クラシックを恐れるなかれ!
維持の環境は確実に整っている
現代でも通用する走行性能を持っている
クラシックBMWと言えば、日本では2002シリーズ、通称「マルニ」です。高い人気を誇り、愛くるしくもカッコよくその時々のシーンにおいてこれほど絵になるクルマは少ないと思います。早いもので私がこの「マルニ」を扱ってからは、すでに30年以上が経過しました。
現在、私の人生の半分以上は毎日このクルマたちと暮らしているのですが、まだまだ勉強や研究を繰り返しています。当初シンプルオートを立ち上げた際は、マルニはちょっと古いガイシャでしたので、今ならE46あたりのBMWを探して加修して販売するような感じでした。でも実際のところはE30以降の3シリーズとは違い、マルニは頻繁に売りに出るようなクルマではありませんでした。インターネットがなかった当時は、洋書やヘインズのマニュアルを買い、FAXで英語が通じるアメリカ、イギリスのショップにパーツを発注するなど苦労だらけでした。それから5年ほど過ぎた後は実際に自分で海外に買い付けに行ったり、スタッフをイギリスのショップに送り込んで勉強させたりと、インターネット時代の今からは到底考えられないような経験をしてきました。今となっては、それが当社の武器になっていると思います。
ジャーマンカーズの読者の皆さんは、当然ドイツ車党だと思いますが、ドイツの速度無制限区間があるアウトバーンでドイツ車を走らせてみると、「ドイツ車を運転してこんなに楽しいのは、こんな道があるからなんだ!」と理解できるはずです。ぜひ機会があれば一度アウトバーンを走ってみてください。
少々話がそれましたが、そんな環境で生まれ育ったマルニは、当初1600㏄のエンジンで開発され、後に2000㏄に発展、ツインキャブ、機械式インジェクション、ターボまで搭載され、レースやラリーでも好成績を残してきたクルマです。
当社に来店される方からよく質問されるのが「現代の交通事情に対応できますか?」や「クルマの流れに乗れますか?」といったこと。確かに50年前のクルマがちゃんと走れるのか!? と思われるのは仕方ありませんが、もちろん流れに乗れるどころか、流れをリードできますし、ブレーキも70年代のクルマとしては、1トン程のクルマには贅沢なくらいのモノを装着しています。ギア比が低めで高速で巡航するとうるさかったり燃費は落ちますが、それを5速オーバードライブ化することも可能ですし、現在、ATの4速化も研究中です。
最近では、自動車メーカー各社のクラシック部門がレストアや部品の供給に力を入れており、BMWももちろん頑張って、マルニをはじめ他のクラシックBMWの部品を再生産してくれています。国産の旧車に比べると、修理やレストアは非常に楽にできる環境にあるんです。
でも、30年以上に渡りマルニを扱ってきた私としては、部品を再生産してくれているとは言えクオリティが低く、反対に価格が高いと残念な部分も多く見られます。最近では社外品の方が物が良いのでは? と思うこともよくあるのが現状です。
当社でもたくさん在庫している純正パーツと、良質な中古パーツ等の販売に力を入れていきますので、ぜひご期待下さい! 当社は長年のノウハウに基づき、実際に装着してテストしたパーツしか販売しませんが、世間では装着して500㎞も使えない社外品がたくさんあります。手軽に海外から買える時代だからこそ、粗悪品に気をつけながら、安くて良いパーツを選んで、ジャーマンクラシックカー、ネオクラシックカーを楽しんでほしいと思います。
維持の不安を解消してくれる老舗
「BMW好きであれば、知らなきゃモグリ」と言われるほど、マルニこと2002シリーズを専門とするシンプルオート。マルニを扱って30年以上という豊富な経験と知識で、これまでたくさんのクラシックBMWを再生しながら、ユーザーに夢を与えてきたスペシャルショップである。
得意分野であるレストアについては、忠実にオリジナルを再現することはもちろんのこと、電動パワーステアリングやR134aに対応したクーラーへの換装など現代の技術を駆使しながら、とても50年前のクルマとは思えないほどの快適な仕様にも対応してくれる。
スタッフは皆ベテラン揃いで、高い技術を持つ職人たちが、きっちりとクラシックBMWを仕上げる。メンテナンスで手を入れるべきポイントも乗り方に合わせて提案してくれるので、はじめてクラシックBMWを楽しんでみたいというユーザーにとっては、とても心強い存在。「古いクルマだから維持が心配」と思う人こそ、頼るべきはこうした専門店なのだ。納得のいく解決方法で、クラシックBMWへの第一歩を後押ししてくれる。