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BMW MINI

2022.02.24

【BMW MINI 気になるユーズドカー事情を調査①】BMW MINI COOPER S

 実際に販売されている気になる中古車をチェックしながら、BMWミニの魅力について解説。まずは初代モデルのクーパーS。ジョン・クーパー・ワークス(JCW)キットが搭載された低走行の中古車である。

ミニらしさを感じられるクーパーSのキャラクター

 新車当時から高い人気を誇り、今では街中でもよく見かける存在となったBMWミニ。ローバーミニとしての歴史とBMWによって現代風にリファインされた身近で愛らしいルックスは往年のミニフリークだけではなく、女性ユーザーの獲得にも成功している。また、クリエイター系の仕事をする人からも、オシャレアイテムとして選ばれるようになり、自動車専門誌だけではなくファッション誌などでも取り上げられることが多いのもBMWミニのオシャレなイメージに繋がっている。
 そんなBMWミニの初代モデルは、クラシックの面影を巧みに現代風にアレンジしたルックスと、全く異なる基本構造を持ち、高い安全性と走行性能が与えられた。日本への正規輸入が開始されたのは、01年の秋からで、当初はワンとクーパーのみが導入された。翌年の春には、スーパーチャージャーを搭載したクーパーSが導入される。04年の秋には内外装を若干変更し、エンジン&ミッションおよび足回りにおいてマイルドなチューニングが施され、同時にコンバーチブルを追加。06年には、チェックメイト、セブン、パークレーンといったモデルが追加された。
 メカニズム面では、通称ペンタゴンユニットと呼ばれる、シングルカムに16バルブヘッドを組み合わせたパワーユニットを搭載。これに機械式スーパーチャージャーが組み合わされ、低回転域から力強い加速を発揮。出力、トルクともに2代目よりも若干下回るが、それは体感できるほどではない。ちなみにクーパーSのエンジンは当初163psだったが、04年のマイナーチェンジで170psへとパワーアップされている。
 クーパーSのトランスミッションはローバーが開発した6速MTと、04年の秋から追加されたトルコン式の6速ATを用意。クーパーとワンはマニュアルミッションが5速で、ATはCVTとなっている。
 足回りを見ていくと、このクラスのFFモデルでは贅沢とも言えるマルチリンク式リアサスペンションを採用。ロールセンターを高くすることが可能になり、構造的に高い接地性能を持つリアサスとなっている。単に安定志向の足回りにはせず、安定しながらも楽しめる足になっているのが特徴。スプリングは、前後とも常識的なコイルスプリングを採用するが、ゴーカート感覚の乗り味はやはりクラシック・ミニを彷彿させるものだ。ちなみにフロントはストラット式となっている。
 アフターパーツが豊富にあるのもBMWミニの魅力。エンジンや足回りにチューニングを施してのサーキット走行や、自分だけのミニにするためのドレスアップを中心としたカスタマイズも人気のメニューだ。
 ここで紹介する06年式のクーパーSはパークレーンというモデル。同じタイミングでセブン、チェックメイトが販売されたが、セブンはライフスタイル志向、チェックメイトはスポーティさを強調しているのに対して、パークレーンは高級感を強調したモデル。取材車はシックなロイヤルグレーのボディカラーが印象的で、純正のレカロ製シートにはヒーターまで備わっている。インテリア全体もブラックとグレーで統一されており、落ち着きのある室内空間を演出。走行距離が4.5万㎞ということもあって使用感が少なく、シートのヤレも感じさせない。
 そしてこのクルマにおいて特筆すべきは、エンジンだろう。現在ではグレードのひとつとしてJCW(ジョン・クーパー・ワークス)が設定されているが、このクルマは設定前の純正オプションとして用意されていたもの。そのメニューについてつたえファクトリーで聞いてみると、シリンダーヘッド、スパークプラグ、スポーツマフラー、スーパーチャージャー、JCWエンジンカバー、JCWバッジがセットになっているとのこと。このキットの価格は75万円だったので工賃を含めると約90万円くらいだそう。こういったクルマを探せるのも中古車の醍醐味といえる。
 気になるスペックは最高出力200ps、最大トルクが240Nm(参考値)なので、当然ながらノーマルのクーパーSよりも力強い走りを堪能できる。6速MTとクイックなハンドリングでキビキビとしたフィーリングを楽しめるのが魅力だ。
 初代モデルの中古車流通量は多く、100万円以下の物件も豊富にあるが、メンテナンス履歴が分かるクルマを選ぶことが重要になる。
 見た目は愛らしいが、いざアクセルを踏み込めばハードな走行も可能な車である。

落ち着いたデザインと特別装備
初代モデルの醍醐味を存分に味わえる

ロイヤルグレーという落ち着いたボディカラーとなるパークレーン。外装のコンディションも良い状態をキープ。
グレーとブラックを基調としたインテリアは落ち着いた雰囲気。嫌味がなく、老若男女にマッチするデザインだ。サポート性に優れた純正レカロシートを装着しており、これにはシートヒーターも付く。コンパクトなボディをMTで操る楽しさは、ドライビングの原点を教えてくれる。
センターメーターなど円をモチーフとしたデザインが特徴となるインテリア。油圧式のパワステを搭載し、ステアリングのロック・トゥ・ロックは2.5回転となる。
トランスミッションは6速MT。ミニらしい走りを堪能するなら、やはりMTがお勧め。センターに配されたスピードメーターはクラシックミニを彷彿させるもの。
足回りはフロントがストラット式、リアには安定性に優れるマルチリンク式を採用している。マフラーはJCW(ジョンクーパーワークス)を装備している。
ベースとなるエンジンはスーパーチャージャー付きの直4SOHC。取材車には当時の純正オプションだったJCWキットが搭載されており、ノーマルのクーパーSよりもパワーアップしている。
 
U-CAR DATA
06年式クーパーS パークレーン ※標準モデル

●走行4.3万km●ロイヤルグレー●6MT●JCWキット●ディーラー車●記録簿

Specifications

全長            3655㎜
全幅            1690㎜
全高            1455㎜
ホイールベース       2465㎜
トレッド(前)       1455㎜
トレッド(後)       1460㎜
車両重量          1180㎏
エンジン方式        直4SOHC+SC
総排気量          1598㏄
最高出力          170ps/6000rpm
最大トルク         22.4㎏-m/4000rpm
トランスミッション     6速MT

 

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●TEL:048-961-8591