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愛車に優しい 取り扱い方法〜ヤングクラシックモデル編 Part-05〜

頑丈な鉄の塊に思える自動車だが、実はとても繊細でデリケートな機械。間違った扱い方1つでも、長年の蓄積によって故障の原因になることがある。そこでこのコーナーでは、ドイツ車をトラブルフリーで長く快調に走らせ続けるために気をつけておきたい、愛車に優しい取り扱い方パート5を紹介しよう。

愛車に優しい取り扱い(その13)→リアのパワーウインドーも時々は作動させる

普段動かさない窓ほどウインドーレギュレータの故障が多い傾向がある。リアのパワーウインドーもたまには動かしてやることが大切。

ゴムやグリースなどは動かさないと固くなる

ETCが普及してフロントの窓すら開ける機会が少なくなっている現在だが、ゴム製の部品で支持されている窓ガラスなどのパーツは、長期間動かさないでいると固着してしまい動かなくなることがある。あまり開閉しないリアのパワーウインドーが先に壊れることが多いのは、こういった理由によるもの。ゴム部分が硬化するだけでなく、内部のグリースが固まってしまったり、ワイヤーにサビが発生したりということもある。当然ながら電動タイプのサンルーフやメルセデス・ベンツのバリオルーフに代表される開閉式のハードトップなどもおなじだ。

 ある程度古くなるとどうしても動きが渋くなる、こういった電動で作動する部分は、モーターへの負荷が増えることで過電流が流れやすくなる。パワーウインドーを操作する時は、4つのスイッチを一度に押すようなことをすると、一気に大きな電流が流れてヒューズが飛んでしまうことも。とくに負荷の大きくなる窓を閉める操作は、スイッチを一箇所ずつ押すように心掛けたい。

 また、窓を換気のため少しだけ開けておきたいような時に、ワンタッチ機能で開いているところに閉める方向のスイッチ操作をしたり、スイッチをカチカチと段階的に押すのもメカニズムにとってあまり良くない。レギュレーターのギア山を傷めたり、樹脂製クリップを破損して窓が落ちるなどの原因となることがある。

愛車に優しい取り扱い(その14)→クルマは絶対に自然治癒しないと知ろう

コンピュータ制御の進んだ現在のクルマは、異常な症状が出たら自然に直ることはない。おかしな症状があったら必ず点検が必要だ。

異常な症状が発生したら必ずコンピュータ診断機で点検

とくにコンピュータ制御化されたクルマに多いのが、突然警告灯が点灯したり、エンジンの吹け上がりやATの変速がおかしくなったと思ったら、すぐに症状が修まったり、一度エンジンを切ると何事もなかったように元通りというケース。これで安心して乗り続けてしまう人が多いが、これは大きなトラブルの前兆現象だと思って間違いない。

 センサーなどの制御系をすべて一本一本の電線で繋いでいたアナログ時代のクルマなら、接触不良が原因で異常が出て、それが何かの振動で元通りに戻るということも多かったが、電脳化されたクルマはユニット間でデータ通信を使い情報をやりとりしているため接触不良は考えられない。コンピュータがセンサーなどの情報を異常と判断し、エマージェンシーモードに入ったことで警告灯の点灯やエンジン出力の制限などが行なわれたのだ。エンジンを切ってリセットされると通常に戻ることも多いが、次第に発生する頻度が高くなったり、次はいきなりエンジンがかからなくなるというケースもある。

 このような症状が出た場合は、診断コンピュータを繋いでエラーのメモリを呼び出しチェックすることが大切だ。これによって問題箇所は一目瞭然。後はメカニックの経験と勘によってどの部品をいつ交換するべきか判断してくれる。クルマは生き物とは違うので、自分で自然治癒は絶対にしないのである。