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【MOTORAGE】適度なリフトアップ量と細身大径のタイヤが良い理由

ノーマルよりも大きなタイヤを装着する理由は何か?それは見た目だけでなく、オフロードの走破性をアップするためだ。タイヤを大きくすると最低地上高が拡大し、路面と接触しにくくなる。だが、ノーマル車高では大きくしたくても限界がある。そのためにリフトアップや、フェンダーの高さを変更するのだ。
また4WDでオフロードを走るとタイヤが上下に激しく動き、フェンダーとの隙間は刻一刻と変化する。隙間がみっともないと、目一杯大きなタイヤを装着する人もたまにいるが、絶対にオフロードに踏み込まないこと。自分のタイヤでフェンダーなどを破壊することになる。
つまりタイヤサイズと車高は密接な関係性があり、モトレージは長年それを探究し続ける真のプロショップと言える。今回のデモカーはビルシュタインのキットで2インチのリフトアップを実施。車体側は無加工で、285/75R17のジオランダーX‐A/Tを装着する。実はこのタイヤ、高さは34サイズと同等だがやや細いので、轍にとられにくい。また35サイズよりも軽く、走り出しや燃費などの悪化も抑えられる。
カスタムで一番大切なこと、それはトータルバランスだ。自分がジープをどう使うか考えれば、カスタムの手法は見えてくる。もし迷っても、モトレージならそんなユーザーをしっかり導いてくれるに違いない。

ON ROAD

ノーマルよりも2インチリフトアップすれば、自ずとロール感は強まるもの。スプリング自体は柔らかめで乗り心地に配慮するが、ビルシュタインのガスショックがしっかり車体を支えてくれる。コーナーのきついワインディングでも、ノーマルよりもむしろ安定しており、高速道路を150kmほど走行したが極めて快適な乗り味にむしろ驚かされたほどだ。

OFF ROAD

「ビルシュタイン=スポーツカー」という先入観を多くの人が持っているが、モトレージでは様々なオリジナルサスペンションにスペシャルモデルのビルシュタインを組み合わせるくらい4WD車向けでもある。オンロードでは高い安定性を誇り、オフではしなやかな動きを実現。今回の撮影では、デフロックもスタビライザーリリースも行なわず、スイスイ走破していた。

フロントショックが大きく縮み、リアショックが大きく伸びる。この足回りの動きに対してタイヤが上下する距離をホイールトラベルと呼ぶ。オフロードではこれが連続的に起こるので、フェンダーとタイヤの隙間は非常に重要。USモデルのルビコンがハイラインフェンダーを装着する理由がここにある。モトレージの岡本社長も「見た目だけでなく実用性も考えてカスタムして欲しいな」と語る。

 

ビルシュタインキットには前後のラテラルロッドは含まれていない。そのため国産ブランドのジャオス製品を使用。リフトアップするとサスペンションと車体の位置が横方向にズレるので、これで補正を行なう。

USビルシュタインの2インチリフトアップキット。ソフトなスプリングが乗り心地とオフのしなやかさを実現。それを高圧ガスショックがしっかり支えるので、安心感は抜群。

モトレージではビルシュタインだけでなく、オーリンズのショックも取り扱い中。こちらはノーマルスプリングには使用不可で、2〜3インチ程度のリフトアップに適合。

ホイールはMKWのM204。これにジオランダーX-A/T(285/75R17)をセット。2インチリフトアップすれば37サイズが装着できると思うだろうが、その場合フェンダーの変更が必要。バネ下重量が増加するので駆動系への負担も増え、燃費も悪化。そのためトータルで考えると、取材車のセッティングはベストバランスと言える。

車高、タイヤ&ホイール以外、見た目は完全にノーマル。だがルビコンの名前に相応しい、高いオフロードパフォーマンスを発揮する。まさに能ある鷹は爪を隠すとか、名より実を取ったカスタムと形容するのが最適なシンプルなカスタムだ。

  • モトレージ 
  • 兵庫県神戸市東灘区住吉宮町6-12-11
  • https://www.moto-rage.co.jp/
  • 078-811-2884 
  • 定休日:水曜日、第1日曜日、第3日曜日と前日の土曜日(イベント等で変更あり)