TOP > 記事 > 【 ドイツ車メンテ名店ガイド vol.18 全国のマルニターボが集う整備&レストアの駆け込み寺 / Simple Auto シンプルオート 】

【 ドイツ車メンテ名店ガイド vol.18 全国のマルニターボが集う整備&レストアの駆け込み寺 / Simple Auto シンプルオート 】

クラシックBMWのメンテナンス、レストアには長年培ってきた経験値や知識、技術が重要。シンプルオートが35年以上貫いてきたそのノウハウは日本全国から重宝されており、ユーザーの駆け込み寺となっている。

 

些細な不具合にも敏感な
マルニのスペシャリスト

撮影当日はインカオレンジのマルニを筆頭に奥までクラシックBMWがズラリと並ぶ。いつ訪れてもクラシックBMWが当たり前に並ぶのがシンプルオート。
 
 長年一貫してクラシックBMWの第一線で活躍する大阪のシンプルオート。「マルニと言えばこのお店」として全国にその名を轟かせる老舗である。ここ最近はネオクラシックBMWの取り扱いも豊富で、1990年代のポストヴィンテージモデルの整備やメンテナンスの依頼も増加傾向とのこと。今回取材に対応してくれた松岡氏によると、1990年代までは電子制御もそれほど複雑ではなく、基本的な作業やウィークポイントのパターンはある程度予想が付くとのことで、多少の個体差はあれど根本は大きく変わらないという。
 本誌のボリュームゾーンはまさにネオクラシックBMWではあるが、マルニのスペシャリスト集団にソレを聞くのはナンセンス。「餅は餅屋」と言うことで、今回は撮影時に偶然2台のマルニターボが入庫していたタイミングもあって、マルニターボを中心にクラシックBMW整備の今を探ってきた。実はこの2台、札幌ナンバーと横浜ナンバーでどちらも遠方から入庫された個体。車検のタイミングで不具合を炙り出し、コンディションを整えて欲しいとの依頼だ。撮影時はちょうどターボ車特有のエアレギュレーターの調整を行なっていた。早速話を伺うと、下手に素人がココを触ると良くなるどころか燃料と空気のバランスが悪くなってコンディション悪化につながってしまうとのこと。マニュアル的なトラブルシューティングは存在せず、長年培ってきた経験値が頼りになってくる。アイドリングは安定してもいざ走らせるとグズったり、ブーストが利くとバランスが乱れたりと非常に繊細な部分。燃料は一定で、空気の量を微調整しながらエンジンの調子を合わせていく術は、アイドリング状態のみならず通常走行からハイウェイまで一貫してコンディションを整えていく非常に重要な作業と言える。
 しかし、現在でこそクラシックBMWと呼ばれる個体も、かつては新車で販売されており全国各地に整備やメンテナンスを行なうメカニックは多く存在したはず。なのになぜ、大阪のシンプルオートへ集中するのだろう? と疑問を投げかけるとこんな答えが返ってきた。「例えばかつてベテランの人気カリスマ美容師だったとしても、現役を退いて年月が経てば勘が鈍る。一方で生涯現役の熟練美容師は毎日ハサミを握り、様々なお客様のヘアスタイルを手掛けていく事で勘が冴える。職業こそ違っても根本は同じであり、長年特殊なマルニを専門に、毎日何かしらの作業に携わり経験値を蓄積していく事で、訪れたお客様からのヒアリングである程度の目星が付く。結果スピーディーな作業と的確な整備が可能になるんです」とのこと。スペシャリストの所以はまさにそこにある。
 

全国から貴重なマルニやターボが入庫
定期メンテナンスからレストアまで
高い技術で対応

一台一台個体差があって、その都度その車両にベストなセッティングを施していく。テスターでトラブルシューティングが行なえる現行車両なら、ある程度マニュアル通りに作業を進めていけるが、クラシックBMWはそうはいかない。まさに長年蓄積された経験値と知識、すなわちメカニックの腕がテスターみたいなものだとも言える。

素人が触ると迷宮入りすることが多いエアレギュレーターの調整。燃料は一定で空気の量を調整することによってエンジンの調子をセッティングしていくマルニターボ特有の作業である。

ネオクラシック世代のBMWの再生にも
積極的に取り組んでいる!

1990年代までのネオクラシックBMWは、年代こそ違えど電子制御も必要最小限でマルニに近い感覚。症状やウィークポイントも似ているところがあるとのこと。ここ最近は80年代、90年代のネオクラシックBMWからのステップアップでマルニや3.0CSへと乗り換えを検討するユーザーも増加傾向。その下取りとして在庫する上質な個体も非常に魅力的だ
 

From Simple Auto
シンプルオート

先日ジェネリックパーツの開発で協力体制にある台湾のメーカーが訪日した際に絶賛してくれた店内。即席で動画を撮影してお店紹介のムービーまで制作してくれたという。現在はマルニではなくスバッロの同色ペダルカーが展示されており、定期的に展示車両の入れ替えや飾り付けを変更することで、雰囲気を一新している。長年収集してきたクラシックBMWのコレクションを眺めながら、語らうことでクルマ談義にも花が咲く。
良質な中古パーツも多数在庫しているシンプルオートではあるが、レストアの選択肢の一つとして新たに取り組んでいるのがジェネリックパーツの開発。今後、マルニ以外の車種も拡張していくとの話なのでこうご期待!
10月29日(日)、明石ウォーターフロントパーク グラバにて、クラシックBMWのイベントが開催される! 会場内、第1、第2イベントスペースで実施されるので興味がある人はぜひ足を運んでみよう。
 

FACTORY DATA
シンプルオート

 
●所在地 : 大阪府寝屋川市宝町29-8
☎ 072-839-6778 FAX 072-839-6779
●URL: http://simpleauto.jp