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ジムニー

2022.04.29

FALKENから届いたハイパフォーマンスなシン・ジムニータイヤ「ワイルドピーク」の実力を改めて検証!

 多数のタイヤブランドを擁する住友ゴム。4WD・SUVオーナーにはDUNLOPの『GRANDTREK(グラントレック)』がお馴染みだろう。中でも新型にスイッチした『グラントレックAT5』には、ジムニーサイズがあり、オンロードの快適さがベースにあるAT(オールテレーン)タイヤとして人気だ。
 さらに要注目なのが、世界中で支持されるFALKENの中でも4WD・SUV用のタイヤブランドに位置付けられる『WILD PEAK(ワイルドピーク)』だ。北米の四駆オーナーからフォローが多いグローバルブランドだが、ここではターゲットを絞って鍛えたジムニー用サイズをチェックしてみたい!
 まずオールテレーンタイヤ「A/T3W」に設定されたのは175/80R16。ジムニー純正同等だが、ポイントは専用に開発された“シリカトレッドコンパウンド”にある。これがライフ性能とウェット性能を両立してくれる。さらにトレッドは荒々しいブロックが並ぶマッドテレーン風で、いわゆるストレートグルーブをメインに構成する一般的なATタイヤよりアグレッシブ。つまり、サイドウォールのデザインと合わせて、ラフロードでのトラクション性能が高い。最近主流になりつつある〝エクストリームなオールテレーン〟という雰囲気だ。
 一方のマッドテレーンタイヤ「M/T 01」に設定されたサイズは185/85R16 LT。ジムニーにとってはお馴染みのカスタマイズサイズで、20㎜以上のリフトアップに対応するもの。このM/T01は北米仕様のJeepラングラールビコンにも純正採用されるほどの実力を持つ本格マッドテレーンタイヤでもある。溝の深い大きなブロックが並ぶ横に並ぶようなトレッドデザイン、ブロック端の階段状の傾斜がパターン剛性を向上させて、マッドやロックといったあらゆるオフロード路面で優れたトラクションを発揮する。
 またマッドでは主溝の排泥性能を補助し、ロック路面ではトレッド溝底への石噛みダメージを緩和する“ディフェンスフューチャー〟、タイヤサイドのブロックが鋭利な石からのカットを防ぐ“アグレッシブアッパーサイドウォール〟など、様々なオフロード走行への配慮がなされている。
 そんなわけでここでは、この2タイプの『WILD PEAK』をジムニーJB64に実装して、フィーリングをチェック。175サイズのA/T 3Wはホイール以外はフルノーマル、一方の185サイズのM/T01の試乗車は40㎜アップのサスペンションカスタムを実施したAPIOジムニーだ。まずお伝えしたいのは、このスペックならそれぞれ無理なく装着することが可能だ。
 オンロードではA/T3Wが、静粛性の高さと滑らかな乗り味を発揮。一方でヒルクライムやダートといったシーンでもATタイヤに期待する以上のグリップ感があった。逆にオフロードでのM/T01のタテにもヨコにも路面を捉える力は高評価。オンロードやダートを走っても剛性感の高い乗り味を披露し、ダイレクトなハンドリングにも繋がっているようだ。
 双方とも見た目は好印象だが、乗ってみるとむしろ最新タイヤの性能がしっかりと感じられる。また、それぞれのタイヤはユーザーの志向・車両の仕様、使用する状況に合う選択をしていただければいいと思う。つまり、どちらを選んでも満足できるはずだ。

■WILD PEAK A/T3W

ワイルドピークA/T3Wが採用するテクノロジー

専用に開発されたシリカコンパウンドがライフ性能とウェット性能を高次元で両立。トレッドブロックにはスタッドレスタイヤにも採用される3Dサイプ技術を応用し、ブロックの倒れ込みを抑え、ドライ路面での軽快なハンドリングとウェット路面での優れたエッジ効果を発揮する。さらにブロック端には階段状の傾斜をつけることでパターン剛性を向上。オフロードでは排石効果を生みながら、安定した走破性に貢献する。

