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よみがえる黄金世代の鼓動「音楽家が選んだヤングクラシック」1992y Mercedes-Benz 230E W124

多くのファンを魅了し続けるヤングクラシック。現代のクルマがどんなに快適になっても超えられないものがあることを、プロの音楽家が教えてくれた。

 

●Profile 杉山 正 氏 

ジャズミュージシャンでトランペット奏者の杉山さんは、講師として日本全国で指導し教則本も執筆している。写真右は奥様。

「杉山正モデル」として存在するトランペット。世界大戦以前の技術を現代によみがえらせるために日々研究を重ねているという。

メルセデスを乗り継いで辿り着いた答えとは?

 ジャズミュージシャンでトランペット奏者の杉山正さんは、講師として日本全国で指導をしながら教則本の執筆もしている著名な音楽家である。日本だけではなく世界でその名を知られる杉山さんは大のクルマ好き。その音楽家が選ぶクルマとは一体どんな魅力があるのだろうか。

 1990年から現在に至るまでの33年間で7台のメルセデスを乗り継いでいる杉山さん。Sクラス450SE(W116)を始め、500SE(W126)、E400(W124)など大排気量のV8エンジンはもちろん、E320(W124)、E320AVG(W210)など直6DOHCエンジンも3台ほど乗り継いでいる。こうして聞くとファンではなくとも、誰もが羨むような愛車遍歴の持ち主だ。

 その杉山さんが2017年に出会ったクルマが、現在の230E(W124)である。あえて選んだ直列4気筒SOHCエンジンが実にしっくりくるというので、その理由を聞いてみることにした。

 「乗り心地の良さや運転のしやすさ、クルマ自体に威圧感がなく品があること。また視界の広さなどは言うまでもなく、エゲートグリーンという今までに見たこともなかった落ち着いた色合いも気に入っています。仕事柄ヴィンテージの楽器を研究してきましたが、職人によって丁寧に作られたものは、今の技術を持ってしても越えられないものがあると感じています。まさにこのクルマはそんな感じがするんですよね」と深く感想を語ってくれた。

外装はソリッドカラーで、落ち着いた色合いのエゲートグリーンが一番のお気に入り。W124のシルエットは飽きのこないデザインで、今でも人気の理由のひとつとなっている。

内装は素敵なグリーンファブリック。とてもシックでオシャレ。その状態の良さは走行距離が23万㎞を超えていることを忘れるほど。シートに破れなどは見受けられない。30年間丁寧に乗られてきたことがわかるベストなコンディションだ。

M102型直4SOHCエンジンを搭載。往年のメルセデスらしい重厚なフィーリングが味わい深い。速さではなく、フィーリングを重視する大人の嗜みとも言える。

【取材協力】アイディング

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