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【次こそは乗りたい! 憧れの絶版名車SELECTION】Selection 01 Mercedes-Benz W123

 憧れのあのクルマはいくらで買える? 維持は大変? ここでは気になる憧れの名車たちのキャラクターついて解説していこう。第1弾はメルセデス・ベンツ ミディアムクラス(W123)。

 

現代にはないビビッドなボディカラーがよく似合う

ラジカセの時代へと誘う
これはタイムマシーンか!?

 昭和50年に登場したモデルがメルセデス・ベンツのミディアムクラス。ひたすら固く重いドアを開けてシートに座ると、ポンポンと跳ねるようにスプリングが利いていて、ちょっと緩い座り心地はイマドキのクルマとは明らかに違うもの。ステアリングやスイッチ類、メーターなどもすべて大柄な作りで、昔のラジカセを思い出すような「機械な感じ」に溢れている。ガチャッと押し込むと大きな音で動き出す、あのフィーリングだ。
 実際に走ってみても、何とものどかな雰囲気で、もちろん本気になって飛ばしてやろうと思えば今のクルマにも十分付いて行ける性能は持っているのだけれど、高速道路でも80㎞/hキープが気持ちいいのである。ラウンドしたフロントウインドーから眺める景色は、パソコンも携帯もなかった、時間がゆっくりと流れていた時代と錯覚してしまう、まるでタイムマシーンのような1台だ。
今の時代にはないビビッドなボディカラーが楽しめるのも素敵で、インテリアの色合いも紺、ベージュ、茶、緑、赤、グレーと、よくもこれだけ設定したと思うほど豊富に選べる。燃費だけは今の基準からすれば恐ろしいほど悪いが、気負わず乗れるネオクラシックの代表的モデルだ。

原色系のボディカラーでも素敵に馴染んでしまうのがW123の魅力。メッキモールも上品な印象を感じさせる。低いトランクデッキやウエストラインによる見切りの良さは運転のしやすさに繋がるポイント。実用車としての性能は今もなお高いレベルを保っているのだ。
余計なものが一切付いていないシンプルさが魅力。
実用性を重視して設計された直4エンジン。耐久性も高い。

旧世代ならではの作りの良さを感じるポイント

ワゴンには油圧式レベライザーを搭載
メルセデス初のワゴンモデルが登場したのは、このミディアムクラスから。直線的なエクステリアデザインは、今の感覚で見るととても新鮮に映る。車高を一定に保つ油圧式レベライザーも搭載している。
 
Profile

一足早く横長デザインのライトになっていたSクラスの後を追って、縦目からモデルチェンジしたコンパクト。83年に190Eが登場したことで、ミディアムを名乗るようになる。ボディはセダンとクーペにワゴンが加わり、ディーゼルも含めて豊富なエンジンが選べる。

代表的グレード

230E/280E
280CE/300TDT

ボディバリエーションは?

ボディはセダン、ワゴン、クーペの3つ。中古車市場で多く流通しているのはセダンで、ワゴンはディーゼルのみが正規輸入された。クーペは280CEのみ。

280TEというグレードは存在する?

ワゴンはディーゼルしか輸入されなかったため、2.8ℓのガソリンエンジンに換装して販売するケースが多い。そのため、通称「280TE」と呼ばれる。

生産期間

1976~1985年
1980年~後期型

主な小変更

●79年、ディーゼルエンジンのラインナップを変更。●80年、ヘッドレストの形状など内装デザインを中心に変更。●82年、新エンジンを積んだ230Eが登場。●83年、コンソールにウッドパネルを採用。

 

Specifications      84年式230E

全長           4725㎜
全幅           1785㎜
全高           1440㎜
ホイールベース      2795㎜
トレッド(前)      1490㎜
トレッド(後)      1445㎜
車両重量         1435㎏
エンジン方式       直4SOHC
総排気量         2297㏄
最高出力         120ps/5250rpm
最大トルク        19.0㎏-m/3000rpm
トランスミッション    機械式4速AT

 

※GERMAN CARS 2016年4月号特集より