リプレイスタイヤとしてはもちろん、メーカー純正タイヤとしても幅広く採用されているダンロップの4WD・SUV専用タイヤ『GRANDTREK(グラント
レック)』シリーズ。グラントレックには走行シーンに応じた3タイプ(PT3/MT2/AT5)のタイヤがあるが、中でもGRANDTREK MT2は、特にナロータイプといったサイズの展開もあって、長らく多くのジムニー・オフローダーを魅了してきた。
そこで改めて現行型ジムニーJB64にMT2を合わせてテスト走行に持ち出した。MT2のオフロード性能の高さを試すにはノーマル車高では役不足と判断し、約40㎜アップし、フロントバンパーをショートタイプに交換、できる限りタイヤの動きを規制しないよう配慮したアピオデモカーがテスト車両。確認内容は、オンロードの乗り心地・ハンドリング・静粛性、オフロードの走破性などで、今回の走行条件は一般的な使用範囲を超える状況(クルマを傷付ける恐れのある激しい走りなど)は想定していない。
オフロードの走破性については期待通り…いやむしろそれ以上。岩場ではしっかりとサイドウォールをたわませてロックを包み込み、ダートでは路面を掴んで後方へと蹴飛ばすかのようにトラクションを確保する。そして、コントロール性も高い。オフロード競技で愛されている理由が十分に分かる。
また今回はテストできなかったが、タイヤの溝に泥が詰まるようなシーンでは、このシンプルなトレッドデザインによって排泥性が高いことも容易に想像できる。
一方のオンロード性能は、オフロード性能とトレードオフになっている部分はあれど、ハンドリングのオンセンターが曖昧になるとか、乗り心地における不快感がハッキリと出ることはなかった。
テスト車両
ハイレベルなオフロード走破性を持ちながら、不満を抱かせないオンロード性能をバランスさせた最新型ジムニー。今回は40㎜リフトアップの仕様でオフローディングに挑む。
装着タイヤ:DUNLOP GRANDTREK MT2(195R16C)
装着ホイール:APIO WILDBOAR Z(16×5.5J(20))
◆GRANDTREK MT2
最も得意な走行シーンは?
オフロード走破性の高さにおいては〝最強〟を謳われるほど人気があり、オフロード競技参加車への装着率も高い。その印象通り、オフロードにおけるパフォーマンスはハイレベルでロックからマッドまで頼れる相棒だ。また、ランドシー比を高めたナローと、オンロード走行も考慮したワイドと呼ばれる2タイプを設定。
路面との接地具合を確認する
ロックセクションで求められる 「しやなかさ」を実現しており、サイドウォールをたわませて、それこそトレッド面から一体となって岩を掴む。ダートではしっかりと路面を捉えてトラクションを確保。オンロードでは、ブロックデザインながらも接地感が確保されるので、乗り心地における不快感が出ることは少ない。
●ON ROAD
オンロードでの乗り心地は、荒々しいブロックパターンからゴツンゴツンをイメージしたが、そこまでの不快感は見当たらず、むしろブロックデザインながら接地感がしっかりと確保されていたことに驚いた。速度域を上げると、コーというライトな音質のロードノイズは、やがてゴーと大きくなり、さらにパターンノイズも発するようになるが唐突さはなく、むしろ、先に感じた接地感や不快ではない乗り心地も手伝って、日常でも不満はないな、と感心した。
●OFF ROAD
ダートランでの走りの良さは言うまでもなく、高いグリップ力と安心感が愉しさを導き出してくれていた。特に横方向へのグリップ力は高く、センターブロック剛性の高さも相まって、アクセルコントロールだけでのドリフトを自由自在に行なえる。対しておうとつのあるモーグル路面では、トラクションコントロールの介入を必要とするラインをあえて選んでみたが、接地輪へと配分されたトルクを余すことなく路面に伝えてくれるため、それこそ難なくクリアしてしまった。ヒルクライムでも確かなトラクションがあり、低速で登り切ってしまうことができる。
- GRANDTREK by ダンロップタイヤ(住友ゴム工業株式会社)
- https://tyre.dunlop.co.jp
- ダンロップタイヤお客様相談室(平日、祝日を除く)0120- 39- 2788(フリーダイヤル)