旧世代モデルに共通するのは個性の強さ
クラシックやネオクラシックの魅力って何だろう。改めて考えてみると、クルマとしての個性の強さなのだと思う。人によってはそれがデザインなのかもしれないし、エンジンや走りのフィーリングなのかもしれない。往年のメルセデスやBMWはメーカーとしての哲学の違いがクルマやそのメカニズムに具現化されており、いざ乗ってみると明らかに違うフィーリングを感じる。それは快適装備においても同様だ。
もちろん現代のメルセデスやBMWもそうなのだけれど、味の濃さが違うように思う。電子制御の進化などイマドキのドイツ車はどれに乗っても快適で安全に移動でき、自動運転技術や様々な運転支援技術が発展し話題になっていく。だが一方で、値上がりを続けるクラシックやネオクラシックカー。そこにはやはり、この時代のクルマだけが持つ特別なものがあるということだ。
たいしたパワーもない単なるサルーンだったとしても、運転するのがとにかく楽しい。アクセルを踏む、ハンドルを切る、ブレーキを踏むといったすべての操作に対して、クルマが即座に反応する感じが、ダイレクトなフィーリングとなって返ってくる。たった50馬力しかなかったとしても、それは確かにスポーティなドライビングである。デジタル化が介在しないアナログゆえの、機械を操るリアルな感触こそが、クルマを運転する本来の楽しさだったのだと気付かせてくれるのだ。ここではそういったモデルを紹介しながら、旧世代モデルの魅力や楽しみについて解説していきたい。