TOP > 記事 > 【GC-SUV倶楽部】Volkswagen Tigan

【GC-SUV倶楽部】Volkswagen Tigan

 フォルクスワーゲン初のコンパクトSUVとして登場したモデル。パサート&ゴルフをプラットフォームにSUVへと仕立てられたのがティグアン。コンパクトな街乗りSUVとして注目したい存在である。

2009y VW ティグアン

軽快さが心地いい

 ティグアンのベースとなっているのはパサート&ゴルフのプラットフォーム。乗用車ベースとすることはコンパクトSUV界の常識だ。そこに独自のSUVシャシー(ダンパー&スプリング)を与えたもので、トゥーランとほぼ同じサイズのクロスオーバービークルとして仕立てられている。
 車名は公募によって選ばれたもの。力強いタイガー(ティグラ)と悪路でもすばしっこいイグアナを組み合わせた造語だ。
 実物を見ると、パサートに良く似てワイドなフロントマスクがまず目に飛び込む。写真で見るよりもオシが強い。もっとお安い雰囲気だと思っていたから、ちょっとした驚き。これなら高級SUVひしめく都会でも、十分、胸を張って乗れそうだ。
 よく見ればアンダーガードを備えておりSUVらしい。アプローチアングル28度、デパーチャーアングル25度、そして登坂能力は43度と、スペック的には十分。そこにボタン一つで、ヒルディセントアシストやアクセルペダル特性、ギアモード、ABS制御などをオフロード走行にあったセットとし、オフロード走行の支援を行なうオフロードスイッチが装備されている。
 走りはいかにもVWらしい硬質で事務的なスタートを切ってすぐに思ったのが、昨今の欧州SUVと同様に、動きがとても乗用車的で軽快だなということ。ロールがよく抑えられ、背の高いクルマに乗っている感じがしない。これなら視界が高い分だけラク。なるほどSUVこそ普段使いで選びたいという人の気持ちが分かる。
 意外にもワインディングロードも難なくこなした。ここでは適度なロールが足の動きを正確に知らせ、かえって軽快に走ることができる。
 また、高速域における乗り心地の良さは最近のVWに共通する魅力だ。これなら長距離でも不満なくドライブできるだろう。

直噴+過給器を組み合わせた新開発の2ℓTSIエンジンを搭載。2.8ℓNAエンジン並みのトルクフルな走りを実現している。
ティグアン用に改良が加えられたティプトロニック付き6速ATを搭載している。
「OFFROAD」ボタン一つで、急坂を低速で降りる時に有効なヒルディセントアシスト、アクセルペダルの特性変更などの走行支援システムが起動する。
黒を基調としたシックなインテリア。ボタン操作で作動するEPB(エレクトロニックパーキングブレーキ)などの上級装備が標準となっている。
上質なセダンのような座り心地のシート。ボディサイズがコンパクトなので、運転席からの見切りは良い。
オンロードではキビキビとした軽快な走りを見せるティグアン。TSIエンジンと6速ATの組み合わせはスムーズな加速を実現する。