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趣味車の最高峰メルセデス・ベンツW124ディーゼルならではの世界観が趣味を加速させる

W124シリーズにもディーゼルモデルが存在する。ここで紹介するのは、初期型にラインナップされた300Dである。現在では初期型というだけでも希少だが、ディーゼルとなればさらにその希少性は高まる。趣味の醍醐味が感じられるモデルだ。

1988y Mercedes-Benz 300D TURBO(W124)

希少なディーゼルモデルを自分好みに仕立てる

 本国ではディーゼルモデルが多く、W124タクシーでもディーゼルエンジン車が主流。現在では、クリーンディーゼルエンジン車が増えてきて日本の街中でもよく見かけるようになったが、W124デビュー当時においては少数派であり、規制もあって増えてこなかったという背景もある。それだけに、このディーゼルモデルは非常に希少な存在だ。

 取材車に搭載される直列6気筒のディーゼルユニットは、独自の形状を持つ燃焼室を備え、バルブの配置も吸排気に優れたクロスフローレイアウトとなっている。これにKKK製のターボが組み合わせられ、2000回転手前からターボによる豊かなトルクを発揮する。独特なサウンドと一度アクセルを踏むと滑らかに回るフィーリングはこの時代ならではの味わいである。自然吸気型のガソリンエンジンとは全く違う世界観を楽しめるエンジンだ。見た目の特徴としては、ヘッドライトの横にスリットが入っていること。

 それにしても取材車のコンディションは抜群だった。アークティックホワイトのボディはとてもキレイで、加えてオーナーの好みで本国純正のマッドフラップ、シートには純正のレースカバー(W126用)が装着されている。コーナーポールやボディをキレイに保つための毛ばたきなど、基本的にはオリジナルをベースとしながらも好みのクラシックスタイルを楽しんでいるのが好印象だった。希少なクルマを自分好みに仕立てていくのは趣味の醍醐味だ。

80年代によく見られたレースのシートカバー。これは純正品なのだが、実はW126用を流用している。インテリアのクラシカルな雰囲気を高めるポイントになっている。本国の純正品であるマッドフラップを装着しているのもこだわり。当時モノのスリーポインテッドスターが足元にインパクトを与える。ヘッドライト横に入るスリットはディーゼルモデルの特徴的な部分。

SOHCの直6ディーゼルにターボを組み合わせたパワーユニット。総排気量は3ℓで、最高出力150ps/4600rpm、最大トルク27.8kg-m/2400rpmを発揮する。トランスミッションは機械式の4速タイプとなる。

基本的な快適装備は揃っているので、現代でも十分に実用になる。社外のオーディオ類はグローブボックス内にひっそりとインストール。

オーナーのこだわりのひとつが、毛ばたき。あえて見えるところに置いてあるのもポイントだとか。

【撮影協力】●オーナー:三崎氏 ●撮影地:トヨタ博物館