テストコースは、かつてドライバーとしてパリダカールラリーで日本人初となる総合優勝2連覇を果たし、最近では、チーム三菱ラリーアート総監督としてアジアクロスカントリーラリーに参戦している増岡 浩氏の設計によるもの。しかしそのコースは、さまざまなコーナーを備え、いろいろなレベルのモーグルを用意し、角度を変えたヒルクライム(路面状況もさまざま)を設定するなど、クルマの性能を確認できる内容となっている。


絶対的なボディサイズやホイールベースはともかくとして、その取り回しに、ピックアップトラック流の大回りを強いられる、リアタイヤの位置が遠くにあるような印象がまったくなかった。それは新たに採用された電動パワーステアリングやクイックなギア比がもたらしたフィーリングというよりは、その骨格であるラダーフレームをしっかりと作り込み、そこに繋がるハードウェアたちのリクエストをできるだけ叶えた、そんなバランスのよさに起因している、と、オフロードコースを走り終えた時に思った。
それは、すべてが無理をしていない、どこかに何かを強いていないというバランスの良さだ。例えば、エンジンは走り出しから加速に至るまでストレスがない。自由に動くことを許されたサスペンションは、もちろん走破性をターゲットにしたものだが、そのゆとりというキャラクターが、オンロードにおいては快適性を導き出していた。そして、唐突な突き上げ感が皆無だった。



