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本格四駆のJB64ジムニーとラングラーJLの人気の秘密に迫る!

日本でも、そして欧米諸国でも、いわゆる“SUV”と呼ばれるクルマたちが空前のヒットを続けている。あの、4WD専門メーカーであるランドローバー社は、全車種“SUV”に移行。国内メーカーはコンパクトカーにさえ“SUV”風のテイストを加え、販売台数を稼ごうとしている。
一方、ボクらが愛してやまない“オフロード4WD”たちはどうだ?すなわちフレーム付きボディ、前後リジッドサスペンション、ローレンジ付きトランスファを備えた車種たち。やはり絶滅危惧種、近い将来、消えてなくなってしまうのだろうか?改めて世界を見渡しても、Jeepラングラー、ランドクルーザー70系、そしてジムニー、今現在、この3車種しか存在していない…。
ところが、まさに生き残りともいえるこの3車種、意外にもまったく人気の衰えを見せていない。ランクル70系は日本での正規販売を終えたが逆輸入も堅調だし、もちろんグローバルな人気はまったく衰えない。そしてラングラーも“日本一売れているアメ車”だし、ジムニー(そしてジムニーシエラも)も相変わらず納車待ちは1年以上と言われている。そう、SUVが人気だという前に、本格オフロード4WDも、実は熱い支持を得ているのだ。
そこで今回は、改めて“本格オフロード4WD”の実力を検証してみたいと思う。SUVたちにはない、本格派の本格派たるゆえんはなにか?そのアドバンテージを、じっくり探っていこう。

Jeep WRANGLER JL UNLIMITED SAHARA

一昨年、実に11年ぶりのフルモデルチェンジを遂げたJeepラングラー。新しい“JL”ラングラーは、4ドアロングの“アンリミテッド”にサハラ、スポーツ、ルビコンの3グレード、2ドアショートにはスポーツ、というグレード構成。エンジンはJKからキャリーオーバーされた3.6ℓV6に加え、2.0ℓターボも設定された。今回の試乗車は、アンリミテッド・サハラ・2.0ℓターボ。本革シートやUconnectオーディオ&ナビシステム、LEDライト類など上級装備が充実。タイヤはHTタイプの18インチが標準採用されるが、ATタイプが装着されていた。
サハラは3.6ℓV6と2.0ℓターボを選択可能で、今回は2.0ℓターボ車。スペックは3.6ℓを上まわる最大トルクが魅力。税金的にも有利だし、レギュラーガソリン仕様というのもうれしい。トランスミッションは8速ATを組み合わせる。
サスペンションは前後とも5リンクのコイル・リジッド。ストローク量は、たとえばジムニーの3リンク式より長く設定でき、しかもひねれた時(アーティキュレーション)も強いトラクションを発揮できる。タイヤは255/70R18のオールシーズンタイプが標準だが、今回はオールテレーンを装着。
レザーアイテムを多用するなど、プレミアム感あふれるインテリア。8.4インチ・モニターのUconnectオーディオ、左右独立調整式オートエアコンなど上級装備も。リヤシートは座面が伸び居住性を向上、分割可倒機能もある。

Jeep WRANGLER JL RUBICON

ラングラーの中でも、特殊なグレードがルビコンだ。その装備内容は、オフロードを走破するためのウェポンが大充実している。ファイナル比は他グレードの3.454に対し4.100、しかもホーシングは前後ともタフなDANA44を採用。トランスファは1:4の大減速、さらにサスペンションストロークをアップするスウェイバー・ディスコネクトや、前後デフロックも。またサスペンション自体も、専用の高圧式シングルチューブタイプを装備。ショートモデルは日本仕様では、時に特別仕様車でリリースされる。
ルビコンに搭載されるのは3.6ℓV6、もちろん自然吸気式だ。最高出力は284ps、最大トルク35.4kg-m。トランスミッションは日本仕様は8速ATとなるが、今回の北米仕様は6速MT。アイドリングストップも付いている!
ルビコンは専用ショックアブソーバーを採用。今回の撮影車は純正カスタムパーツの2インチアップサスペンションを装着、ショックアブソーバーはJeepとFOXが共同開発した高圧ガス・モノチューブ式を採用する。タイヤは35×12.5R17のマッドテレーンに変更。
インストゥルメントにカラードのアルミパネルを採用しているのが最大の特徴。今回の撮影車両は北米仕様だが、8.4インチモニターのUconnectオーディオを採用するのは日本仕様と同様。レザー装備も多いが、シートはファブリック。

Suzuki JIMNY JB64

曲面基調の先代モデルに対し、だいぶスクエアな印象になったJB64のフォルム。エンジンも最新のR06A型に変更され経済性や走りを改善している。さらに進化した点は、フレーム剛性のアップや、デュアルセンサーブレーキサポートなど衝突軽減安全性能の向上、またオフロード性能の強化という点でブレーキLSDトラクションコントロールという電子デバイスも装備された。ユーティリティの面ではラゲッジスペースが大容量化したとともに、後席を倒した時にもフラットなフロアを提供。積載性自体も大きく向上した。今回の仕様は20㎜アップ+14段可変式ショックを装着。タイヤも195R16を装着。
現在のスズキの主力エンジンとなっているR06A型を搭載。ミッドシップマウントでそれが操縦性にも影響を与えている。インタークーラーは前置きに。トランスミッションは5速MTと4速ATを選べ、今回の試乗車はAT仕様。
ほぼ先代のJB23から踏襲された前後3リンクコイルリジッドを採用。そのままではサスストロークに不満はあるが、カスタムサスペンションが多くリリースされている。今回の仕様は20㎜アップ+14段可変式ショックを装着。タイヤも195R16にサイズアップしている。
けっして華美な雰囲気ではないが、実用上、過不足ない。カップホルダーの位置は賛否あるようだが…。ドライビングポジションはアップライトで、オフローダーらしい視界を確保。リヤシートは上級グレードは分割可倒式。