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2025.09.26

【SUZUKI】スズキから電気自動車の未来がやってきた!eVITARデビュー

これまでジムニーやエスクードといった傑作4WD・SUVを開発してきたスズキから、同社初のバッテリーEV(BEV)である新型「eビターラ」が発表された!今回はそのプロトタイプの試乗が叶ったので、早速サーキット試乗でレポートをお届けしよう。
2024年にイタリア・ミラノでワールドプレミアされたスズキ初の量産型バッテリーEV(BEV)である新型『eビターラ』がついに日本でもアンベールとなった。
4WD・SUVファンの中にはビターラという車名でピンとくる方もいるだろう。そう、1988年に登場したエスクードの海外での車名である。こちらは都市型SUVとして進化し続けたモデルだが、その基本思想は〝本格オフロードも走れるクロスカントリービークル〟だった。その名を冠したバッテリーEVとくれば、走行性能に関して(しかもオフロードも含め)否が応でも期待が高まる。
まずeビターラのアウトラインを紹介すると、全長4275㎜、全幅1800㎜、全高1640㎜となる。ラインナップはFWD(2WD)と4WDを揃えており、2WDでは106kWと128kWのモーター、4WDではフロント128kWとリア48kWのモーターを組み合わせている。
車両重量はバッテリー容量49kWhのモデルが1700㎏、61kWhのモデルでは2WDが1790㎏、4WDモデルは1890㎏となる。バッテリーEVとすればかなり軽量に抑えられていると言えよう。航続距離は2WD/106kW仕様が400㎞以上、128kW仕様が500㎞以上、そして4WDでは450㎞以上とのこと(WLTC値)。なおこれらの数値はあくまでもプロトタイプの状態であり、市販モデルでは変更となる可能性がある。
またプラットフォームにはスズキがEV専用に新規開発したHEARTETC‐e(ハーテクト・イー)を採用している。
エクステリアでは、3ポイントマトリクスヘッドランプと名付けられたアイコニックなヘッドライトが先進的なイメージを演出。前後バンパーやフェンダーには樹脂パーツがあしらわれSUVらしいスタイリングとなっている。
一方ドアを開けて驚かされるのは欧州車のようなシックな雰囲気のインテリア。ブラックとブラウンの2トーンでまとめられたカラーリングや上下をカットした変形Dシェイプのステアリングホイール。フロントには大型のインテグレーテッドディスプレイが装備されたり、フローティングセンターコンソールなどを採用するなどまるでショーモデルのような先進性とアクティブな雰囲気に満ちている。これなら30代といった年齢層のユーザーでも気兼ねなく乗ることができるだろう。
とはいえバッテリーEVだろうがディーゼルエンジンだろうが、クルマである以上肝心なのは走り。この点においてもeビターラは素晴らしい反応を見せてくれた。個人的に気に入ったのは106kWモーターを搭載した2WDモデル。身のこなしが軽やかでスラロームでも頭がグングン入ってくれる。一方の4WDモデルは重量感がありしっとりとした乗り味となっている。そして加速力に関しては4WDに軍配が上がる。突き抜けるような加速を楽しみたいなら4WDを選ぶべきだろう。またバッテリーEVはその特性上、寒冷時では走行距離が落ちるのだが、eビターラはヒートポンプを採用しており、寒冷時での走行距離の落ち込みも軽減。悪条件での使用も考えた設計を行なっている。
今回はサーキットだったのでオフロード性能を試すことはできなかったが、プロモーションムービーではオフロードの走行シーンも披露されている。コンゴ機会があればeビターラのオフロード性能も紹介してみたいと思う。

新型eビターラは先進的なスタイルを持つSUZUKI初のBEV。スズキがインドで生産して日本に輸入する世界戦略車としての役割も担っているSUVとなる。ボディサイズは全長4275㎜×全幅1800㎜×全高1640㎜とコンパクトで、ホイールベースは2700㎜、最小回転半径も5.2mと小回りが利くが、最低地上高は185㎜を確保している。

駆動方式はFWDと4WDの2段構えで、さらにモーターも2WDには106kWと128kWの2種類、そして4WDのフロントには高出力仕様の128kWモーターとリアに48kWモーターを組み合わせた設定だ。バッテリー容量は2WDモデルが49kWhと61kWh、4WDモデルは61kWh。それぞれはBYD傘下となるフィンドリーム製のリン酸鉄リチウムイオンバッテリ—を採用。航続距離は2WDモデルの106kW仕様が400㎞以上、同128kW仕様が500㎞以上、4WDモデルが450㎞以上(WLTC値)。なお、急速充電は90kWまで対応しており、全モデルが50kWで約55分、90kWだと約45分、SOC10%から80%までの電力をチャージできる。

ALLGRIP-eにも注目!前後駆動力配分を自動で行なうAUTOのほか、空転したタイヤにブレーキをかけ、グリップが高いタイヤに駆動力配分を行うTRAILを搭載。一旦停止して発進できる傾斜は26.8度で、しっかり登坂性能を誇る。

内装はブラックとブラウンの2トーンでまとめられたカラーリングで、欧州車のようなシックかつモダンな雰囲気。ステアリング奥から中央部にかけて2つのディスプレイが配置されるレイアウトを採用。後席にも十分な広さが確保されており、快適性も及第点。