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3シリーズ BMW E30

2023.02.15

【次こそは乗りたい! 憧れの絶版名車SELECTION】Selection 06 BMW E30

 憧れのあのクルマはいくらで買える? 維持は大変? ここでは気になる憧れの名車たちのキャラクターついて解説していこう。第6弾はBMW2代目3シリーズ(E30)。

 

軽いボディをほどほどのパワーで楽しめるから面白い!

手に取るように操れる
ドイツのハチロク!?

 ドイツ車のハチロクと呼ばれ、その走りでファンの心を掴んで放さない2代目の3シリーズ。「生かし切れるパワーのFRサルーン」というコンセプトは今も変わらないけれど、3世代目からは圧倒的に優れたサスペンションが与えられてボディが大型化されたため、限界域が一気に高くなった。そこそこの速度で楽しめて、ドライビングの腕を磨くにはこのモデルまでがベストなのだ。ちなみに全長と全幅を掛け合わせてクルマの底面積を出してみると、E30の7.11㎡に対して、次世代のE36では7.52㎡にも増えている。これだけ大きくなれば、当然走りも違ってくるわけだ。
 そんなE30型3シリーズは、軽やかに走る。フロントウインドーが立っていてドライバーの視点も高いため、クルマの動きが手に取るように分かるのだ。コーナーでは車体が大きく傾くし、威勢のいい排気音の割にパワーもないけれど、「クルマの運転って、こんなに楽しかったっけ!?」と思い出させてくれる。さすがにリアシートは窮屈だが、収まりの良いシートサイズに、助手席との距離感も適度にタイトでドライブが楽しくなる。プレーンなスタイリングにメッキをあしらったルックスも、主張しすぎない個性があって素敵だ。

Mのエアロを装着したMテクニック仕様は88年の後期型から採用された。ノーマルでもスポーティな印象を持つエクステリアだが、専用のエアロパーツによってレーシーなイメージが増している。最低限の実用性を保ちつつ、積極的に走りを楽しめるのが魅力。
パワステやエアコンなど快適装備は充実している。
ほどほどのパワーで、高回転まで回し切る楽しさがある。

旧世代ならではの作りの良さを感じるポイント

ブリスターフェンダーは高性能の証
現在まで続くM3の元祖となるのがE30型。ツインカムヘッドを持つ直4エンジンを搭載し、ボディはブリスターフェンダーによって戦闘力を高めている。現在でも草レースを楽しむユーザーは多い。
 
Profile

2ドアのみだった初代3シリーズとは違い、4ドアもラインナップするようになった第2世代。フルオープンのカブリオレやワゴンも追加され、3シリーズの存在感を確立したモデルだ。エンジンは直4/直6のSOHCで、ATは電子制御の4速タイプ。88年から後期モデルとなった。

代表的グレード

318i/320i/325i
M3

ボディバリエーションは?

セダンのほかに幌トップを持つカブリオーレがある。完全なフルオープンで、美しいボディラインが魅力。ワゴンボディのツーリングは平成2年(90年)に登場。

マニュアルミッションはあるの?

318iと320iには5速タイプのマニュアルミッションが設定されており、左ハンドルのみとなる。だが、希少であるためATからMTに換装するケースが多い。

生産期間

1982~1991年
1988年~後期型

主な小変更

●82年、2ドアのみでデビュー。●83年、4ドア版を追加。●87年、4WDの325ixを追加。●88年、エリプソイドヘッドライトを採用、テールデザインの変更などマイナーチェンジ。Mテクニック仕様を追加。

 

Specifications      89年式320i Mテクニック

全長           4325㎜
全幅           1645㎜
全高           1380㎜
ホイールベース      2570㎜
トレッド(前)      1405㎜
トレッド(後)      1415㎜
車両重量         1210㎏
エンジン方式       直6SOHC
総排気量         1990㏄
最高出力         129ps/6000rpm
最大トルク        16.7㎏-m/4300rpm
トランスミッション    電子制御式4速AT

 

※GERMAN CARS 2016年4月号特集より