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2021.08.24

【憧れのクラシックカーライフ/CROCO CARS】往年の名車たちが集まる メルセデスフリークのためのお店

CROCO CARS

クロコカーズ

 

メルセデス・ベンツのフラッグシップに君臨するSクラス。Sクラスといえば圧倒的な存在感が魅力だが、そのご先祖様たちは、気品溢れるルックス。ここではSクラスの系譜の中でもエポックメイキングな2台を紹介しよう。

止まっているだけで気品が
溢れ出すような流麗な姿

 今回紹介するメルセデス・ベンツ220S PONTONや250SEは非常に愛らしいフロントマスクで、失礼ながら現行型のような「押し出し感」は微塵も感じられない。ちなみにこの2台、単なるクラシックモデルで終わらせるのは早計で、メルセデスの歴史の中では画期的なモデルと言える。
 まずは220Sだが、それまでの乗用車が独立フェンダーを採用していたが、このモデルは現在のクルマでは一般的となったボンネットからトランクまで一体のフェンダーを採用。そこからポントンボディと呼ばれるようになる。
 また「ハネベン」と形容されるフィンテールのW111は当時の北米市場を意識したデザイン。ユーザーに迎合したスタイルは、ある意味メルセデスの歴史の中では異色な雰囲気を醸し出している。
 なおこの個体、カンのいい方ならご存知だと思うが、前オーナーは山梨の方。前号の記事を見て「鰐部さんなら、きっとこのクルマを相応しい人に引き継いでくれる…」という熱意を受け引き取ったそうで、新たなオーナーを絶賛募集中だ。
 ちなみにクロコカーズ代表の鰐部さんやメカニックの原田さんは、まだ20代後半。自分たちより遥かに年上のクルマだが「貴重なクルマに触れることで知識・技術を磨けますね」と語る。90年代付近のメルセデスを得意とするクロコカーズだが、その守備範囲はますます広がっていきそうだ。

アメリカを意識したデザインを随所に感じる

1968y Mercedes-Benz 250SE

縦長のヘッドライトを採用し、高級感や気品を感じるスタイル。ハネベン=セダンというイメージが強いが、この個体はヤナセの子会社「ウェスタン自動車」が30台輸入した中の1台。
アメ車ほどではないが、当時の流行を取り入れたフィンテールが非常に特徴的なエクステリア。ヘッドライトは縦に2灯並ぶ。
1968年モデルでありながら、SEが示す通り電子制御を採用。まさに当時の最先端の技術が惜しみなく盛り込まれており、始動性は極めて良好。クラシックカー特有の儀式は不要だ。
丸みを帯び、包み込まれるようなインパネデザイン。エアコンを後付けしているが、今の日本の夏を走るには不可欠な装備。シートもリフレッシュされ、非常に美しい。
フェンダーアーチにはメッキのモールをあしらう。雰囲気を損なわないよう、ホワイトウォールタイヤを組み合わせる。

大き過ぎず扱いやすい毎日乗れるビンテージ

1958y Mercedes-Benz 220S

ダルマベンツと形容されることもある、220S PONTON。フェンダーとボディを一体とすることで、車内空間が広がり居住性が向上。以後のクルマの礎を築いたとも言えるだろう。
エンジンは2200ccの直列6気筒で、もちろんキャブレター式。リアルウッドをふんだんに使った車内は、まさに贅を尽くしており、重厚さという言葉がよく似合う。
50SE同様、ホワイトウォールタイヤを装着。ビンテージカーに乗るなら、細かなパーツに至るまで世界観を統一したい。
 
●取材協力:クロコカーズ 
所在地:愛知県名古屋市瑞穂区明前町13-28 
TEL:052-883-8965