レースでの活躍が多くのファンを魅了
レースのホモロゲーション獲得のために開発されたことや、ツーリングカーレースだけでなくWRCでも活躍したことなど、E30型M3を形容する言葉は枚挙に暇がないほど。その素晴らしさは周知の通りで、M1のエンジンを2気筒切り取って2.3ℓの4気筒にしたことや、剛性や空力性能を高めるためにボディに大幅に手を加えていることなども、今さら説明するまでもないことだろう。そこで、今回はE30型M3専門店である「パクトール」の橋本代表に、現代におけるM3の魅力について語ってもらうことにした。
「レースカーのベースということで、かつては高性能の象徴みたいなところがありましたが、現代の基準でいうとそんなにハイスペックではありません。ですが、その手の内に収まる性能が楽しいんです。今のクルマみたいにコンピュータ制御じゃないですから、自分で運転してる感覚が強い。今の高性能車なんて、クルマに乗せられてるようなものじゃないですか。電子制御でテールが滑らないようになっているのよりも、流れる前にインフォメーションを伝えてくれる方がコントロールしてるって感じが明確です。M3のセミトレサスなんてトーインしか調整できないんですよ? それでも完成されたハンドリングを実現してるんですから、すごいの一言ですよ。いろいろチューニングとかもありますが、まずはオリジナルでその完成度を体験してください。簡単に車高を下げるのはあまり賛成しません。
エンジンについても同様です。200馬力かそこらですけど、レーシングドライバーとか特殊な人を除けば、人間が普通に扱える限界です。4気筒はノイジーだとか言いますけれど、それがエンジンの鼓動なんです。積極的に聴いて楽しんで欲しいです。静粛性、乗り心地を追及してどんどん快適になった結果が世の中のクルマ離れに繋がったんじゃないですかね? クルマ自体を楽しむんじゃなくて、クルマは道具ってなってしまった。作ってる人たちも同じで、熱意を持って作ってるんでしょうね。だから、古いクルマのわりには意外に壊れません。そもそもの作りもシンプルなんですね。
今となってはもう30年以上も前のクルマですが、いまだに補修用のパーツを供給してくれるのもすごいところです。ただ、ある程度数がまとまってから本国にオーダーするので、時間はかかります。
ですから、必要になりそうなパーツを見つけたら買い置きしておくのも一つの手です。フェンダーとかの外装品は社外品もあるので、そういうのを利用すると安くあがります。海外通販なんかも、このクルマを維持する楽しみだと思いますね。ファイナルギアなんて3.15から4.27まで、いろいろあったりしますから。
古いクルマですから、乗らなければ乗らないほど傷みます。もしM3を手に入れたら、大事にすると同時に、いっぱい乗ってあげてください。それが調子を保つ秘訣です。」
PACTOLE INTERNATIONAL(パクトールインターナショナル)
E30型M3にとことんこだわった専門店
日本でも唯一かもしれないE30型M3を専門に扱うプロショップがパクトール。購入からメンテナンスGCの相談まで、何でもお任せできるほど深い知識と技術を持つショップである。
●所在地:埼玉県川口市末広2-10-13
●電話:048-223-8488
●URL:http://www.pactole.co.jp/