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シン・ナナマル完全攻略vol.1 エクステリア&インテリア編

いよいよ、再再販された新型ランドクルーザー70の中身に迫っていく。もちろん世界市場にはピックアップトラックやショートモデル、通称トゥルーピーと言われるロング仕様もリリースされているGDJ70系だが、今回、日本向けに発売されたのはセミロングボディ。ホイールベースは従来からセミロングの76系に採用される2730㎜、つまり国内仕様は5ドアボディのGDJ70Wのみ。ボディのサイズ自体は、前回の再販モデルのGRJ76Kより数値上ほんの少し大きくなっているが、ほぼ同じと思っていい。

■エクステリア

歴代ランドクルーザーの面影を色濃く残しながら誰が見ても感じられる新時代のランクルらしさを盛り込む

 エクステリアでは、歩行者保護といった安全規制に適合して膨らんだボンネットフード、丸目2灯基調に原点回帰したフロントマスクが印象的だ。しかもその各部には40系や旧70系、さらには60系など、あらゆる世代のランクルがオマージュされたデザインを採用するなど、遊び心さえ感じさせてくれるものだ。

ボディサイズは以前再販されたGRJ76Kとほぼ同等。いわゆるセミロングのホイールベース(=2730㎜)で、5ドアボディ・5人乗りだ。最低地上高は200㎜、対地障害角はアプローチアングル=33度、ディパーチャーアングル=23度、ランプブレークオーバーアングル=26度と本格クロスカントリー車としては控えめな数値だが、オフロード走破性はこの数値だけでは語れないのだ。

再販モデルから変更を受けたフロントマスクの大きな違いは、丸目2灯フェイス。しかもLEDヘッドライトで派手な“イカリング”のようなスタイルを採用。なおフロントグリル上部ダクトは40系、下部は旧70の意匠を再現。この上部ダクトはエンジンのクーリングにも大きく貢献。また60系を連想させるボンネットの意匠も見られるし、サイドポジションランプは旧70へのオマージュと各部に歴代ランドクルーザーの面影を残す。

リヤはランプ部をバンパー面から凹ませた位置に配した新意匠のバンパーを採用。ステップとして使用可能(ちなみにフロントのステップ使用はNG)。テールランプがあったボディ側には40を連想させる意匠のカバーを装着する。リヤバンパーには70系ではお馴染みのフレーム直付けの牽引フックも設定。ピンドルフックに交換しやすいように、バンパー下の出っ張りは抑えている。

尿素SCRシステムなどでNOxを大幅に低減する最先端クリーンディーゼルである1GD-FTV型を搭載するため、尿素(アドブルー)の補給口を左フェンダーに。「LAND CRUISER」エンブレムも、原点回帰要素のひとつといえよう。
ボンネットが大きく膨らんだデザインになったのも、今回のGDJ76Wの特徴。耐衝撃性や歩行者保護といった安全性対策であるのはもちろん、エンジンルーム内の冷却性向上にも貢献。また凹凸を設けてオフロード走行の見切りの良さを考慮した形状となる。車両周辺をカメラでなく、サイドアンダーミラー(通称ガッツミラー)で対応するのも70らしい。

■インテリア

 インテリアも、再販GRJ70系を基本としながらも、3ナンバー車にふさわしいテイストをプラス。メーターには40系のものをオマージュした台形デザインを採用したほか(もちろん現代的なLEDデジタル技術を駆使した仕様で視認性は高い)、初代70系のままのエアコンスイッチ回りや、セルモーターをキーでひねって始動させる方式なども採用。一方で電子制御デバイスや安全装備(トヨタ・セーフティセンス搭載)、USBソケットといった先進機能と装備は充実させながらも、どこかレトロな雰囲気を漂わせているのは、ナナマルの持ち味だろう。

水平基調のインパネはシンプルなデザインだが室内には伝統と革新の機能がハイバランスされる

 インパネ回りのデザイン自体は先代のGRJ70系を踏襲しているが、細かなギミックには現代的な要素も多い。例えばステアリングはウッド&レザーで構成し、各種スイッチ類も装備。なお、安全機能のスイッチ類は右手下の方に、電子デバイス系のスイッチ類はセンターパネルに集約するなど、配置に分かりやすさがある。またATのシフトレバーはマニュアルモード付き、パートタイム4WDの切替はシフトレバー式を採用する。

メーターは現代的なオプティトロン+4.2インチTFTカラーを採用するが、台形デザインや計器をイメージさせる各インフォメーションデザインは、ランクル40系のそれをオマージュしたもの。一方エアコンは逆に新鮮に感じるマニュアル式で、スイッチ系は旧70のもの、そのものだ。

小物収納、ドリンクホルダー、そしてパワーウインドースイッチといった基本的な装備はもちろん、USBソケットの搭載は助かる!また、バックモニターも装備し、その映像をバックミラーに映し出すのも進歩したポイントだろう。

シート回りとラゲッジルームはユーティリティとアレンジ性能を大きく向上

3ナンバー化の影響をもっとも感じさせるのがシートだろう。フロントはサポートのよく効いた合成皮革+ファブリック地。リヤはセンターにも3点式シートベルト&ヘッドレストを備えた3人掛けで、6対4分割可倒式やリクライニング機能などを備えている。さらに寒冷地での使用が見込まれるため、リヤヒーターも標準装備となる。
ランクル70のフロアマットには、GDJ76WのイラストやLAND CRUISERのロゴが入る。オーナーマインドが高まる嬉しい遊び心といえよう。

リヤゲートは70の伝統でもある3対7の観音開き式、ラゲッジルームはGRJ系モデルとスペースは変わらないが、リヤシートは分割可倒式となり、かなりユーティリティアップ。タイダウンフックやラゲッジランプも装備する。

3世代のランドクルーザー70を比較

 3世代のランドクルーザー70を比較してみたが、そのどれもがナナマルらしさがあるのが分かる。とくに今回の新型70(GDJ76W)は、全世代のナナマルらしさを受け継いでいるのだ。
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●ランドクルーザー“70”主要諸元表(AX)/5名
●全長×全幅×全高:4,890㎜×1,870×1,920㎜ ●ホイールベース:2,730㎜
●車両総重量:2,575㎏ ●最小回転半径:6.3m ●トレッド(前・後):1,555/1,460㎜
●最低地上高:200㎜ ●室内長×室内幅×室内高:1,760×1,440×1,240㎜ 
●駆動方式:パートタイム式4WD ●エンジン:1GD-FTV 2.8ℓ直4ディーゼルターボ
●総排気量:2.754㏄ ●最高出力:150kW(204PS)/3,000〜3,400rpm
●最大トルク:500N・m/1,600〜2,800rpm ●トランスミッション:6速AT / 6Super ECT
●燃費(WLTCモード):10.1km/ℓ ●タンク容量:130ℓ 
●サスペンション(前・後):車軸式コイルスプリング/車軸式半楕円リーフスプリング
●ブレーキ(前・後):ベンチレーテッドディスク/ベンチレーテッドディスク
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