CROCO CARS
クロコカーズ
メルセデス・ベンツのフラッグシップに君臨するSクラス。Sクラスといえば圧倒的な存在感が魅力だが、そのご先祖様たちは、気品溢れるルックス。ここではSクラスの系譜の中でもエポックメイキングな2台を紹介しよう。

止まっているだけで気品が
溢れ出すような流麗な姿
今回紹介するメルセデス・ベンツ220S PONTONや250SEは非常に愛らしいフロントマスクで、失礼ながら現行型のような「押し出し感」は微塵も感じられない。ちなみにこの2台、単なるクラシックモデルで終わらせるのは早計で、メルセデスの歴史の中では画期的なモデルと言える。
まずは220Sだが、それまでの乗用車が独立フェンダーを採用していたが、このモデルは現在のクルマでは一般的となったボンネットからトランクまで一体のフェンダーを採用。そこからポントンボディと呼ばれるようになる。
また「ハネベン」と形容されるフィンテールのW111は当時の北米市場を意識したデザイン。ユーザーに迎合したスタイルは、ある意味メルセデスの歴史の中では異色な雰囲気を醸し出している。
なおこの個体、カンのいい方ならご存知だと思うが、前オーナーは山梨の方。前号の記事を見て「鰐部さんなら、きっとこのクルマを相応しい人に引き継いでくれる…」という熱意を受け引き取ったそうで、新たなオーナーを絶賛募集中だ。
ちなみにクロコカーズ代表の鰐部さんやメカニックの原田さんは、まだ20代後半。自分たちより遥かに年上のクルマだが「貴重なクルマに触れることで知識・技術を磨けますね」と語る。90年代付近のメルセデスを得意とするクロコカーズだが、その守備範囲はますます広がっていきそうだ。
アメリカを意識したデザインを随所に感じる
1968y Mercedes-Benz 250SE





大き過ぎず扱いやすい毎日乗れるビンテージ
1958y Mercedes-Benz 220S


