自分が乗りたい!と思う
車両しか扱わないスタンス
大阪と京都を結ぶ国道旧1号線沿いに佇む煉瓦基調の大型ファクトリー。その奥へと進むとエンジン、ミッション、足回り等、パーツごとに整理された大量のパーツストックがズラリ。
「好きなことを仕事にしてはいけない」とはよく言ったものだが、37年間一貫して好きな事だけを仕事にしてきたと語るのはシンプルオート代表の吉田氏。創業当時はインターネットは存在せず、業者オークションでも日本中から買えるわけもなく、並行輸入で海外から輸入するにも垣根が高かったとの話。当初はクラシックBMWを数台集めるのにも苦労したが、数社あった当時の同業者と一線を画すべく自社工場を持ってレストアを施して販売するスタンスを貫いてきたという。既に新車から半世紀経過した2002などのクラシックBMWだけに一般的な市場で出回っている個体は、何とか走行できている状態も多く見受けられるが、同社でフルレストアした個体は10年、20年を経ても綺麗で安心して乗れるフレッシュな状態のものばかりだ。煉瓦基調の大きなファクトリーの中には納車整備を待つクラシックBMWがズラリ。奥へと進むと数万点を超えるのパーツストック。2階にはレストアを待つ個体を複数台眠らせており、中2階にもパーツストックとお宝の山。2002フリークや3.0CSを始めとするマニア達が迷いなくシンプルオートを訪れる理由は、多くを語らずともこの光景が物語っている。
また、新たな取り組みとしてE30を筆頭とするポストクラシックBMWのレストア販売や、台湾の企業と協力関係を結んで開発中のジェネリックパーツの充実など、次世代のクラシックBMWシーンをより豊かにしていく取り組みも注目だ。
また、新たな取り組みとしてE30を筆頭とするポストクラシックBMWのレストア販売や、台湾の企業と協力関係を結んで開発中のジェネリックパーツの充実など、次世代のクラシックBMWシーンをより豊かにしていく取り組みも注目だ。
長年蓄積してきた確かな技術と豊富な経験
ベース車両にパーツストックの凄まじさ
300坪を超える自社ファクトリーではあるが、そのスペースだけでは足りず、近隣の倉庫を保管庫として使用するシンプルオート。旧車にとって紫外線や雨は大敵。多少コストはかかっても屋内保管にこだわるスタンスもまた、「好きなことを仕事にする」姿勢の現れである。
台湾の企業と提携してクラシックBMWのジェネリックパーツ開発に着手。純正のクラシックBMWのNOSパーツを大量にストックしているシンプルオートがサンプル品と照らし合わせながら、よりクオリティを高めることで純正品と何ら遜色のないパーツ開発に成功している。
ドンガラ状態の2002を筆頭に当時物のラジオやエンブレム、エンジンの他、博物館級のお宝も多くディスプレイされる商談ルーム。飾り付けのセンスは女性スタッフの賜物。定期的にレイアウトを変更することで常連さんとのクルマ談義にも花が咲く。
元々のクルマ好きが高じて前職の美容師から転職した吉田氏。クラシックBMWが主軸であることに変わりはないが、それ以外のネオクラシックモデルも大好物。中でも80年から90年代初頭のゲレンデバーゲンや、E46世代あたりのアルピナは定期的に在庫するほどだ。