ココがPOINT!
突然壊れてしまうと走行不能になるケースも
オルタネータはエンジンの回転を電気に替える発電機の役割を持ち、ベルト駆動となっている。オルタネータにトラブルが起きると発電できなくなってしまうため、充電警告灯が点灯することが多い。そのまま走り続けると走行不能になってしまうから決して侮れないのだ。しかも、突然ダメになることもあるから、出先で発生するとやっかいなトラブルの一つでもある。また、ベルト駆動であるためベアリングが劣化して異音を発生させることもある。
トラブルの原因として代表的なのがブラシ。ここは回転する軸の電極に接触している接点部分があり、接触していることで摩耗する。スプリングによって押しつけられる構造になっていて、接点は削れた分だけどんどん押し出されるように長く作られている。エンジンが回っていた時間に比例して必ず摩耗する部品だ。最近のものは10万㎞以内でなくなることはまずないが、走行距離が多いクルマはブラシの交換を含めたオルタネータの点検をしておきたい。
バッテリーの状態も重要であり、オルタネータが正常であっても、バッテリーに不具合があるとオルタネータが壊れてしまうことがある。例えば、オルタネータはバッテリーに100%の充電をするために発電しているが、バッテリーが劣化していて仮に50%しか充電できない状態でも、オルタネータはそれを判断することができない。そうするとオルタネータは100%になるまで発電を続けるので大きな負荷がかかってしまうのだ。それが原因で、ICレギュレータが壊れてしまうことも。バッテリーは定期的に点検して、その状態を把握しておくことが大切だ。
オルタネータが壊れてしまった時の対処方法としては交換するしかないのだが、純正品は約20万円と高価。そこで活用したいのが国産パーツを使ったリビルト品だ。内部の消耗品を新品にして性能回復させたもので、約10万円で入手できる。内部の消耗品は信頼性の高い国産パーツを使って修理するので、リビルトとはいえ安心感が高いのが魅力。また、メルセデス・ベンツでは純正のリビルト品を用意しており、これには保証も付くから選択肢の一つとして検討しておきたい。
オルタネータはクルマによって容量が異なる。電子制御化が進んだ近年のクルマは電装品も増えているため容量も大きくなっている。サブのバッテリーを搭載しているクルマもあるほどだ。逆に旧世代のクルマは基本的な装備品しかないので、オルタネータの容量は小さめ。だが、ナビゲーションやETCなど現代的に乗るために電装品を後付けするケースは多い。そのため、オルタネータへの負荷が大きくなったり、電力が不足してしまうことがあるのだ。
そんな時に使えるのが改良版のオルタネータ。通常よりも容量が高くなっているので電装品が増えても対応できるようになっている。ただし、オルタネータだけを強化してもハーネスなどがノーマルのままだと不具合が発生することも。電気に詳しい修理工場で装着してもらおう。