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2021.09.27

【激レア独車 02 /Volkswagen Brasilia 1975y Part.2】ブラジル生まれの激レアVW。隠れた細部の魅力をチェック!!

✔専用設計されたボディ
✔オプションによるグレードアップ
✔ビートルよりも開放的な室内

ビートルよりも広い室内は
開放的な気分に浸れる

 ここからはVWブラジリアの詳細について見ていきたい。個性的なデザインのフロントマスクはタイプⅣ(VW412)に似ているが、よく見ると若干の違いが見られる。ノーズが逆スラントになっているのは同じだが、エンブレムのところのラインが、タイプⅣはフラットであるのに対して、ブラジリアは角度がつけてある。フロントのオーバーハングが短めなのも特徴的な部分だと言える。つまり、ボディはブラジリア専用設計になっているのだ。パッと見は共通だと思われる部分であっても、実は違っていたりするから面白いものだ。こんなところも希少車の魅力の一つと言えるだろう。
 取材車にはオーバーライダーとルーフキャリアが装着されており、クラシカルな雰囲気を引き立てている。これは当時のオプションなので、クルマによっては装着されていないものもある。何も付いていないとシンプル過ぎてしまうエクステリアデザインだが、この仕様なら満足できるという人も多いのではないだろうか。それくらいよく似合っている。 また、取材時から気になっていたのが、エンジンの音量がどれくらいなのかということ。VWブラジリアはエンジンルームとインテリアが厚いパネルによって区別されているだけなので、室内に響くエンジン音はかなり大きいと予想していた。だが、実際に走行してみると許容できる範囲であり、会話ができないような音ではない。
 足回りはフロントがストラット、リアがセミトレーリングの組み合わせ。ブレーキはフロントがディスク式で、リアがドラム式となっている。ブレーキブースターは付いていないので、強めにブレーキングする必要があるが、それ以外で気を使う部分はないので、マニュアルミッションで運転できる人であれば問題なく走らせることができる。
 ボディサイズのわりに室内空間は広く確保されていて、大人2人が乗っても圧迫感がない。感覚的にはビートルよりも広いので、ウインドーを開けて走ればより開放的な気分に浸れる。エアコンやパワーウインドーなどの快適装備はないが、この時代のワーゲンは快適性を求めるクルマではない。逆に装備が少ないということはトラブルが起きる箇所も少ないということ。輸入車のお約束であるウインドーレギュレータの故障や、高額な修理代が必要になるエアコンの故障に悩まされることはないのである。さすがに夏場はキツイが、後付けのクーラーなどアフターパーツが豊富にあるクラシックワーゲンなので対応策はいろいろとある。アレコレ考えながら、自分好みに仕上げていく楽しさがこのクルマにはあるのだ。さらに個性的なスタイル、空冷エンジンのフィールとサウンドをゆったりと味わうのが、このクルマとの正しい接し方だと思う。

専用品であるボディは
ぶつけないように注意

ヘッドライトのバルブなどは入手できるが、ライトを囲むトリム部分が専用品となっている。ぶつけないようにすることが大切だ。
 

 VWブラジリアはビートルなど他の空冷ワーゲンと共通になっているパーツが多いので、維持についてはそれほど難しくない。機関系のパーツは問題なく入手できるし、空冷ワーゲンのファンは世界中に多く存在するので、たとえ日本にパーツがなくても探すことはできる。ただし、専用品となる外板部品に関しては入手に時間がかかることもある。ヘッドライトのバルブなどは心配ないが、ライトのトリムは専用品なので日本で見つけるのは困難。それだけにボディはなるべくぶつけないように大切に扱おう。
 ボディのサビについては早めに対策することが重要。放置しておくとサビがどんどん進行してしまうので、点検の際に同時にサビのチェックをしてもらうといい。ドアのゴムモールが劣化していることが多いので、ここも定期的に交換しておく必要がある。劣化したドアのゴムモールから雨水などが浸入して、フロアが水浸しになってしまうケースも多いのだ。これはフロアの腐食にも繋がるので注意する必要がある。
 エンジンの構成部品はビートルと共通なので、メンテナンスするポイントも同じ。点火系ではディストリビュータ、プラグコード、イグニションコイルなどが定番で、これらがダメになるとアイドリングが不調になったり、エンジンがかからなくなってしまうことがあるので定期的に交換しておこう。
 電気系はシンプルなものだが、ICタイプのレギュレータがダメになりチャージランプを点灯させることがある。ランプが点いたり消えたりするようならテスターを使って点検しておきたい。
 燃料系はキャブレターで、定期的に燃料を送り出す量を調整する必要がある。エンジンがかかりにくいときなどは、季節によって調整をしてやるとスムーズにエンジンを始動することができる。ちなみに、取材車にはソレックス製34PICT‐3のキャブが付いていた。燃料ポンプは機械式だが、これもトラブルが起きるとエンジン不調の原因になるのでチェックしておく必要がある。
 エンジンの構造はシンプルでトラブルが起きる箇所も限られているが、プロによる定期的な点検を受けておくことがトラブル予防に繋がる。

ビートルのエンジンと比較すると若干の違いがある

VWブラジリアに搭載されるエンジンは空冷の水平対向4気筒。基本的にはビートルと共通のものだが、ここには若干の違いがあるのだ。エンジンルームにあるファンハウジングの大きさが、タイプⅠやタイプⅡとは違うのである。燃料供給システムなど基本的なところは同じだが、ブラジリアに搭載するに当たっての改良が加えられているのだ。ちなみに、ブラジル法人開発車であるピューマとは同じエンジンである。

Detail Check

パーツや各部の作りに至るまで細かく見てみる!

クラシカルな雰囲気を高める
当時のオプションを装着している

ボディは専用設計となる

独特なフロントマスクが印象的なブラジリアのボディは専用設計。短めのオーバーハングや逆スラントノーズのラインがベース車とは異なる点だ。

ルーフキャリアは当時のオプション

ルーフキャリアや右写真のオーバーライダーは当時のオプション。個性的なブラジリアのスタイルをより引き立ててくれる。マッチングもいい。

Restore & Maintenance

レストア&メンテナンスのポイント

基本的なメンテは空冷ワーゲンと同じ

基本的にはビートルと同じエンジンを積んでいるのでメンテナンスのポイントは共通。年式的に見てボディのサビには注意が必要なので、ゴムモールの裏側など細かな部分を含めてよくチェックしておこう。

電圧不足または過電圧になりチャージランプを点灯させる原因となるのがICタイプのレギュレータ。定期的にチェックしておく必要がある。
点火系における定番のメンテナンスポイントがディストリビュータ。エンジン不調の原因になりやすいパーツなので定期的に交換しておこう。