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【もう一度乗りたくなる“ドイツの絶版名車”/vol.07】BMW 325i(E30)軽いボディと軽快なエンジンが生み出す独特な世界

未だコアなファンから愛され続けているE30こと2代目3シリーズ。コンパクトで軽いボディと軽快に回るエンジンは、E30ならではフィーリングを味わうことができる。BMWの本質がよく分かるネオクラシックである。

 

存分に走りを楽しめる
MTに換装された希少モデル

丸目4灯のヘッドライトと直線的なボディラインで構成されたエクステリア。バブル時代には街中に溢れるほどよく見かけたクルマだが、今ではクラシカルな雰囲気がとても味わい深い。
 

絶対的な速さではなく
独特な味わいを持つ

 ドイツ車のハチロクと呼ばれ、その走りでファンの心を掴んで放さない2代目の3シリーズ。「生かし切れるパワーのFRサルーン」というコンセプトは今も変わらないけれど、3世代目からは圧倒的に優れたサスペンションが与えられてボディが大型化されたため、限界域が一気に高くなった。そこそこの速度で楽しめて、ドライビングの腕を磨くのにはこのモデルまでがベストなのだ。ちなみに全長と全幅を掛け合わせてクルマの底面積を出してみると、E30の7.11㎡に対して、次世代のE36では7.52㎡にも増えている。これだけ大きくなれば、当然走りも違ってくるわけだ。
 そんなE30は、82年に登場。スタイリングは初代のE21型のイメージを踏襲しつつも空力特性を考慮した洗練されたデザインとなっていた。
 とはいえ、87年式までの前期型はアイアンバンパーをはじめとしたメッキ類も目立つデザインで、70年代テイストを随所に残すようなスタイリングであった。現在、この前期型を見かけることは非常に希な状態となっているが、よりレトロなスタイリングを好む人には前期型を選択肢のひとつとしておくのも面白い。
 後期型はエリプソイドヘッドライト(国産車にはプロジェクターヘッドライトという名称で採用されることが多かった)や樹脂バンパーなどを採用したビッグマイナーチェンジを実施。これにより洗練されたスタイルを手に入れる。
 今あらためてE30を見ると、前期型が70年代のテイストを残していたのに対して、後期型はまさしく80年代といった雰囲気を醸し出している。
 そして後期型で追加され高い人気を誇ったグレードが、2ドアボディのみに存在したMテクニック。エアロパーツやスポーツシート、M社製のスポーツサスペンションを装備したグレードで、これを模した〝Mテク仕様〟も数多く街中を走っていた。
 E30型が〝六本木のカローラ〟と呼ばれるほど高い人気を誇っていたのは80年代後半から90年代前半。この当時、E30型が持つ本来の魅力というよりは、最も手軽なBMWというポジションとBMWが持つ高いブランド力によって人気が先行していた感は否めない。
 しかし、このクルマが持つ本来の魅力を知るBMWフリーク達により、流通台数は減少しながらも今なお手に入れることは可能な状態にある。その中古車相場は程度により大きく異なるという状態にあり、100万円以下のクルマも探せる。手間や費用はかかっても、DIYなどでコツコツと仕上げることから楽しみたいという人は、ベース車として安いクルマを選択するのも悪くないと思う。しかし、かつて憧れたE30型の3シリーズに今こそ乗ってみたい、または再び乗りたいという人は、専門店で整備されたクルマを選択することをお勧めする。とくに整備履歴が確認できる専門店の管理車両ならば、現代の足として普通に乗ることができる。それどころか、軽量&コンパクトなFR車ならではの自然かつ軽快なハンドリング、滑らかな回転フィールと意外なほど野太いサウンドを発生する6気筒エンジンなど、E30型 3シリーズが持つ本来の魅力も十二分に堪能できる。しかもM3は異常ともいえるほど中古車相場が高騰しているが、それ以外のE30型 3シリーズはまだまだ常識の範囲内の相場となっている。
 今回取材したBMW専門店「つたえファクトリー」の325iは、これまでのオーナーが、同店で長く整備をしてきた車両。いわゆる専門店の管理車両なのだ。複数台のクルマを所有する前オーナーが、定期的に整備を施しつつ趣味として乗っていたクルマなので年式を考えれば走行距離も少ない。さらに、同店でMTに換装されているところも魅力的。今となっては、コンディションに優れたE30のMTモデルを探すことは非常に難しい。取材車のエクステリアやインテリアは前オーナーの保管状態が良かったからか、経年劣化を感じさせないコンディションをキープ。MTのE30を探しているなら、まさに狙い目の一台だといえる。今後、中古車相場が大幅に高騰することは考えにくいが、流通量が減っていくことは確か。一度乗ってみたいという思いがあるなら、早めの決断をお勧めする。

