目2灯マスクへスワップしたのが「リノカ・ワンダー」。106と同様、フロントセクションはフレックスがオリジナルで製作し、60系純正のグリル&ライト回りを組み合わせる「Renoca」シリーズの先駆けとなった仕様だ。
撮影車両はアースカラーのアンヴィググレーのボディ(Jeep純正色)、4.2ℓディーゼルターボに、オフロードタイヤLT255/85R16のBFグッドリッチA/T KO2、アルミホイールにはレトロ感が魅力のDEANカリフォルニアを組み合わせる。ほかにもダウンテールマフラーといった走りを予感させるカスタムも。
室内ではレザー調のFLEXシートカバーやフロアマット、ウッドハンドルなど、温故知新的なインテリアへのコダワリも。ほかにも街乗りをメインに据えた仕様ももちろん存在するし、好みの仕様へとオーダーすることも可能だ。