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【AVO TURBOWORLD JAPAN】世界基準で開発されたターボをジムニーシエラにインストール!

 筆者はターボ化されたJB74シエラは数台乗ってきた経験があるが、今回のAVOターボワールドの、このクルマは乗りやすさと楽しさで群を抜いていた。
 出足は非常にスムーズ。ブーストがかかるまでは純正との差はさほど感じられないが、アクセルを開けてターボが作動するとトルクが増していることがよく分かる。あっという間に制限速度に達してしまうのだ。この気持ち良さはノーマルの比ではない。ノンブーストからブースト域への変化も自然。さらに一気にアクセルを踏むと背中がシートへと押し付けられるほどのパワー・トルクを体感できる。高速道路ではその楽しさは倍増し、追い越し車線では普通車を余裕で突き放す加速を楽しめる。感動するほどパワーに溢れてそれでいて乗りやすい……そんなターボとなっている。
 このターボを開発したのはオーストラリアに本社があり、ターボチューニングにおいて50年以上の歴史があるAVO。ここ日本でも20年以上にわたってスバルやマツダ車用のターボを中心とした開発を手掛けてきた。さて、今回のジムニーシエラ(JB74)用のターボキットの開発は、オーストラリアや中東といった海外ユーザーのニーズに応える目的もある。
 チューニングを手掛けたのは、オーストラリアで本社業務に携わったのち、日本支店長として活躍するチューナー・江角典夫氏。開発は日本だけでなく中東など過酷なシチュエーションでも実施し、タービンなど機器類の十分なテストに加え、純正ECUのチューニングも完了!このタイミングでターボキットとして、正式リリースとなった。
 キットはタービン本体や超大型インタークーラーのほか、エアクリーナー、強化ブローオフバルブとそれらをつなぐパイピング、さらには専用エキゾーストマニホールドなどで構成。純正触媒を流用するため車検にも適合する。気になるスペックだがパワーはカタログスペック比で約1.5倍の160PS。トルクはなんと約1.7倍の22.5kgf・mとまるで2ℓクラスのスペックとなる。
 オーナー目線で気になるのは耐久性と燃費だろう。まず耐久性だがチューニングカーなので絶対ではないが、開発時には純正ピストンやトランスミッションなどの耐久性も考慮し、安全マージンを確保しているとのこと。また純正ECUのデータを書き換えているが、チェックランプの点灯は当然ない。燃費は常識的な速度域で走行をし、急加速をしない限りは純正同等か場合によっては向上するオーナーも実際にいるという。
 パワー不足に悩むオーナーはぜひ試乗しよう。欲しくなること間違いなしのカスタムだ。

AVO TURBOWORLD ジムニーシエラ・ターボキット

今回のターボキットの構成内容はメインとなるタービン、これを固定するエキゾーストマニホールド、超大型の専用インタークーラー、金属ボディの強化ブローオフバルブ、パワーフィルター、ステンレス製のパイピング、そしてシリコンホースとバンドとなる。これらのキット以外に必要となるのがショートパーツとエンジンオイル。そしてターボ専用のECUデータだ。なおこの仕様ではプラグや燃料ポンプなどは純正を使用、燃料はハイオクガソリンに。

ジムニーシエラ用のタービンにAVOが採用したのは同社が他車でも使用するタービン。軸受けはメタルだが高回転型エンジンではないのでパフォーマンスに影響はない。ブーストコントロールはアクチュエーター式で指定ブースト圧力は0.5㎏以下となる。

タービン本体を吸排気菅に繋ぐパーツがエキゾーストマニホールド。シエラのK15B専用のボルトオン設計で触媒は純正を流用することになる。黒くなっているのはヒートカットペイントを施しているため。サーモバンテージと同等の効果があるのだ。
ブーストコントロールはアクチュエーターで行なわれる(出荷時は0.4㎏に設定)。なおオーバーシュートや各部の耐久性も考慮して0.5㎏が限界値となる。
インタークーラーはシエラ専用の自社製。大型だが純正バンパー内に収まるサイズ。またインタークーラーの構造にもこだわり、空気抵抗を低減する工夫もされている。
タービン位置を上方にすることで目立たせているほか、ポリッシュ仕上げのパイピングもクール。またエンジン本体を避けたパイプレイアウトは熱の影響を最小限にする狙いもあるなど、カッコ良く機能的にも突き詰められたレイアウトでターボキットをインストール。エアクリーナーはむき出し型を採用。専用パイピングとホースでグリル内に固定される。
踏み方によってさまざまな表情を見せる…。それがこのターボキットの印象。穏やかなアクセルワークではNAエンジンのような走りになるが、アクセルをぐっと踏み込むと目が追いつかなくなるほど加速をみせる。大径タイヤ化でハイギアードになっているが、信号待ちからの発進でもアクセル開度は30%程度で十分な速度域に達する。
高速では時速80㎞程度からの中間加速でも一瞬で他車をリードできるほどの速度になる。しかもターボラグもなく運転しやすいことも特筆点。非常に高い完成度を持つターボキットだった。
TURBOだけでなく、NAにこだわるオーナーにも多くのチューニングパーツを開発するAVO。例えばエアクリーナーのパワーフィルターやエキゾーストマニホールド、マフラー。二次触媒(スポーツキャタライザー)など。さらにこうしたパーツをインストールした際の最適なセッティングが施されたECUデータも開発済み。ジムニーシエラのパワーアップに興味があるなら要チェック!

写真はAVOのチューナー・江角氏。

ターボキットの装着は、開発元のAVOか、腕利きのプロショップに任せよう。これは触媒の溶接やECUのリセッティングがあるため。ターボ装着後にマフラーを変えた際なども考慮し、AVOではECUのリセッティングを2回まで無料で行なえる。またAVOには試乗車も用意。希望の際は事前問い合わせを。