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「ブレインストーム」超大口径を受け止める徹底的な漆黒プラド!

ひと昔前までのリフトアップカスタムと言えば、3インチよりも4インチ、5インチと上げ幅を競うのがセオリーだった。しかし、ここ数年は2インチ、3インチまでのマイルドなリフトアップスタイルが主流。リフトアップキットを販売するメーカーの製品をそのままインストールしてそれに見合うタイヤ&ホイールをセット。ボトムスのボリューム感に対して相応しいワイドフェンダーやグリルガード、バンパーなどでコーディネイトするといった傾向である。もちろんノーマルと比較すれば格段にカッコ良くはなっているのだが、四駆の黄金時代を知る者からすると、少々物足りない印象は否めない。そんな昨今のオフロードシーンで、再び過去のあの感動を呼び覚ますが如くワイルドリフトを敢行したのが奈良県の老舗プロショップ「ブレインストーム」だ。
その上げ幅は足回りのリフトアップキットで2インチ、ワンオフのボディリフトブロックで4インチの計6インチの上げ幅を誇り、全高は2.3m規制の立体駐車場をクリアできるレベル。フルサイズのアメリカンSUVが横に並んでも見劣りするどころか、余裕で見下ろせる圧巻のワイルドリフトとして仕立て上げた。
 そして今回特筆すべきはそのメタルワーク。様々な位置関係を考慮して制作したボディリフトによって重量級のボディを頑丈に支える事はもちろん、フレームとボディの位置関係が変わったことで生じる隙間をワンオフのプレートでただ隠すのではなくスタイリングの向上へとアプローチするあたりが粋。これは前後バンパーアンダーのみならず、インナーフェンダーにも採用されており、この視覚効果も手伝ってボディリフトの欠点を見事に克服する。また、同社オリジナルのマッドジガーで漆黒の中に肌感をアレンジして存在感を高める漆黒コントラストや、オーバーフェンダーの形状をフロントバンパーに合わせて特注するなど、一手間も二手間もかけて既製品パーツでは成し遂げられないスタイリングを実現させるところからも老舗のプライドなるものを感じさせる。トレンド志向ではない、本気のリフトアップを追求するならブレインストームに相談してみるといいだろう。

フロント

リヤ

ボディリフトで生じる隙間を、ただの目隠しではなく造形美の一部としてリメイク。

3Dデザインの立体感を際立たせるマッドジガーがワイルドな表情を醸し出す。

足回りの強化で乗り味が劇的に変化

2インチや3インチ程度のリフトアップが多いのには理由がある。足回りだけでリフトアップするとなると、それ相応のロングショックアブソーバーや車軸のズレを補正するためのロングアーム、ラテラルロッドなどリフト量に応じて変更しなければならない箇所も多くなる。また、地面からフレームまでの実質的な高さが大きくなればなるほどに、足回りへの負担を加味した処置が必要となる。ブレインストームが今回制作したボディブロックは、2インチ、3インチアップを足回りリフトアップのみで可能にする既製品の乗り味をそのままに+4インチの上げ幅を可能にしている。つまりは既にリフトアップ済の車輛の足回りはそのままに、ステップアップも可能。さらにコストパフォーマンスに優れていることも見逃せない。

リザーバタンクをレイアウトする部分のインナーフェンダーまで、ワンオフプレートでスタイリッシュに。
強度やスタイリングを考慮して工場長が自ら制作したワンオフボディブロックキット。セカンドボディマウントの剛性を高めつつ可能な限り純正フレームの形状に合わせた逸品。
ボディリフトの影響で隙間の際立つ部分の処理は前後のみならず、インナーフェンダー部分までワンオフプレートを製作する徹底ぶり。
KMCロックスター20インチにマキシスタイヤ(35×12.5R20)をセットするボトムス。もうワンサイズ大きくても余裕で履きこなせるフェンダークリアランスは、ボディリフトの賜物。

官能的な低音とW出しの魅力

リアフォルムのスタイリングを左右するマフラーエンドは、カスタムする上で重要なポイント。ボディリフトによってフレームとボディの位置関係が変われば、スペースが広がり、パイプの取り回しの自由度も増す。この利点を最大限生かしつつ左右W出しマフラーの設置を試みた結果、視覚効果もさることながら、トータルフォルムを惹きたてる絶妙なアクセントとして存在感を高めている。