SUVのカスタマイズというと、真っ先に思い浮かぶのがサスペンション交換によるリフトアップ。ところがハイラックスの場合は少し事情が異なる。他のSUVと同等以上にサスペンションカスタマイズが人気なのだが、その目的がリフトアップとは一概に言えないという。
SUVである前に“優れたワークホースである”ことがハイラックス最大の特徴。そのヘビーデューティーさは、海外の過酷なラリーレイドに同一車両で複数年参戦してきたTEAM JAOSによっても証明されている。しかし、そのハードなセッティングは自家用車として使用するには少々オーバースペック。そこで、「快適な乗り味」を目的としてサスペンションカスタマイズを行なうユーザーが少なくないのだ。また、ピックアップであるハイラックスは積載を前提として設計されているので、空荷の状態では尻上がりのフォルムがデフォルト。リフトアップではなく、その「尻上がりフォルム」を矯正したいというユーザーからの声も多いとのこと。そんな様々なリクエストに応えるため、JAOSではアジアクロスカントリーラリーで得た知見をベースに開発した「前後スプリング(それぞれ2タイプ)」「2種のダンパー」の組み合わせによって7つのセットを展開。殆どのハイラックスユーザーがベターな選択をできるラインナップを目指した。
ダンパー
ハーモフレック内蔵
肝はハーモフレック。ハイラックス用ダンパーのすべてに備わる減衰力調整ダイヤルで基本減衰力を決定。そのうえで、細かな入力時に減衰力を落とすバイパスバルブ的な構造を持つハーモフレックが、路面のザラつきやオフロードタイヤのゴツゴツ感を低減した質の高い乗り味を実現する。
スプリング
コイルはチタン配合
シルバーに塗られたBATTLEZリフトアップスプリングは、「柔らかいけど腰がある」でおなじみのチタン配合スプリング。長期へたり保証を付帯した自信の逸品。そしてリアのリーフスプリングはヘルパースプリングの「反り」を工夫することでバンプ時の突き上げを低減。海外ラリーでの知見が生かされている。
ブロック
構造物とみなされるリーフスプリングを交換する場合には構造変更が必要。そこで、リーフスプリングは標準のまま、ホーシングとの間にブロックを入れることでリフトアップするのが「ver.B」。ブロックは、プロペラシャフトの角度を適正値に保つ角度をベースに設計されている。
■選べる7タイプのBATTLEZ SUS KIT
純正形状のVFAダンパー、フロントに車高調機能を持つVFCAダンパー、それらを軸に3つのリフトアップスタイルに合わせた6タイプ、さらにコンフォートスプリングを加えた7つの選択肢で様々なユーザーニーズに応える。
コンフォートセット
「乗り味だけ快適に」というユーザーのための“コンフォートセット”。ただし、リーフスプリングのセッティングがソフトになった標準後期モデルに近いので前期用として販売されている。
リフトアップセット ver.A
下の「VFA ver.A」のフロントダンパーを車高調整機能付きVFCAに変更。前後姿勢をより自由に調整できる。ジャオスのデモカーも基本的には「VFCA ver.A」が装着されている。
「リフトアップは必要ないが、尻上がりな姿勢と乗り味を変えたい」というユーザーのための“シンプルセット”。フロントコイルはチタン配合&長期保証のリフトアップスプリングTi-W。
リフトアップセット ver.B
“スマートセット”のフロントに車高調機能を持ったVFCAダンパーをセット。前後姿勢を好みに応じてセットアップできる。もちろん減衰力も調整可能。
リーフスプリングの交換には構造変更が必須。リフトアップはしたいがそこまでの手間・費用はかけられないというユーザーのための“スマートセット”。
リフトアップセット ver.C
VF-Rを除くと「トップオブBATTLEZサスペンション」。7のセットに、フロントの車高調機能を加えることで前後姿勢も好みに合わせてセットアップできる。
前後のスプリングとダンパーの交換によって本来のBATTLEZテイストを味わえる“スタンダードセット”。減衰調整によって乗り味の硬軟も選択可能。
- ジャオス
- ☎0279-20-5511
- https://www.jaos.co.jp