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【ドイツ車に乗るならU (アンダー) 200万円が大正解!】中古車としての買い得感と高い信頼性のバランスゾーン / GERMAN CARS アーカイブ/2015年10月号より抜粋

今回のテーマは「200万円以下のドイツ車」。この価格帯は中古車としてのお買い得感とコンディションを両立したクルマが多く流通しているのが特徴だ。では、なぜドイツ車なのか。その理由を解説していこう。ちなみに記事はすべて2015年10月号からの抜粋なので、中古車の相場や「現行型」「先代」などの表記はすべて2015年当時のものとご承知おきいただきたい。

 

100~200万円の中古車が狙い目!

 いきなり結論から言ってしまうが、中古車購入は予算200万円ほど用意するととても楽しむことができる。
 もちろんアンダー50万円の激安中古車を購入してトラブルシュートしながら自分色に染めていくのも楽しいし、300万円、400万円、あるいはそれ以上の大枚を叩いて新車同然の高級車を買うのだって最高にハッピーだ。けれども、中古車らしいお買い得感と、安心して乗れるという信頼性とのバランスを考えたら、100~200万円の中古車に勝るものはないだろう。
 オーバー300万円の中古車を買うとなると、どうしても欲しいクルマでもない場合は「う~ん300万円も出して中古車か。クラスを落として新車という選択もあったよなあ……」と考えてしまいがち。100万円以下の中古車だと現状販売や保証なし販売もあり得るし、年式や走行距離的に消耗品の中でも高額な大物が交換時期を迎えているケースもなくはない。もちろん中古車を見る目に自信があれば、シッカリとメンテナンスされた一台を見つけて幸せな中古車ライフを送ることができるのだろうけれど、なかなかそうもいかないのが現実である。
 その点、予算200万円だと、まず「新車が良かったかも……」とはならないはず。なぜなら国産新車の価格は年々高騰し、200万円ではトヨタ・アクアの人気グレードXアーバンすら買うことができないからだ。
 信頼性はというと、中古車は一台一台コンディションが異なるし、高年式のコンパクトカーと低年式の高級車ではまったく条件が違うから一概には言えないが、アンダー100万円の物件よりハズレを引く可能性は格段に低いし、保証だってきちんと付いている物件が多い。もちろん相場が250万円のクルマを200万円で購入するようなケースはその限りではないが。

購入予算として200万円あれば、スタイリッシュなデザインと現代的な走りが魅力の先代型Cクラスが狙える。初心者にもお勧めしたい一台である。
国産車と大きく異なるのは、やはり特別な存在感だろう。例えば近所の交差点でも映えるルックスはそのクルマが持つブランドイメージ以上に記憶に残る。
200万円クラスの中古車になると走行5万㎞ほどのクルマが豊富に流通している。それゆえ初心者でも選びやすい価格帯だと言える。
質感の高いインテリアはドイツ車の美点。デザインも洗練されているから、クルマに乗り込むたびに所有する満足感を高めてくれる。同乗者の評価も高いはず。

メンテナンスの
見当をつけやすいドイツ車

 ところで、予算200万円の中古車を購入するにあたり、なぜドイツ車を選ぶのか。ジャーマンカーズはドイツ車専門誌だから! という冗談はさておき、ドイツ車は劣化の進行が比較的緩やかで、消耗品さえ交換しておけば本来の性能をある程度維持することができるからだ。
 私事で恐縮だが、筆者は先日02年式のBMW E46(6万㎞)から同年式、同クラスのイタリア(2万㎞)へと乗り換えた。どちらもアンダー100万円の激安物件だが、何より某イタリア車の劣化具合に衝撃を受けた。E46も6万㎞の中古車らしいヤレは随所に見受けられたが、「あ~○○のブッシュを交換すればシャッキリするな~」という感じに、メンテナンス次第でまだまだ楽しめそうだったし、何より「どこにどう手を入れるべきか」の目安をつけやすく安心感があったのだ。これこそがドイツ車である。
 一方のイタリア車はと言えば、同年式で走行距離は1/3程度なのに、もう全般的にボロいというか、ゆるゆるな印象。あちらに手を入れたら、きっとこっちが気になって、こっちをメンテしたら今度はそっちが、いやいやそもそもボディ自体が……と終わりが見えないのだ。ゆるゆるなのは個性だと楽しむことができるのなら、もちろん「アリ」な選択だが、中古ドイツ車を乗り継ぎ、出来心でイタリア車に浮気した筆者は、今すぐにでもBMW E90の320iハイライン(後期ボディに非直噴エンジン搭載の09年式!)に乗り換えたくてしょうがない!!
 もちろん200万円クラスならここまで差がつくことはないだろうけれど、購入数年後を想像すると、やっぱりドイツ車を推したくなるのが人情だ。フランス車やアメリカ車、スウェーデン車あたりと比較しても、それぞれ個性があって楽しいけれど、やはり中古ドイツ車の「本来の性能が残ってる感」が群を抜いていると思う。
 そういう面でのライバルはむしろ国産車だろう。そもそも輸入車より新車価格が安いこともあり、同クラスなら高年式が狙えるから、信頼性や新車の味でいったらとても有利である。3年落ちのトヨタ・プリウスや5年落ちの同マークXあたりを買えば、間違いなく安心快適なカーライフを送ることができるだろう。

