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【次こそは乗りたい! 憧れの絶版名車SELECTION】Selection 03 Mercedes-Benz C107

 憧れのあのクルマはいくらで買える? 維持は大変? ここでは気になる憧れの名車たちのキャラクターついて解説していこう。第3弾はメルセデス・ベンツ SLCクラス(C107)。

 

メルセデスマニアのファンに厚く支持されている隠れた名車

エレガントな雰囲気を持つ
4シータークーペ

 SLCは、3代目SLクラス(R107)のホイールベースを延長してクーペに仕上げたモデルである。SLはオープントップで2人乗りという趣味のクルマだが、SLCは5人乗りなので実用性が高い。さらにオープントップのSLは幌の扱いや保管に気を遣う必要があるが、クーペボディのSLCなら普通のドイツ車感覚で維持できるのである。
 SLCは71~81年の10年間で約6万台が生産され、81年の2代目Sクラスクーペ(C126)のデビューにより、フルサイズクーペの座を譲ることになる。
 構造的にはSLのホイールベースを延長してクーペにするという強引な印象もあるが、優雅なエクステリアデザインがマニアなファンに支持され、中古車となった現在でも根強い人気を誇っている。
 エンジンは全てV8SOHCで、グレードによって排気量やチューニングが異なる。グレードや主な小変更については下で確認してもらいたいが、ポイントになるのは80年のマイナーチェンジで、これ以降が後期型となる。エンジンがアルミブロック製となり、制御もKジェトロニックとなっている。スプリングが利いたベロアシートに座り、優雅にゆったりと高速クルージングを楽しむのが、SLCの良さをもっとも感じられるシーンだ。

全高が低く抑えられたエクステリア。ベースであるSLよりもホイールベースは延長されている。撮影車のボディカラーは圧倒的な存在感を放つシグナルレッド。クラシカルな雰囲気ともよくマッチし、オシャレな印象を与えている。ボディ同色にペイントされた純正のホイールキャップも素敵だ。
余計なものが一切付いていないシンプルなインテリア。
エンジンはV8SOHCのみ。前期と後期では制御が異なる。

旧世代ならではの作りの良さを感じるポイント

450SLC5.0をAMGがチューン
当時、モータースポーツから遠ざかっていたメルセデスだったが、450SLC 5.0を投入後ヨーロッパツーリングカー選手権やラリーへの参戦を果たす。上の写真はツーリングカー選手権に参戦したマシン。チューニングはAMGが手がけた。
 
Profile

初代Sクラスにはクーペモデルが存在しなかったため、SLのホイールベースを36cm延長して4シーターのクーペとしたSLCが代役として生産された。81年にはW126ベースのSECがデビューしたため、SLCはその役目を終えることになる。

代表的グレード

350SLC/450SLC/450SLC/380SLC/500SLC

ボディバリエーションは?

SLクラスのクーペ版という位置付けで生産された派生モデルなので、ボディタイプはクーペのみ。

維持していくのは大変なの?

とにかく専門店などできっちりと仕上げられたクルマを選ぶことが大前提。機関面の部品はまだ供給されているので、まだまだ乗り続けられる。

生産期間

1971~1981年
1980年~後期型

主な小変更

●71年に350SLCの生産を開始。●73年、450SLCが追加される。●77年、排気量を5ℓに拡大した450SLC 5.0を追加。●80年、エンジンをアルミブロック製の新型に変更。ATが4速に。

 

Specifications      77年式450SLC

全長           4740㎜
全幅           1790㎜
全高           1330㎜
ホイールベース      2815㎜
トレッド(前)      1452㎜
トレッド(後)      1440㎜
車両重量         1645㎏
エンジン方式       V8SOHC
総排気量         4520㏄
最高出力         225ps/5000rpm
最大トルク        38.5㎏-m/3000rpm
トランスミッション    機械式3速AT

 

※GERMAN CARS 2016年4月号特集より