CAN通信とは全く別の配線を構築し、完全アナログセキュリティとなるクリフォード。このインストールを主軸としているのが、パシフィックオートセキュリティの和田代表。セキュリティの本場アメリカで誕生したクリフォードは、「全米で1台も乗り逃げされたことがない」を謳う製品。しかし車種ごとの専用カプラーや装着方法などは存在しないため、インストールには豊富なスキルと技術が必要。さらに、セキュリティ配線をバレにくくするため、純正配線の奥に割り込ませたり、配線を同じ色にしたりと、より破られにくいインストールとしているのがパシフィックオートセキュリティだ。完全アナログなクリフォードを確実かつ高度な技術でインストールすることで、CANインベーダー、キーエミュレーター、リレーアタック、コードグラバーといった、昨今主流の手口も通用しない。また、各センサーが検知すれば、大音量や光を放つため、車上荒しなどへの抑止効果も非常に高い。敢えてデメリットをあげれば、専用のリモコンを持つ必要がある点と価格。リモコンは使いやすくコンパクトなため、これは大した問題ではなく、価格も費用対効果を考慮すれば、決して高額とは言えない。むしろ和田代表の仕事を見れば安いとも思えるほどだ。何より盗まれないを重視するインストールは、ユーザーに大きな安心感を与えることに繋がっている。

セキュリティの本場であるアメリカで誕生したクリフォード。盗難や車上荒らしなどから守るシステムとして、その名は世界的に有名。外国人にも浸透しているため、サインプレートによる抑止効果はかなり高いものとなる。

PACIFIC AUTO SECURITYはクリフォードをメインに扱っている。その理由は、純正とは異なる配線を構築するため、盗まれる確率が絶対的に低いため。IntelliGuard 880J、Concept 480Jをメインに推奨している。

国産車のみならず、輸入車にも対応した自動車診断機スキャンツール完備。配線を繋ぐ作業がメインとなるため、セキュリティインストールには必須のアイテムとなる。

PACIFIC AUTO SECURITY代表 和田 友樹氏
有名セキュリティショップで経験を積み、PACIFIC AUTO SECURITYを設立。クリフォードとバイパーを扱うセキュリティプロショップの中でも、トップクラスの実績を誇る「プレミアムディーラー」として認定されている店舗だ。

その高い技術力から、プロショップからの依頼も多いという和田代表。その場合、既存のセキュリティを外すこともあり、その多くがいい加減なインストール方法で誤作動を起こしているとのこと。防水対策が甘かったり、セキュリティの配線が一目瞭然で、簡単に外せるものも多いそうだ。そういったインストールを数多く見ているからこそ、プロに見られても恥ずかしくないインストールを心掛けている。また、ランクル300、ランクル250で増えているアルミ配線にも対応したインストールも行なっている。このほか、使用するツールやアイテムにもこだわっており、スペースシャトルにも採用された日本アルミット社のハンダを使って、より精度の高い装着を行なっている。
バックアップサイレンとイルミ、デジタルチルトセンサーを追加せよ



PACIFIC AUTO SECURITYの和田代表が勧めるセキュリティメニューは、クリフォードの480Jに、オプションでバックアップサイレン、デジタルチルトセンサー、イルミネーションロゴスキャナーの3つを追加すること。バックアップサイレンは、標準のサイレンにもうひとつプラスすることで、万が一片方の配線が切られても警報が鳴り続けるというもの。そのサイレンをどこに装着するかも、プロインストーラーの腕の見せ所となる。デジタルチルトセンサーは車両の傾きを検知しサイレンを鳴らすセンサー。ジャッキアップによる車両の持ち上げや、積載での盗難、ホイールの盗難にも有効となる。
バレない配線への強いこだわり

この画像は単なるタイラップではない。純正の配線に用いられている専用のタイラップだ。セキュリティインストール時に、これらを切ることも多いため、最終的には新品の純正タイラップを装着する。どこにセキュリティの配線が仕込まれているのかを分からなくするためで、そのために純正のタイラップや純正のクリップなども数多く仕入れている。
全て同じ配線に統一しより破られにくい加工を施す






クリフォードのセキュリティシステムには、簡単に装着できる車種ごとの専用カプラーなど存在しない。それも装着に時間が掛かる理由のひとつだが、和田代表は全ての配線を同じ色に統一し、どこに繋がっているのかを分かりにくくするという手法をとっている。つまり、時間は掛かるがより破られにくい配線としている。また、接触不良を起こしやすいエレクトロリックタップは使用しない。ユーザーから要望があれば、作業の様子を画像に撮っておくことも可能。このように手間暇をかけて行なうクリフォードのインストールの予算は約40万円となっている。
高年式モデル以外も装着数は増えている


ランドクルーザー300、ランドクルーザー250、ランドクルーザー70(GDJ)、ランドクルーザー150プラド。これらのモデル以外のランクルも盗難や車上荒らしに遭っている。折からの旧車ブームもあって、古いランクルもセキュリティを装着した方が安心だ。スマートキーではないランクルは、クリフォードのリモコン携帯のみで済むというメリットもある。ここに登場するGDJ型のランクルは本誌デモカー記事でも紹介しており、和田代表がクリフォードをインストールしたものだ。
PACIFIC AUTO SECURITY

東関東自動車道の千葉北I・Cからクルマで約5分の場所に位置するPACIFIC AUTO SECURITY。電話かメールで問い合わせ後、来店という流れとなっている。
- PACIFIC AUTO SECURITY
- 千葉県四街道市鹿放ヶ丘123-3
- 043-497-5342
- 営業時間 : 10:00〜19:00
- 定休日 : 水曜日
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