ココがPOINT!
ドアミラーの作動不良は高年式モデルでも発生
ドアミラーが畳めなくなったり、角度調整ができないなどの作動不良は、今や現行モデルでも発生するほど年式を問わず多くのドイツ車で頻発しているトラブルだ。ドアミラーを畳まなければいいのかもしれないが、それでも開閉できないと不便に感じる場面はある。
対処方法としては交換と修理があり、ディーラーなどではASSY交換となるケースが多い。しかもその費用は10万円以上と痛い出費になるが、部分修理をすることでリーズナブルに直せるのだ。
多くのドイツ車で発生しているドアミラートラブルの大きな原因になっているのが、コントロールハーネスの劣化によるショート。
ドアミラーのリペアを得意としているショップでは、ミラーを分解して劣化したハーネス部分のみを交換。ここは純正よりも強化されたハーネスを使用することが多く、トラブルが再発しないよう工夫してくれるところもある。
また、スイッチやコントロールユニットの不良もあるが、被膜が剥き出しになったハーネスがショートしてこれらを壊してしまうケースが多いようだ。それだけにドアミラーに異常が発生したまま放置すると費用がかさんでしまうこともあるから、早めに対処するようにしたい。
さらにリンケージ部分が破損している場合はこれを新品交換。その後各部の洗浄やグリースアップ、テストなどを経て完成というわけだ。
高年式モデルでは、リンケージ部分が強化されており破損しにくくなっているものの、ミラー自体に大きな衝撃が加わるとモーターへのダメージが大きくなっているという。このモーターもカシメ式になり以前よりも分解が困難になっているが、メルセデス・ベンツやBMWの高年式モデルの分解修理も可能だ。
以前に比べて高年式モデルのハーネス被膜は丈夫になっているのだが、内部のハーネスは弱くなっているという。また、BMWではミラーが立ち上がるように格納されるクルマがあるが、それもトラブルが多い傾向にある。
ドアミラーのリペアの基本は現品修理となるので、クルマからドアミラーを外して、リペアショップに送付する必要がある。なじみの修理工場を通じて依頼するのがもっとも簡単な方法だ。
また、ショップによってはコントロールハーネス、リンケージ、ゴムパッキン、さらにウロコ腐食したミラーなどを完全再生させたリビルド品もある。コアとの引き換えになるので、装着されているミラーを送付する必要があるが、新品同然の仕上がりだ。
リペア費用は車種やコンディション、ショップによって若干の違いはあるが、約2万円から直すことが可能。ドアミラーを純正品を使ってまるごと交換で10万円の費用を考えれば、リペアを活用することは非常にリーズナブルである。
こうしたリペアショップは、ディーラーや中古車販売店など業者からの依頼も多いことからも、定番のトラブルであるということが分かる。