ラギッド&リジッド トレッドブロック

A/Tタイヤとしては大きめなブロックを持つ。その端には階段状の傾斜が施され、パターン剛性を向上。オフロードでは排石性・排土性を高め安定したグリップを生む。

アグレッシブアッパーサイドウォール

タイヤサイドには彫りの深いブロック形状を採用。鋭利な石などによるタイヤカットを防ぎながら、深い泥でのトラクションも生み出す。アグレッシブなルックスも演出。

シリカ トレッドコンパウンド

WILDPEAKタイヤシリーズのために専用開発されたシリカ トレッドコンパウンドを採用。ロングライフ性とウェット性能を高いレベルで両立。※LTサイズを除く。

3Dキャニオンサイプテクノロジー

ブロックには一般的なスタッドレスタイヤにも使われる技術、3Dサイプを応用。ブロックの倒れ込みを抑え、ドライ路面でのハンドリング、ウェットでのエッジ効果を発揮。

■WILD PEAK M/T01

ワイルドピークM/T01が採用するテクノロジー

北米のJeepラングラー・ルビコンの純正タイヤに採用されるリアルパフォーマンス・マッドテレーンタイヤだ「マッド&ロックディフェンス フィーチャー」は排土性を確保し石噛みを防止する。そして、「ラギッド&リジッドトレッドブロック」はブロック端の階段状の傾斜がパターン剛性を向上し、泥や岩などあらゆるオフロード路面で優れたトラクションを発揮。「アグレッシブアッパーサイドウォール」はサイドカットを防止しながら、深いマッドでのトラクションを確保。上のA/T3Wにも同コンセプトの技術はあるが、その形状や強さが異なる。

ラギッド&リジッド トレッドブロック

ブロックエンドの階段状の傾斜によって、パターン剛性を飛躍的に向上。また、マッド・ロックといったあらゆるオフロードでトラクションを発揮(A/T3Wも採用する技術)。

アグレッシブアッパーサイドウォール

鋭利な石などからのカットを防ぐためタイヤサイドにブロック形状を採用(A/T3Wとコンセプトや名称は同じだが形状は異なる)。マッド路面ではトラクション性能を確保。

マッド&ロックディフェンス フィーチャー

マッド路面ではメインの溝の琲泥性能を強くサポートして、トラクション性能を確保する。一方ロック路面においてはトレッド溝底への石噛みダメージを緩和してくれる。

●175/80R16 (A/T3W)

純正同等の「175サイズ」という設定に当初は疑問もあったが、装着後の見た目は◎と評価できる。細身大径で、いい意味でかつての商用車っぽい雰囲気になって可愛いらしく、ジムニーにちょうどいいスタイルだ。その走りはオンロードも含めまさに〝オールラウンド〟。何より静粛性の高さが好印象だが、さらに〝滑らか〟と表現できるソフトな乗り心地が加わってオンロードではすこぶる快適だ。ソフトなだけでなく、サイドの剛性が高く、乗り心地の良さとリニアなハンドリングを両立していた印象があった。

まるでM/Tタイヤのように配置されたトレッドブロックにより、タテ方向・ヨコ方向ともに十分なトラクション性能を確保。ダートやモーグルの走りでは横滑りしにくく、しかも前進・後退方向にグリップを生むため、十二分に“遊べる”実力を持つA/Tタイヤ。ヒルクライムのグリップ感にも言及しておく。途中で一度停車してから発進する時でも、一般的なA/Tタイヤを遥かに超えたレベルで良好なグリップを感じた。

●185/85R16(M/T01)

M/T01の良さを如実に感じさせてくれるのはやはりオフロードシーンだが、オンロードの走りでもタイヤサイドの剛性が高いのでキビキビしたハンドリングを楽しめるのが特長。ドライ/ウェットを問わずグリップが安定している。タイヤノイズはA/T3Wに比べると大きめだが、M/Tタイヤとしてはまずまずといった感じだ。

イルドピークのネーミングにふさわしく、アメリカンM/Tタイヤのテイストが強いM/T01には、A/T3W以上に見た目が強い!
ダートでは縦方向はもちろん、横方向のグリップレベルも高く、挙動がとても安定している。モーグルやヒルクライムでも、ほどんと空転することなく、滑りやすい路面や石をトレッドが包み込むようにグリップしていた。そう、唐突にタイヤが滑り落ちてしまうようなことはない。「最新のMTタイヤらしさがあってグリップレベルの高さは秀逸」だった。

グラントレックAT5にも注目!

ダンロップのグラントレックを代表するオールテレーンタイヤ「AT5」。新しく専用開発されたコンパウンドにより、耐摩耗性能を大幅にアップ。同時に多くの4WD・SUVユーザーが求めるウェット性能も強化。さらにトレッドデザインもオールテレーンらしく強く、よりアグレッシブな印象だ。ショルダーからサイドへのデザインもワイルドさをアピールしながら、耐カット性の向上を実現する。
 従来のAT3は、ルックス的にもっとおとなしいイメージだったが、現行のAT5は遊び心はありながら悪目立ちしないちょうど良いデザイン。ドレスアップにも応えてくれる。
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