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2022.05.27

【GERMANCARS Parts Information】To-Fit電子サビ防止装置「RUST STOPPER」がさらなる進化を遂げた!

 国産車と比較するとドイツ車はサビに強いのだが、環境や経年劣化によって少しずつボディは傷んでいく。旧世代モデルに乗るユーザーであれば機関面のメンテナンスは定期的に行なっていると思うが、ボディのメンテナンスも重要なポイント。そこで紹介したいのが、ツーフィットのラストストッパーである。

電子の力を利用した錆び止めとして長い歴史のある製品。リアル旧車乗りの間ではコストパフォーマンスの高さもあって定番の人気商品として定着している。取り付けが簡単で、車体側への加工を一切必要としないのも人気のポイント。
●12V用 レギュラータイプ   ¥25,300
     ヘビーデューティ   ¥30,800

内部部品の改良により性能アップを実現

 まだまだ防錆処理が十分ではなかった1970年代頃までの旧車ユーザーの間では、すでに定番のアイテムとして周知されているラストストッパー。そろそろ車齢が25歳を超える旧世代のメルセデス・ベンツやBMWにとっても早めの対策が必要になる。そのラストストッパーがさらなる進化を遂げている。本体の外観についてはそのままに、LEDの点灯パターンを変更。通常バッテリーが12・3V以上だとLEDが点灯。そして12・1V~12・3V時はLEDが点滅し、ラストストッパーからのパルスは出力を停止する(点滅時の消費電流は2mAくらい)。さらにバッテリーが12・1V以下になるとシステムはOFFの状態になり、LEDが消灯する。つまり、LEDの点灯パターンで電力の状態も確認できるようになったのだ。さらに、大きな改良点としては内部部品を含めてデジタル化することで、パルス出力の安定性が向上している。
 このように旧車のみならず、幅広い車種に対応しながら進化してきたツーフィットのラストストッパー。その仕組みは、錆びの発生原理を利用して、そもそも錆びないようにしてしまおうという技術。
 鉄は原料である鉄鉱石から酸素を追い出して作られていて、放っておけば空気中の酸素とくっ付いて元の安定した状態に戻ろうとする。その時に手助けをするのが水分で、水が電気化学反応を発生させることで鉄をイオン化させ、空気中の酸素と結合しやすくなる。こうして錆は発生する。だから錆は梅雨時に発生しやすい。この結合を、電子の力で防止しようというのがラストストッパーなのだ。
 この原理は実は50年以上前から利用されていて、石油コンビナートや地下パイプライン、橋ゲタなどにも大型の装置が使われている。確かな技術的効果が証明されている電子的な防錆装置なのである。
 ラストストッパーはバッテリーの電気を使用して作動するが、消費電流は3~12mAとクルマの時計に使われる程度。それでも万が一にもバッテリー上がりの原因とならないように、電圧をモニターして一定以下に低下した場合は自動的に電源を切る機能も備わっている。取り付けは後のコーナーで詳しく紹介しているように、電源を取って車体に2本の配線を繋ぐだけ。作動をモニターするLEDのインジケーターも付いている。車体側への加工は必要ないので、装着はとにかく簡単だ。
 ドイツ車にとって錆は大敵。頑丈なボディを持つドイツ車でも経年劣化や天候、環境には逆らえない。大切な愛車を錆から守るなら、これ以上の製品はないだろう。早めの対策で愛車を錆から守ろう。

ラストストッパーは完全防水仕様。水分が装置内部に浸入するのを防ぐためにケースはしっかり密閉され、さらに基板にも防水処理を施すなど万全の体勢を整えている。
ジャッキアップポイントや下回りなど、普段あまり見る機会が少ないところにサビが発生するとやっかいなことになる。
一見、正常なボディに見えるが実はサビ始めの状態。サビはゆっくりと、確実に進行していくのである。

取り付けはDIYでも20分あればOK!

SAMPLE CAR メルセデス・ベンツ初代Eクラス「Mercedes-Benz E Class(W124)」
最終型が95年式となるW124こと初代Eクラス。25年を超えてくると気になるのがボディのサビ。W124は頑丈なボディを持つことで知られているが、ボディの継ぎ目などサビによる経年劣化には逆らえない。ここではこのクルマをサンプルに、ラストストッパーの装着方法を紹介しよう。

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まずは本体をどこに設置するかを検討。エンジンルーム内の熱や水の影響を受けにくい場所がベスト。二重隔壁のW124の場合は、バッテリールーム部分が最適か。

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バッテリーから電源を取る。取り付けは非常に簡単だ。作業する時には安全のために先にマイナス側を外しておくと安心。

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本体に備わる配線。赤の配線をバッテリーのプラス端子に、黒の配線をマイナス端子に繋げる。間違いのないように、よく確認してから繋げること。

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端子を外して割り込ませばOKなので、DIY初心者でも作業できる。ちなみにW124のターミナル部のナットは13㎜で、これを緩める。

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赤、黒ともに配線を繋げたらナットを締めて固定。ここまで難しいことは何もない。手軽に試せるところもラストストッパーの魅力である。

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本体にはLEDのインジケータがあり、作動をモニターしている。バッテリーから電源を取っているが、電力の消費量としてはクルマに備わる時計に使われる程度。

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防錆のためのディスチャージワイヤーは2本あり、1本はボディ、もう1本はシャシー部に引きこみ、固定ボルト部分と共締めした。塗装していない金属面にワイヤーを接続すると、そこに錆が集まるので注意。

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マジックテープを使ってバッテリーの上に装着する方法もある。いずれにしてもエンジンの熱などの影響を受けにくい箇所に設置するようにしたい。

ドイツ車は防錆剤が洗車等で剥がれ始めると急に錆びやすくなる傾向にある

さらに時間が経過すると・・・ ↓
確かな効果を発揮するラストストッパー
上にあるのは同じ鉄板を2枚用意して、ラストストッパーの効果を検証した実験写真である。3時間ごとに同じ量の水をスプレーしてサビの発生状況を見たものだ。時間が経っするにつれてラストストッパーを装着していない鉄板にはサビが発生しているのが確認できる。一方、ラストストッパーを装着した鉄板は長い時間が経過しても変化は見られなかった。
※メーカーによる検証データ
 
電気防食法を応用したサビ対策は、石油コンビナート、地下パイプライン、橋げたなどの大規模な施設でも多く採用。確かな効果がある証と言えるだろう。ここで紹介しているラストストッパーも同様の原理となっている。
 
●問い合わせ:ツーフィット株式会社
●所在地:神奈川県横浜市中区長者町5-75-1
●TEL:045-253-7945