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【YOKOHAMA】4WD・SUV専用ブランドが放つオールテレーンタイヤにPC規格サイズ登場!見た目と性能をUPして全地形を制する ジオランダーの最旬A/Tタイヤの実力

■GEOLANDER A/T4

2024年、シリーズの中核となるオールテレーンタイヤ(以下A/Tタイヤ)が8年ぶりにフルモデルチェンジして『ジオランダーA/T4』が登場!そんなNEWモデルに、今回PC(パッセンジャーカー)規格サイズが追加された。これまではLT(ライトトラック)規格のみが発売されていたのだが、PC規格とLT規格は、何がどう違うのだろう?

 そもそもタイヤ構造がしっかりしていて耐久性が高く、また負荷能力が大きく設計されているLT規格タイヤが、A/Tタイヤで先行発売されるというのは、とても珍しい。他メーカーのA/TタイヤでもLT規格はオマケのように設定されているだけで、メインはPC規格サイズになっている。そう、A/Tタイヤは純正タイヤのリプレイスとして選ばれることが多いから、必然的に純正サイズ(もちろんPC規格が多い)に準じたラインナップとなっているのだ。一方でLT規格サイズは扁平率の大きなものも多いため、足回りをカスタムしたクルマに履かせることが多くなる。つまりジオランダーA/T4は、当初からカスタム車両をターゲットにしている、ということだ。
 そのデビューから半年を経て、ジオランダーA/T4にもPCサイズが追加された。興味深いのは、これまであったLT規格サイズと、同じサイズをPC規格サイズにも設定していること。例えば今回、テスト車両に選んだランドクルーザー250だが、そのファーストエディションが純正で装着したサイズが「265/70R18」。もともとA/T4には「LT265/70R18 124/121S」というサイズが存在したが、PC仕様にも「265/70R18 118H」という、外径・タイヤ幅がほぼ同じサイズが追加された。ではこの両者、いったい何が違うのか?
 まずはその重量。LTサイズが約23.4kg、PCサイズが約18.4kgと、約5kgも違う!また溝の深さはLTが13.9㎜、PCが11㎜である。負荷能力はLTの方が大きく(124/121や118という数値がそれを表す)、走行可能速度はPCの方が高め(HとかSという表記)であった。

GEOLANDER A/T4の特長

1996年に誕生したGEOLANDER A/Tタイヤの第四世代モデルとなるのがこの 『ジオランダーA/T4』。ひと目見ただけでオフロード走破性の高さがうかがえるオフローダーらしいルックスと、オールテレーンタイヤに必要な性能の強化を追求していることが特長。それを叶えるのが、ジグザグ基調のアグレッシブなトレッドパターンや2イン1で配置された大型サイドブロックによるもの。もちろん見た目に違わぬ高次元なオフロード性能が発揮される。またコンパウンドには新世代トリプルポリマーを採用することで、長寿命性 ・ 耐チッピング性 ・ 耐カット性を向上。さらに接地形状も先代(G015)よりスクエアになって、トラクション性能と耐偏摩耗性を向上させている。また冬用タイヤとして認められた証である『 スノーフレークマーク』を全サイズで獲得していることもトピックだ。

アグレッシブトレッドパターンでよりオフロードらしいルックスと性能を追求

2イン1センターブロック

先代ジオランダーA/T G015がセンターグルーブ基調のトレッドデザインだったのに対し、A/T4はジグザググルーブ基調に。トレッドのセンターには2イン1でブロックが配置され、良好なトラクションを得られる。

シングルピッチショルダーブロック

規則正しいピッチで配列されたショルダー部のブロックは、パターンノイズを抑制する効果を発揮。また快適な乗り心地や高い操縦性の確保にもひと役買っている。さらに主溝にストーンイジェクターも配置。

ジグザググループ

ジオランダーA/T4のルックスを印象づけるメイングルーブは、ストレート基調からジグザグ基調へ。オフロードでの泥はけのよさや、ウェットコンディションでの水はけのよさは、このグルーブによるもの。

ウェーブ3Dサイプ

センターブロックやショルダーブロックにはスタッドレスタイヤのようなウェーブ状のサイプを刻むが、3D形状であることがポイント。オフロードやウェット時のトラクション、浅雪でのトラクションを稼いでいる。

ホワイトレターや両面で異なるデザインを採用!2イン1デュアルサイドウォールで耐サイドカット性アップ

セリアル側

セリアル側

反セリアル側

2イン1で配置された大型のサイドブロックは、アグレッシブな外観はもちろん、耐カット性の確保にも貢献。サイドのデザインはセリアル側と反セリアル側で異なるデザインが採用されていて、ユーザーの好みでどちらを表にするか選択できる。しかもLT265/65R18など一部のサイズではアウトラインホワイトレターや、ベタ/ホワイトレターが設定される。ただしホワイトレターになるのは片側(セリアル側)のみ。

ジオランダーA/T4に先代同様、M+Sやノーフレークマークが受け継がれている。冬用タイヤ規制にも適合するのはありがたい。が、凍結路など本格的な氷雪路走行にはスタッドレスタイヤの必要があることは覚えておきたい。

