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ハイラックス

2022.07.01

【テイクオフ】スタイルだけでなく乗りやすさまでも考慮したサスチューンを披露!

 ハイラックスのカスタム傾向を見ると、近年はアウトドアブームの影響もあって、オーバーランドスタイルがまさにその最右翼。それに対しここで紹介する「テイク・オフ」のデモカーは非常にシンプルで、どことなくアメリカンな雰囲気を醸し出す。実はどちらのオーナーもアメリカで仕事をしていた経験があり、現地のスタイルを自分の目と肌で体感した経験の持ち主。それゆえに、手当たり次第にパーツを装着するのではなく、ツボを心得た程よいスタイルだと言える。
 そんな2人の理想を具現化するために、テイク・オフ坂巻社長はフロントのアッパーアームを含めたサスペンションチューニングを実施。スプリングを交換すれば車高が上がるが、アームまで交換する事で、アライメントを最適化。リフトアップしていても、違和感のないハンドリングを実現している。もちろん、ボディマウント部分も一見するとノーマルのように処理されており、この辺りにもテイク・オフのカスタムに対する美学が溢れていると言えるだろう。
 ガンメタのデモカーには、ビルシュタインの5100をチョイス。ジャオスのオーバーフェンダーなどを追加する事で、305/70R17のM/Tタイヤを見事に履きこなしているが、様々なノウハウがその中には盛り込まれている。

ガンメタリックのボディに対し、あえてクロームのMETHOD NV305MC-MBを組み合わせる事で、存在感を強調。徒に35インチをチョイスするのではなく、305/70R17という通好みのジオランダーX-M/Tを組み合わせる。
チューブタイプのスチール製サイドステップを追加。乗降性だけでなく、オフロードでサイドシルがヒットするのを防ぐ効果もある。
リヤのバンパーコーナーやテールゲートのノブを、カーボン調に変更。リヤコンビもスモークタイプに変更する事で、落ち着いた雰囲気を醸し出している。
前後のバンパー下には牽引フックやアンダーガードも追加。敢えてライムグリーンにペイントする事で、差し色的な効果を演出する。
最大のポイントは、やはりサスペンション。前後のショックはビルシュタインに変更。フロントのアッパーアームを交換する事で、アームやボールジョイントへの負担を軽減。アームがスムーズに動く事で、しなやかな乗り味となる。
テールランプの交換や、メッキ部分をカーボン調に変更する事で、落ち着気のあるスタイルを演出。アンダーガードやマフラー、サイドステップなど細部にまで様々なアイテムを追加するが、バランスの良さを感じる。
ホイールはMETHODの701BHB8をセレクト。白いボディにメタリックブルーのディスクの組み合わせが、ハイラックスを艶やかに演出。またKINGショックともマッチしており、全体的な統一感が好印象。タイヤはジオランダーX-A/T(285/70R17)だが、メンバー部分の加工を行う事で、ステアリングをフルに切ってもボディと一切干渉しない。
フロントショックはKINGの2.5インチコイルオーバーを装着。ノーマルよりも太いピストンやリザーバータンクを有する事で、非常にスムーズに衝撃を吸収してくれる。衝撃の吸収性はもとより、車体の安定感などはまさに別格と言えるレベル。だからと言って決してフワフワしているのではなくコシがある印象で、さすがにアメリカの様々なレースシーンで鍛え上げられたショックだと実感する。ガンメタのデモカー同様に、アッパーアームはTOTAL CHAOSに変更している。リヤサスペンションのスプリングはノーマルのままで、1.5インチの樹脂製のスペーサーでリフトアップ。後期型は乗り味が改善されているが、テイク・オフのデモカーは、それを上回る快適性を実現している。
トヨタ自らがカスタムを施したと言えるGR SPORTなので、個性的なエクステリアを活かしたままリフトアップ。車高とタイヤ&ホイールを変更しただけのように見えなくもないが、スタイルよりもハンドリングや乗り味を重視した名より実を取った仕様と言える。

GRの特徴的な部分は残し足回りを重点的にカスタム!

リフトアップはどれも同じと思いがちだが、乗り心地や操縦性まで追求したものは、残念ながら少ない。そんな理想の足回りを追求し続けるのが、テイク・オフだ。

 さて、もう1台の白いハイラックスは、GRがベース。特徴的なオーバーフェンダーを活かすために敢えてフェンダーなどは追加していない。こちらもポイントとなるのはやはり足回りだ。前述したように、フロントサスペンションのアッパーアームはTOTALCHAOSに変更。アーム自体が長くなっているので、ノーマルよりもストローク量がアップしており、しなやかな乗り味が体感できる。ショックはKINGに変更。ピストンの直径が2.5インチあり、リザーバータンクや減衰力の調整機構を備えており、ノーマルとは比較にならないほどグレードアップが図られている。2台ともリヤサスペンションには1.5インチのブロックを装着しているが、一般的な金属製ではなく樹脂製を採用。金属同士が擦れるのを防ぐ事で快適な乗り味も追求。細かな部分にまで、坂巻氏の心遣いを感じることができる。