◆ALENZA LX100
アレンザはブリヂストンのSUV用オンロード向けブランド。すでにスポーティなオンロードモデル=アレンザ001が発売されているが、デューラーH/L850がアレンザLX100にモデルチェンジするのを機に、オフロードブランドをデューラー、オンロードブランドをアレンザとして新たにスタートした。LX100は、H/L850のコンフォート性をさらに進化させており、例えるならオンロードSUV用のレグノを目指したキャラクター付けとなっている。
実際、トレッドブロックにダブルブランチ型の消音器機能を持たせた「3Dノイズ抑制グルーブ」や、タイヤショルダー部に振動を抑える凹凸加工=3Dノイズカットデザイン」を採用するなどレグノ張りの静粛性対策を行なっている。トレッドデザインもブロックの打音を嫌ってサイプ(極細溝)によってブロックを切り分けるなど、コンフォート系タイヤの定番ともいえるデザインが採用されている。
さらに、オンロード性能を謳うだけあって、タイヤグレーディングで転がり抵抗A/ウエットグリップCを獲得し、低燃費タイヤとしての性能も満たしている。一方でショルダーブロックを大型にしたり、ケースを2プライにするなど、重いSUVでもブロックやケースが剛性を保つことができるタフネスな設計も取り入れている。
インプレッション
走り出した瞬間の「しん」とした静かさが印象的だ。軽く滑らかに、静かに走り出すその感触が高級感のある乗り味を作り出している。転がり抵抗がA(タイヤラベリング)と小さいこともあって走り出しが軽く、SUVならではの重さ…走り出しの「ヨッコイショ感」がない。トレッドデザインに横溝がなく滑らかに転がっていく感触はプレミアムセダンのような感覚だ。3Dノイズ抑制グルーブや3Dノイズカットデザインなど制振・静音加工を施したトレッドデザインによる消音効果が印象を作り出しているのだろう。
ダンピングをやや落とし気味にしたことで乗り心地もソフトでしんなりしたものとなっている。オンロードをターゲットにしているためか、タイヤの軽さが感じられる。転がり抵抗の少なさと相まって軽々と、そしてスルスルと走り出す感覚も心地いい。
試乗車のハリアーでの印象でいうと、ちょっとノイジーでザラついた乗り味の感じられる現行型ハリアーが、初代ハリアーの高級な乗り味になったかのように感じられる。路面のザラつきや、ジョイントからのショックがマイルドに丸められていて、クルマの格をアップグレードしたようなものになる。
その一方で、ダンピングを低めに設計しているため足回りが固めの例えば輸入SUVだとむしろアレンザ001のほうがマッチングが良く表れるケースもある。それだけ攻めたキャラクターとしているのだろう。
高い静粛性を備えた技術に注目
ショルダー部にクッション効果を持たせ、振動をやわらげ、ロードノイズを低減。
摩耗後も高周波ノイズの抑制を持続する溝構造を持つのが特徴。静粛性アップのポイントのひとつだ。
ダブルブランチ型消音器と呼ばれる構造を配置することでパターンノイズを低減させる。
◆ALENZA001
SUV向けのハイパフォーマンスタイヤ
- ブリヂストン
- 0120-392936
- https://www.bridgestone.co.jp/