2006y
Cayenne Turbo カイエンターボ
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このクルマを運転するには
誘惑に負けない自制心が必要
カイエンターボの俊足っぷりといったら、ハッキリ言って尋常じゃない。これがスポーツカーだというのなら、まあ納得できないこともないのだが、そもそもカイエンはスポーツカーでもなければ、スポーツセダンですらないのだ。車重が2.5トン近くあるSUVなのだから恐れ入ってしまうのである。
最高速度は266キロに達し、ゼロ発進で時速100キロに達するまでに要するのはわずか5.6秒。当時の2シータースポーツのボクスターがそれぞれ258キロ、6.1秒だと言えば、このクルマの高性能っぷりが簡単にご理解いただけるだろう。
実際、ちょっと深くアクセルを踏み込むと、まるで後ろから蹴飛ばされたかのように加速を始め、瞬く間に法定外の速度に達してしまう。異次元の加速感に、このクルマを運転する者には、ドライビングスキルよりも何よりも自制心が必要そう、と思わず考えてしまう。ツインターボで武装されたカイエンターボの高揚感は、間違いなく別格だからだ。
カイエンターボが凄いのは、何も最高出力450馬力を誇るV8ツインターボエンジンだけではない。それだけのパワーを受け止めるボディと足回りがまた素晴らしく、決して単なる直線番長になっていないところだ。足回りはエアにより5段階の車高調整ができ、ダンパーはハードからソフトまで硬さを3段階に設定できるもの。このコンビが絶品で、走行状況に応じてそれぞれ自動的に調整され、ちょっと躊躇してしまうような速度でコーナーに突入しても、何事もなかったかのごとくやり過ごしてくれるのだ。
強力無比なブレーキもまた最高で、こちらは6ポットのキャリパーと直径350ミリのローターの組み合わせ。ハイパワー&超重量級のボディをものともしないストッピングパワーを生み、さすがポルシェと唸らされてしまう。
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