キャラクターの違いで得意な走りの状況がある

実際に走らせてみるとどうか?今回はガソリン仕様のランクル250に「LT265/65R18」を、ディーゼル仕様の250に「265/70R18」を装着して、走りを比べてみた(どちらのサイズでもPCとLTが選べる)。ちなみにディーゼル装着のPC規格の方が偏平率は5%高いが、重量はガソリンに装着したLT規格の方が1本あたり約4㎏重いといった感じ。なおフィッティングについては、両サイズともノーマルサスペンションのままで、問題なく装着できていた。
 まずオンロードでは、PC規格の方がハンドリングがだいぶ軽い感じがある。250のガソリン車はフロントが軽く、それでステアリングの反応が良いのだが、ディーゼル250でもタイヤが軽いと、これだけ軽快感を楽しめるのか、と驚いた。発進時もPC規格はひと転がりめがスムーズだし、スピードの乗りがいい。また、もともとLTでもしなやかな乗り心地を提供してくれるA/T4なのだが、PCでは一層路面への当たりが柔らかく、上質なイメージで。普段乗りや長距離移動を、より快適にこなしてくれそうだ。
 一方、オフロードでは“どちらかと言えば”だが、LT規格に分がある。LT規格のオンロードでの静粛性の高さや、路面からの突き上げをしっかり受け止めてくれる懐の深い乗り味は、気持ちの良いもの。オフロードではタイヤ構造のしっかり感がそのまま信頼性に変わる。泥、水・砂・ダート・ガレ場と、どこを走っても感じられる接地感の高さがあり、砂利の浮いたようなダートでもタイヤが路面を強く噛んでくれて、容易にグリップを失わない安心感がある。
 コーナーでもリヤはなかなか流れない。このシーンで比べると、PC規格はあえてグリップを抑えめにして、少しスリップを伴いながらクルマを前へ進めるイメージがある。やはり13.9㎜(LT)と11㎜(PC)の、溝の深さが関係しているのだろう。
 そんなわけでPC規格とLT規格は、キャラクターの異なるタイヤだと確認できた。PC規格なら普段乗りや高速道路の長距離移動に有利、LT規格ならハードなオフロードを走る機会の多いユーザーにオススメという感じだろう。
 ジオランダーは装着する愛車や使い方などを熟考して 、「選ぶ」楽しさを合わせ持つタイヤであり、そこに本質を見極める醍醐味がある。

LT265/65R18

265/70R18

サイズバリエーションは15~20インチ、ジムニーやミドルサイズのSUVから、今回装着したランドクルーザー250のような大型本格4WDやアメリカンSUVまで網羅するラインナップ。LT規格サイズが先行発売されており、比較的偏平率の高いカスタムサイズも充実している一方、今回PC規格サイズが追加されたことで、純正リプレイスとしても選びやすくなっている。

LANDCRUISER×LT265/65R18

ランクル250のガソリン車にはLT規格のジオランダーA/T4を装着。ガソリン車ならではのフロントの軽さも手伝ってハンドリングは軽快だ。静粛性の高さや懐の深いしなやかな乗り心地を披露してくれるが、それはLTでもPCでも関係なく、そもそもA/T4がオールテレーンタイヤとして優秀なのだ。
高速走行においてまったくストレスを感じることはない。
ランクル250 ZXファーストエディションの純正タイヤは265/70R18サイズ。一方で今回装着したのはLT265/65R18と、外径が少しだけ小さくなったジオランダーA/T4。LT規格である分を考えるとそれでもタイヤの重量は増しているはずだが、ワインディングキビキビ気持ち良くこなしてくれる。250の足回りやエンジンと連携がとられている印象だ。
オフロードに踏み込むと、LT規格は俄然たくましく思えてくる走りを披露する。ガレ場やダート走行では路面からの突き上げが大きいはずなのだが、剛性の高いサイド部分がそれを上手に吸収している印象だ。さらにトラクションも強く感じられる。
コンパウンドが強化され各種グルーブが進化しているA/T4のトレッドパターンは、モーグルやロックといったクロカン走行を含むどんな路面でも容易にグリップを失わない。溝が深い分、少しLTの方に優位性はあるがトラクション性能はPCでも同等だ。

LANDCRUISER×265/70R18

LT規格であっても特にオンロード性能に不満はない。むしろハンドリングのしっかり感や乗り心地のしなやかさが感じられる。一方のPC規格ではそれ以上の“上質感”がもたらされていた。今回は250ディーゼル車に装着して走っているが、フットワークの良さがノーマルのもっさり感をしっかりと払拭していた。
LTとPCの差はダート走行時に若干感じる。例えばコーナーリング時などでLTは前後ともしっかり踏ん張ってくれる印象だが、PCは少しリヤを流してくれるような挙動だ。グリップの仕方が異なるだけで、基本的にはどちらも扱いやすい。悪路に対する高い安心感は同じだ。