200万円の予算があれば
個性豊かなドイツ車を存分に楽しめる

 ただ、満足度としてはどうだろうか。たとえば近年流行りの高級リゾートホテルに乗り付けた時のことを想像しよう。映画のワンシーンよろしくホテル前の車寄せでクルマを降りてスタッフに駐車場に運んでもらうバレットパーキングをお願いするときのことを。もちろんスタッフはプロゆえどんなクルマでも分け隔てなく接してくれるけれど、果たして自分自身はどうだろうか?
 プリウスを預ける自分、メルセデス・ベンツS211ステーションワゴンから降り立つ自分、どちらが気分が良いだろうか? どちらが思い出に残るだろうか?
 たとえば、お気に入りのカフェでコーヒーを飲みながら眺める愛車を想像してみて欲しい。そこに停まっているのがマークXなら、もしかしたらコーヒーの味や香りに気持ちを奪われるかもしれない。だけど、クリス・バングルがデザインを担当したZ4クーペが停まっていたならば、きっとその美しいスタイリングに見惚れてしまうことだろう。うっとりしすぎて、コーヒーは冷めてしまうかもしれないが。
 合コンの席で「え~、クルマは何に乗ってるんですか~~?」という自動車有史以来100年繰り返された質問をされたときのことを妄想してみて欲しい。これについては説明は不要だろう。聞かれてからさり気なく答えるのが正解で、間違っても自分からその話題を振るのはタブーとだけ覚えておいて欲しい。
 もちろん見栄や外聞だけの話ではなく、ハンドルを握っても同様。白物家電のような使いやすさ、運転しやすさを追求した国産車に対し、「そうそう、これがメルセデスだよな、BMWだよな」と思わず膝を叩いてしまう個性が、満足感がドイツ車にはあるのだ。
 現在は小排気量ターボがトレンドのため、それ以前の大排気量車が大きく相場を下げ、現在200万円クラスの中古車は百花繚乱。かつては高くて狙えなかったような年式の高級車が驚くような価格で販売されていたり、それに押し出された形でコンパクトカーも割安な物件が目立つ。中古車を狙うにはまたとない好機が到来している現在、予算200万円でドイツ車の魅力を存分に堪能して欲しい。

所有するクルマの満足度は人それぞれだと思うが、単なる移動のための手段ではないのが、あえてドイツ車を選ぶ理由だと思う。200万円の予算で高品質のメルセデスワゴンを入手できるのは、嬉しい状況だと言える。
筆者をして「クリス・バングルがデザインを担当したZ4クーペが停まっていたならば、きっとその美しいスタイリングに見惚れてしまうことだろう。」と言わしめたスタイリングと存在感。
日本において「ガイシャは壊れる」というイメージが定着してしまっているが、それはメンテナンスせずに放置してきたクルマ。コンディションにこだわって良質なクルマを探し、定期的なメンテナンスを行なえば快調を維持できる。メンテナンスに使用する補修パーツも純正品よりリーズナブルなOEMパーツが数多く存在するから、工夫次第で国産車+α程度の費用で乗り続けることが可能なのである。
 

200万円以下のドイツ車を推す3つの理由

①中古車としてのお買い得感が高い価格帯
②価格とコンディションのバランスが良い
③メンテナンスの環境が整っているから維持しやすい

300万円、400万円の予算で新車のようなクルマを選ぶのもひとつの手だが、中古車としてのお得感が高くなるのが200万円以下のドイツ車。先代モデルであってもこの価格帯で買えるようになってきており、走行距離も5~6万㎞くらいのクルマが豊富に流通している。つまり、価格とコンディションのバランスが良いのが、200万円以下のドイツ車なのだ。さらに購入後のメンテナンス環境も整っており、ディーラー以外の専門修理工場も数多く存在する。メンテナンスに使用する補修パーツがいろいろと選べるのも、ドイツ車のメリットだ。

 

※全て GERMAN CARS 2015年10月号より抜粋。
相場や「現行型」「先代」などの表記は
全て2015年当時のもの