センターコンソールがドライバー側に大きくオフセットされたコクピットのようなインテリア。トランスミッションはつたえファクトリーにてMT換装されている。ファブリックシートはキレイな状態で前オーナーが大切に扱ってきたのがわかるコンディション。
長年にわたり、つたえファクトリーが整備を実施してきた管理車両。これまでの整備実績が残っているので、メンテナンスプランが立てやすい。希少なMTに換装されているのも中古車として魅力な存在だ。
U-CAR DATA●90年式325i●検なし●走行8.2万km●シルバー●左ハンドル●つたえファクトリーにてMT換装●記録簿
アナログ時計やドライバー側に大きくオフセットされたセンターコンソールなど、この時代のBMWを象徴するデザイン。取材車には社外のナビゲーションが装着されている。
E30専用に作られたダッシュボードカバー。ダッシュボードは経年劣化が進む部分だけに、こうしたカバーがあると良い状態を保てる。商品の問い合わせはつたえファクトリーまで
走行距離は8万kmちょっと。年式を考えれば、まだまだこれからが楽しめる時期といえる。定期的にメンテナンスされてきたクルマであり、全体的なコンディションもよい。
取材車は別で発見した88年式の320iで価格は108万円。こちらはアルピンホワイトのATモデル。
 

維持は大変なの?

1990y BMW 325i

クルマによって整備状況は異なるが、やはり30年前のクルマなので、一度きっちりと仕上げてから乗るのが正解。作業はE30に強い工場に任せたい。

早くから電子制御タイプのエンジンに取り組んできたBMW。とはいえ、この時代のBMWはまだまだアナログな部分が多く、シンプルな構造になっている。定期的に消耗品を換えていくことが快調を保つ秘訣。
 

エンジン回りとATは
入念に点検すること

 年式的に見て、どこが弱点かということよりも、クルマ全体のメンテナンスが必要になってくる。当然ながらクルマによって整備状況は異なるので、整備履歴がわかっているクルマであれば、そのサイクルに合わせた消耗品の交換が必要になる。その場合にも、水回り一式、点火系一式といったように、ダメになった部品だけではなく関連パーツもまとめて交換することで信頼性は大幅に向上し、結果的に工賃の節約にも繋がる。このようなセクションごとにメンテナンスする場合は、プロに補修部品のチョイスや交換タイミングを相談しておくと、予算も用意しやすくなる。
 ただ今では手をかけて乗っている人が多いので、動体保存されてきたクルマであればそれほど心配する必要はないだろう。ただし、基本は消耗品の交換であり、これを怠ると突然のトラブルの原因になる。
 E30はタイミングベルト駆動となるエンジンを搭載しており4年、4万㎞を目安に交換。同時にウォーターポンプを換えるのがセオリー。また、このエンジンはタペット調整が必要なので忘れないこと。エンジンからカチカチ……という異音が出始めたら、早急にプロに点検してもらおう。
 ATについてはわりと頑丈で、巷で言われるほどトラブルは起きないが、警告灯が点灯したからといってATの交換やオーバーホールが必要になるわけではない。希にミッションのカプラー部分に水が浸入してしまうことがあり、この場合は水分を拭き取り、再び差し込めば直るし、回転センサーが壊れるケースではセンサーの交換のみでOK。ギアの滑りが起きると重症だが、それを防ぐためにもATFとフィルターの交換が重要になる。
 このように、定期的にメンテナンスされているクルマや購入時にプロによる作業でしっかりと仕上げられたクルマであれば、車検の時にだって大きな費用がかかることはない。消耗品の交換サイクルは現代のクルマよりも短いが、それさえ怠らなければ普段の足としても十分に活躍してくれるクルマ。実際に、通勤に使っているユーザーもたくさんいるのだ。

つたえファクトリーの強みはココ!

元ディーラーメカニックが
在籍する頼れる専門店

つたえファクトリーは元ディーラーメカニックが複数在籍しているのが強み。その経験を生かした仕事ぶりは、多くのユーザーから支持されている。

つたえファクトリーの宍戸支配人は、元ディーラーメカニック。その目利きによる仕入れにより良質なクルマを扱っている。

クオリティの高い整備と
良質な中古車販売

 店名にもあるように、整備に強みを持つBMW専門店であるつたえファクトリー。元ディーラーメカニックが複数在籍しており、整備の現場はもちろん、店を統括している宍戸支配人もディーラーメカニック出身である。中古車を購入する際に気になるのはやはりその後の維持。同店では徹底した点検と納車整備を実施しており、今すぐ交換が必要な部分や予防整備としてやっておきたい部分などをわかりやすく提案してくれる。もちろん予算に合わせたプランも相談できるのが嬉しい。
 在庫している中古車は、ファクトリーの名に恥じないクオリティで、多くのBMWファンがつたえファクトリーに訪れている。購入時だけでなく、その後も長く付き合えるのは、ユーザーにとって心強い存在だ。

 

●つたえファクトリー
●所在地:埼玉県越谷市南荻島640-1 
●TEL:048-961-8591
●URL:http://www.tsutae-f.com/