F3（FUKUSHIMA FOUR WHEELERS FESTIVAL）は東日本大震災をはじめ新型コロナウイルスなどの障壁を乗り越えながら長きにわたって開催されているクラブイベント。今年も自然の息吹を感じる檜山高原で24回目のF3が開催された。
F3は4WDクラブが主催する生粋のクラブイベントで、福島県をホームグランドとするクラブ「パイナップルレンジャー」が長きにわたって紡いできた息の長いイベントだ。会場に集まったのは、北は秋田県から南は兵庫県までの約500人で、F3を一年間待ち望んだリピーターが大半を占めるほど熱いファンを持つイベントでもある。会場内を埋め尽くす4WDは、現行モデルはもちろん、Nox規制を生き延びた三菱ジープや日産サファリ、ランクルなどが溢れ、昔を知る来場者たちは懐かしさに、そして若者達は初めてみる骨っぽい4WDに目を奪われていた。
イベントの催し物は、ライトなトライアル競技として開催されたパイナップルレンジャーカップや高原のプレゼント交換など、クラブイベントらしく参加者全員が楽しめる催しが核となっている。そしてメイン通路に並ぶメーカーやショップの出店ブースも、イベントセールや埋もれた掘り出し物探し、カスタマイズ情報を得るなど楽しみ方は様々。夜はテントサイトで光り輝く星空を眺めながら各々が素敵な時間を過ごすというチルイベントであることも見逃せない魅力。
またF3として来場者に訴求しているのが4WDオーナーとしてのマナーアップで、場内はおろか会場までの道中に立つ案内看板にもスローガンが書かれている。ひとりの4WD乗りが起こした心ない行動が、全ての愛好家も同列に見られてしまう息苦しい時代。F3が26年も続いてきたのは、何よりもこの地域を巻き込んだマナーアップ作戦の徹底によるものが大きいのだろう。
ゲートオープン前の早朝から行列を作って開場を待つ車列の姿も、このイベントの風物詩。開会式ではパイナップルレンジャーの菅野代表から、安全にモラルを守ってイベントを楽しむよう来場者に伝えられた。会場内を見渡せば、4WDブームを牽引してきた旧車をはじめ、他では見ることができないようなレア車が佇んでいて、会場内を散歩しているだけでも飽きることはない。
13台で競われたパイナップレンジャーカップは、ライトなトライアル競技として毎年開催されている。セクションの通過タイムとコース内に置かれたマーカーを踏んで得たポイントによって順位が決まる分かりやすい競技とあって、ギャラリーも一緒に盛り上がることができる楽しいレースだ。ロング車にはタイムボーナス20秒とロングポイントが与えられ、女性にはレディースポイントまで付与されるという優しさも魅力の競技となっている。
パイナップルレンジャーカップを制したのは、JA11で気合いの走りを魅せた加藤壱城さん、2位はランクル80でアタックした細田翼さん、唯一女性で表彰台立つ佐藤晴香さんはFJクルーザーで3位入賞だ。
F3恒例のアワード表彰では、埼玉県から三菱ジープJ58に乗って来場した野嶋一路さんが初参加ながらベストオブジャパンを受賞。その他にもハイリフトやRAT LOOKなどのアワードが用意されていた。
旧車のお助けプロショップとして高い知名度を持つリブロックガレーヂ。F3の常連組でもあり、旧車ユーザーの相談に対応していた。
福島県郡山市のストリートファクトリーは、自社で施したラプターライナー仕様のパジェロミニを展示。ボックス類の特価販売も人気だった。
埼玉県秩父から出店したオフロードコース「アウトドアパークブロンコ」は、ステッカーやTシャツなどのオリジナルグッズを販売。
ミリタリーサープラス用品を並べるF･M･V･Cのブースには、掘り出し物を探そうと多くのユーザーが商品をチェックしていた。
「日本一車を売らない車屋」がキャッチフレーズのアウトワークスは、好評を得ている同社オリジナルのボディーコーティング剤を販売。
トライトンやランクル76など話題のカスタムデモカーを展示していたKSファクトリー。ブース内で販売された旧車部品に人気が集中。
アメリカンな雰囲気が目を引くスクールバスでは、タコバーガーやローテッドフライなどが販売され、来場者のお腹を満たしていた。
イタリアンホットサンドのパニーニを販売していたキッチンアニモのケータリングカー。カリッと焼き上がったパン生地が癖になるおいしさ。
陽が沈んだメイン広場では、持ち寄ったプレゼントを交換するアトラクション「高原のプレゼント交換」が行なわれた。
イベントスケジュールに組み込まれていない一大アトラクションが、豪華景品がずらりと並ぶ大じゃんけん大会だ。
- 開催日：2025年6月7日（土）〜8日（日）
- 開催場所：福島県田村市檜山高原特設会場
- 主催：パイナップルレンジャー
