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2021.08.03

【GERMAN CARS MEISTER FACTORY in japan】直せるものなら分解してでも直す!職人技が光るプロ集団 バイブリンゲン

 現代の整備で求められるのはコンピュータ診断によってトラブル原因を特定する経験と知識だが、時にアナログな整備を施すことで直ることもある。バイブリンゲンは「直せるものは分解してでも直す」という職人魂で、多くのドイツ車を救っているファクトリーである。

ディーゼルエンジンに多いアドブルー関連のトラブル

 東京都江東区、新木場駅。ここから徒歩10分のところにバイブリンゲンがある。クルマでのアクセスもよく、千葉県や神奈川県からも行きやすい立地となっている。
 バイブリンゲンは昔から積極的に並行輸入をしてきたこともあり、昨今人気が高まっているヤングクラシック世代のドイツ車や世界で数百台レベルの希少車まで対応できる技術を持っている。
 そんな昔ながらのアナログ整備を現代にも生かしているのがバイブリンゲンの強み。例えば、メルセデス・ベンツに採用されているコマンドコントローラーに、対策品のシャフトを独自にリリースしていること。ここは樹脂製のシャフトが割れるトラブルが頻発しているのだが、同社ではオリジナルの金属製対策シャフトに交換。通常ではASSY交換となるが、これによりトラブルはほぼ再発しないという。合わせて費用も抑えることができるのだから、使わない手はないだろう。
 最近のトラブル事例について聞いてみると、ディーゼルエンジンに不具合が出始めているようだ。近年ではメルセデス・ベンツやBMWでも積極的にディーゼルエンジンを採用しており、太いトルクによる加速は非常に快適で、一度味わってしまうとクセになる。昔のディーゼルエンジンといえば環境に悪いとか、音がうるさいとか言われてきたが、最先端の技術で設計された最新のディーゼルエンジンはそんなデメリットは微塵も感じさせない。ガソリンに比べて燃料代が安いというのもメリットといえるが、そのフィーリングこそが現代のディーゼルエンジンの魅力だといえる。
 そんな最先端のディーゼルエンジンにおいて大切なのがアドブルーの補充。これは尿素水と言われるもので排気ガスを浄化するための重要なもの。そのため警告灯が点灯しているのに放置したり、交換を怠っているとエンジンが始動できなくなるなど思わぬトラブルの原因になる。ひどい場合にはコンピュータユニットやキャタライザーなどの交換が必要になり、その費用は高額なものに。そうならないためにも、アドブルーの定期的な点検、補充は怠らないでほしいというのが、バイブリンゲン代表、伊藤氏からのアドバイスだ。
 バイブリンゲンは車種・年式を問わず、ハイレベルな整備を提供できる体制と人材が揃っている。思わず振り返ってしまうような名車から人気の高年式モデルまで、安心して任せられるファクトリーなのである。

海外への技術協力として3名の研修生を迎え入れているバイブリンゲン。写真左から2番目が代表の伊藤氏。
エンジンやATのオーバーホールなどの重整備を難なくこなすメカニックが在籍しているバイブリンゲン。コンピュータ診断機を用いた現代的な整備から、昔ながらのアナログ整備まで幅広く対応できる人材が揃っている。また、オリジナルパーツの開発も意欲的で、メルセデスのコマンドコントローラーの不良を解決するための対策パーツは大ヒット中のアイテムだ。
定期的な補充が必要となるアドブルー。警告灯が点灯しているのに問題なく走るからと放置しておくとエンジンが始動できなくなってしまうので注意が必要。BMWでは走行可能距離が表示されるので、きっちりとサイクルを守って補充するようにしたい。
メルセデス・ベンツにおいてもディーゼルモデルの人気は上昇中! 太いトルクによる加速は一度乗ったらクセになる。
写真はメルセデス・ベンツCLSクラスのディーゼルモデル。アドブルーのタンクはラゲッジ下にセットされている。
オリジナルパーツだけではなく、必要なツールが存在しなければ自作するほど、整備に情熱を注いでいるのがバイブリンゲンの強み。
 
 
WAIBLINGEN(バイブリンゲン)

●所在地/東京都江東区新木場1-8-20
●TEL/03-3522-0771
●URL/https://waiblingen.co.jp/