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【多走行車の買い方講座 vol.04】購入時に気をつけることは?/ GERMAN CARS アーカイブ/2014年9月号より抜粋

欲しいクルマを絞り込んだら、整備履歴のチェックを忘れずに行ないたい。過去にどんな部分がメンテナンスされてきたかを把握することは、コンディションを見極めるうえでも重要なことだ。ちなみに記事はすべて2014年9月号からの抜粋なので、中古車の相場や「現行型」「先代」などの表記はすべて2014年当時のものとご承知おきいただきたい。

 

定期的にメンテされてきたクルマは
走行距離に関係なく調子が良い

 多走行車を見極める上でもっとも重要なのが整備履歴。これまでどんなメンテナンスがされてきたかによって、今後の維持の手間が変わってくる。走行10万㎞オーバーともなれば、ある程度のメンテナンスはされているはずだが、その内容が非常に重要なのだ。理想はエンジンやATなどの大物修理がすでに済んでいて消耗品も定期的に交換しているクルマ、ワンオーナーで整備はすべてディーラーで行なってきたようなクルマも狙い目だ。
 とはいっても、タイミング良くそういったクルマに出会えるとも限らない。そこで購入時に確認しておきたいメンテナンスポイントを下にまとめてみた。これらは電気系、冷却系、燃料系、点火系、駆動系における代表的な消耗品である。走行10万㎞オーバーであれば一度は交換しているはずで、こういった定期的なメンテナンスがされているクルマなら、トラブルが続いて乗り切れなくなってしまうことはないだろう。
 ただし、2回目の交換時期を迎えるケースもあるから、これらに手が入っていればノーメンテというわけではない。これは多走行車に限らずすべての中古車に共通することなので、購入予算のほかメンテナンスのための予算も確保しておく必要がある。
 多走行車で気をつけたいのは大物修理となる部分。エンジン、AT、エアコン、触媒などがそうだ。ある程度のオイル漏れは後から手を入れるとしても、エンジンのヘッドガスケットが抜けていたり、ATの変速が明らかにおかしいクルマは避けるべき。エアコンにおいても作動確認を行ない、過去に修理履歴があるかを確認しておこう。触媒は下回りから「カラカラ……」という異音が出ていたら交換の合図。車齢10年を過ぎたあたりから交換が必要になるケースが多く、部品代は想像以上に高価なので忘れずにチェックしておきたい。
 整備履歴の確認が済んだら、後は一般的な中古車のチェックと同じ。エンジンが素早くスムーズに始動するか、アイドリングは安定しているか、室内まで響く大きな振動はないか、タイヤに偏摩耗はないかなど。装備類の作動確認も忘れないようにしよう。試乗が可能なら、いつもと同じような感覚で走り、異音や振動がないかをチェック。ATのシフトタイミングに違和感がないかなども確認しておきたい。どこかにトラブルを抱えているクルマなら、運転中に不快な印象が残るはずだ。

(すべて GERMAN CARS 2014年9月号より抜粋。相場や「現行型」「先代」などの表記はすべて2014年当時のもの)

 

多走行車で確認しておきたい
代表的な「メンテ済みポイント」リスト

 多走行車を購入する時にチェックしておきたいのが、メンテナンスが済んでいるポイント。代表的な消耗品をピックアップしたので整備履歴をチェックする時の参考にしてほしい。また、メンテナンスが済んでいるといっても、いつ交換されたかが重要なので合わせて確認するようにしたい。

 

電気系パーツ

●エアマスセンサー
●クランクポジションセンサー
●カムポジションセンサー
●オーツーセンサー
●アクセルペダルセンサー
●エンジンハーネス
●オルタネータ

エンジン不調などの原因になるクランクポジションセンサー。トラブルが多いポイントだ。
輸入車の定番メンテポイントであるエアマスセンサーは、意外に高価なパーツ。
 

冷却系パーツ 

●ウォーターポンプ
●サーモスタット
●ラジエター
●クーリングファン

冷却系の重要パーツであるクーリングファン。電動タイプとフルード式の2タイプがある。
 

燃料系パーツ

●燃料ポンプ
●燃料ポンプリレー

燃料系パーツの要である燃料ポンプ。フィルターやリレーも消耗品だ。
 

点火系パーツ

●イグニッションコイル
●ディスビキャップ&ローター

点火系ではイグニッションコイルのトラブルが定番。クルマによって装着される数が異なる。
 

駆動系パーツ

●ベルトテンショナー
●クランクプーリー
●アイドラプーリー

異音の原因になりやすいベルト回り。テンショナーやプーリーの交換履歴は要チェック
 

ここは要チェック! 重要ポイント

●エアコン
●触媒
●ATのオーバーホール
●エンジンのオーバーホール

上記は部品代や修理費用が高くつく部分。エアコン、AT、エンジンは何となく高そうなイメージがあると思うが、意外なポイントが触媒。これは排気ガス浄化装置であり、下回りからカラカラ……という異音が出ていたら交換時期。高年式モデルでもトラブルが発生しているので、購入時にはチェックしておきたい部分だ。
 

内装のコンディションは一つの目安になる!

クルマを大切に扱っているユーザーは内装もキレイな状態をキープしていることが多く、機関面のコンディションも良い傾向にある。最終的には整備履歴を確認するのが確実だが、内装のコンディションも一つの目安にはなる。
 
 
※全てGERMAN CARS 2014年9月号より抜粋。
相場や「現行型」「先代」などの表記はすべて2014年当時のもの