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A/TタイヤとM/Tタイヤの長所を融合した「OPEN COUNTRY R/T」の実力は?

ホワイトレターのR/Tはデリカにベストマッチ!

オールテレーン(A/T)タイヤの快適な走りとマッドテレーン(M/T)タイヤのアグレッシブなルックス&パフォーマンスの両者“いいとこ取り”をした「ラギッドテレーン」という、新しいコンセプトでデビューしたトーヨータイヤ「オープンカントリーR/T」。今まさにそのイキオイは強まるばかりだ。
2016年の日本リリース当時、すでに北米市場では一定の評価を得ているタイヤだったが、国内にはあえてジムニー&ハスラーの軽自動車向けのサイズから設定。その後、ミドルサイズSUVをメインにサイズを拡充し、広いユーザーに、ますますその存在感をみせている。
中でもサイズ的にオイシイのは235/70R16。そう、2020年2月に一部サイズに設定されたホワイトレター仕様で、デリカD:5をターゲットにしているのは明らか。“カスタム指向”の強いD:5ユーザーの、新たな選択肢になるホワイトレタータイヤといえよう。

黒に映える白のコントラストによって、特別感のあるホワイトレタータイヤ。ちなみにホワイトレター部分は、生産される時点で白いゴムを埋め込んで成型され、ロゴ面は一般的なタイヤよりせり出してしっかりと主張。なお、タイヤ購入時に施されているブルーのコーティングは、ホワイトレターに傷や汚れがつかない配慮。自然に白くなるが、気になる場合はタワシを使いながら水で洗い落とせば、簡単に白くなるので心配は無用だ。

実際、今回は車高約25㎜アップのJAOS/D:5デモカーにセットアップしてみたが、そのマッチングは絶妙だった!D:5といえば、ノーマルのほとんどのグレードで18インチタイヤを履いているが、16インチを履けることは広く知られているところで、今回の235/70R16サイズのタイヤは、ノーマル車高で装着できる最大サイズとも言われている(サスペンションチューニングをすればよりバランス良し)。さらに16インチならホイールの選択肢も多く、タイヤとホイールのマッチングを考慮し、あえて“インチダウン”するユーザーも多いはず。

さて、オープンカントリーR/Tの性能はいかに?

All-Terrainパフォーマンス

最適化配列されたトレッドパターンとして、ノイズ低減を重視したブロック配列を採用。また、センターの「L型連結ブロック」は、ブロック剛性を高めてドライ路面の操縦安定性に貢献している。

アグレッシブな見た目に反してそのオンロード性能は高い。普段乗りはソフトな乗り心地で、高速クルージングでも快適そのものだ。また走行安定性はもちろん、耐摩耗性能を高次元で両立させている。

トレッドが路面を打つようなパターンノイズはほとんど感じられず、とくに高速道路の巡航は快適そのものだ。ハンドリングレベルもオールテレーン並みの自然な挙動を提供。

Mud-Terrainパフォーマンス

周方向に剛性を高めたブロック形状の「スタッガードショルダー」のほか、排土性を考慮したスリット形状や、耐石噛み性能および排土性を考慮した「ストーンイジェクター」でオフロードに対応。

その見た目からマッドテレーン(M/T)タイヤ並のトラクションを期待してしまうが、泥濘地(マッド)やロックセクションではムリは禁物だ。ただし、一般的なオールテレーン(A/T)タイヤよりはやはり力強い。さらに、林道や川原のダート路面では、かなりのトラクション性能をみせる。特にそうしたシーンでのブレーキの効きの良さはハッキリと感じられるものだ。荒れた路面に安心して踏み込めて、デリカD:5の能力を最大限に活かせる。

オフロードでのトラクション性能はM/Tタイヤ…のレベルまでは届かないが、ダートでの素直なハンドリングや蹴り返しの強さは十分体感できる。泥の中でのグリップ感も、間違いなく一般的なA/Tタイヤより信頼できるものだ。

アグレッシブな足もとを演出するワイルドなトレッド&サイド、ホワイトレター、走りのポテンシャルの高さ、そしてサイズ設定と、まさにD:5の、新定番タイヤといっても間違いない!

●車両協力