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はじめてメルセデス入門ガイド①

 メルセデスに乗るのはまだ早いと思っているなら考え直してほしい。 日本でのメルセデス・ベンツは高級車というイメージが強く、確かにそういった側面があるのも事実なのだが、ドイツなどの海外に目を向ければタクシーや商用車として街中を走り回っているほど身近なクルマという認識なのだ。  ここではそんな実用的なメルセデスにはじめて乗ろうと思っている人に向けて中古車購入における疑問を解決する入門ガイドをお届けしよう。

ブランドやイメージが不安要素に繋がっている

 メルセデス・ベンツが持つブランド力やイメージが、はじめての人にとっては不安要素になっているのだと思う。「いつかはメルセデスに乗る!」と、頑張ってきた人にとっては一つのゴールを達成する瞬間でもあるし、中古車を手に入れようという人には「維持できるのか?」という不安のスタートでもある。
 日本でのメルセデスは特別なクルマというイメージが強すぎるように思う。海外では数ある自動車メーカーのひとつという認識だし、日本へは装備が充実した仕様が輸入されているが、本国では装備を簡素化した極めてベーシックなグレードが存在する。ドイツではメルセデスのタクシーが走っているくらいだから、もっと身近にある、いいクルマというイメージなのである。 
 最近ではAクラスやBクラスといった低価格帯の新車が数多くラインナップされ、300万円を切るプライスが付くほど身近な存在になってきた。とはいっても、まだまだ日本においては特別なクルマとして認識されているのが一般的だ。もちろん、それが所有する満足感にも繋がるわけだが、メルセデスに乗るのに早すぎるなんてことはない。大排気量の上級クラスは確かに特別。だが、ベーシックなクラスであれば、他の輸入車となんら変わることはない、誰でも乗れる実用的なクルマなのである。
 このコーナーでは、はじめてのメルセデスに最適なモデル選びや中古車の買い方、さらに気になる維持の真実について分かりやすく解説していく。クルマに限らず新しいことを始めるには勇気が必要だが、一度足を踏み入れてしまえば意外とどうにかなるというのはよくあること。この企画がそのきっかけになれば、本誌としても嬉しい限りである。

Q.1 どんなモデルを選べばいいのか?

構造がシンプルなベーシックなモデルとじっくりと付き合ってメルセデスを知る

日常の足として使えてかつ維持しやすいクルマ

 同じメルセデス・ベンツというブランドであっても、一括りにはできないほど色々な個性を持つモデルがラインナップされている。メカニズムも、搭載されるエンジンも様々だ。このためどんなモデルを選ぶかで、購入してからのメンテナンスも大きく違ってくる。どんな苦労があってもゾッコンで維持費を注ぎ込む1台というのも素敵だが、そこまでマニアックにはなり切れない人にとっては、日常的な足としても高い実用性を持つ維持しやすいクルマを求めたいところだろう。
 そういった意味では先代、先々代モデルのCクラスやEクラスあたりからスタートしてみるといい。現実的な予算で購入できて、トラブルも少なく安心感が高いのがその理由だ。Sクラスなどの上級グレードは憧れの存在だが新車価格が高額なクルマはそれに使われている部品も高価であるケースが多い。はじめてのメルセデスであれば、まずはベーシックなモデルからスタートよう。だが、もちろん、いきなりタテ目のクラシックモデルから入っても、憧れのゴーロクマルを手に入れたとしても、メルセデスの場合は整備費用さえ用意すれば乗れなくなるということはない。現在もこういったクルマを通勤に使っている人がいるのも事実。決してはじめて買うのは無難なモデルでなくてはいけない、ということではないが、いきなり30万円も40万円もするような修理代が必要になると普通の人は嫌気が差してしまうと思う。まずはじっくりと付き合ってメルセデス・ベンツの良さを知り、次第によりディープな世界へ足を踏み入れればいいだろう。
 そういった意味でも、メルセデス・ベンツとの出会いとなる最初の1台は、イメージを決定する大切なチョイス。信頼性と魅力を両立した素敵なクルマと出会って欲しい。

190クラスから歴代Cクラス。どれも個性的でメルセデスらしさを楽しめる。入門だから高年式でなければならないということはない。定期的な手入れさえ怠らなければ、今でも十分に実用になる。