令和5年11月29日、とうとうランドクルーザー70の再再販、GDJ76が正式に発売開始となった。待ち望んでいたファンにはたまらない1日となったが、問題は日本でのその割り当ての少なさだ。全国47都道府県の各トヨタディーラーによって、その販売割り当て方法は幾通りかあったようだが、多く聞かれているのは、抽選による購入権利の割り当て。かなりの高倍率だったところもあるようで、この日、全国で悲喜こもごも、見事当選で喝采をあげた人もいれば、その一方で、待ち望んでいたのに、全く購入できずに臍を噛む思いに至ったランクルファンも少なくないことだろう。
噂では、2026年3月生産分までが一気に完売となってしまったようで、割り当ての少ない県では、今後1ヶ月にほんの数台しか入って来ないようなところもあるらしい。トヨタの工場もコロナ禍が明け、フル稼働に近い活況を呈しているはずだが、それだけ生産されている我らのランクル70は、一体どこに行ってしまっているのか?もう、ランクル70再再販を買うのは夢になってしまうのか?そんな悲嘆に暮れる状況と一線を画すのが、いわゆる中東の湾岸諸国地域(GCC)エリアだ。
輸出用のランクルというと真っ先に、まずオーストラリアを思い浮かべがちだが、彼の地でも状況は日本とさほど変わらない。日本のように抽選こそないものの、需要に対して供給が全く追いつかず、早々に何年分ものバックオーダーを抱えてしまっているようだ。そこでこの中東湾岸地域だが、ひょっとして輸出向けの生産の大多数がここに集積されているのでは?と思うほど、ディーラー街には70の新車の在庫で溢れていたのだ。もちろんここから他地域へ再輸出されることも多いので、一概に全てがこのGCCの国内向けの車両ばかりではないが、それでも日本では想像が付かないくらい、多種多様なランクル70の在庫で賑わっている。
ここでは、そんな湾岸諸国の中でも最もホットはUAE(アラブ首長国)に焦点をあて、その仕様を探ってみたい。もしかすると、ここなら再再販のシン・ナナマルと同じモデルが、まだ手に入れることが出来るかもしれない!
■GDJ71L[AT]
今の日本では、どのような車種に限らず、なかなか2ドアモデルというのはポピュラーになりきらない感があるが、実際にクルマを運転している時、皆さんは何人で乗っているだろうか?通勤・通学なら自分1人だけとか、あってもせいぜい友達やカップルと、あるいは、親子や夫婦連れなど2人位までがせいぜいで、乗っても3人位、乗車定員いっぱいいっぱいの5人も8人ものフル乗車でクルマに乗るようなケースはほとんどないのではないだろうか?そういった意味では、そのコンパクトなサイズ感もさることながら、2ドアのショートというのはある意味最も使い勝手のいい車型として、もっと評価されてしかるべきだと思う。今回、2024モデルへの進化で様々な車型が追加されたが、中でも最も注目すべき車種の一つと言っていいのが、このGDJ71(2.8DT)のショートだろう。今まで設定のなかった、ショートのディーゼルにして6AT搭載。ちょっと大きくなったジムニーと考えれば、クロカン走行から、高速道路の快適な走り、果ては日本の道路・駐車場事情にマッチしたサイズ感。全てをオールラウンドにこなせる1台だ。
■GRJ71L[MT]
飾り気のない、素地の前後バンパーにブラックアウトされたグリル、当然ナローボディに鉄チン+225/95R16の細身大経のタイヤを纏う。クルマを操る楽しさを再認識させてくれる1台だ。リアに備わる横向き対面シートは、残念ながら日本での現行法規上乗車定員の登録はできないので変更が必要となる。
■GRJ71L[AT]
■GRJ76L,VDJ76L,GDJ76L,GRJ78L,VDJ78L
やはりここで注目すべきは、1GD-FTV搭載のAT車の追加だろう。日本の再再販のLC76は1GD+6ATのみだが、中東仕様にもこの組み合わせは設定された。早々完売となってしまった日本国内仕様だが、もちろんここ中東地域には潤沢に在庫があるようで、グレード体系も数種類展開されているようで羨ましい限りだ。
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