失敗しないモデル選びのキーワードは
「シンプル」&「整備履歴の有無」
多走行車の購入でターニングポイントとなるのがモデル選び。多走行でも長く乗れるクルマを選ぶのが重要であり、ここでしくじってしまうとあえて多走行車を買う意味がなくなってしまう。購入で失敗しないためにも、多走行車に適したモデル選びをする必要があるのだ。
まずポイントとなるのが、なるべく構造がシンプルなモデルを選ぶこと。年式が古いクルマほど構造はシンプルだが、この先5年、10年と乗っていくことを考えると、維持において必ずしも古いクルマの方が有利とは言えない。経年劣化によってこれまで手を入れてこなかった箇所のメンテナンスが必要になるなど、時間の流れには逆らえないからだ。それゆえ、それをカバーするオーナーの愛情次第でクルマのコンディションは大きく変わると言える。
では高年式モデルはどうかというと、ハイテク装備をあまり持たない比較的シンプルなクルマもある。例えば、先頃フルモデルチェンジを果たし、先代型となったCクラス(W294)や、BMWでは先代3シリーズなど(E90)。メルセデスSクラスやBMW7シリーズといった上級車種は、エアサスペンションなど専用部品が多く価格もスペシャルなものだから、これを維持していくにはそれなりの覚悟が必要。12気筒エンジンなんて一般的な走行距離であっても手間も費用もかかるから、その後の維持を考えるとあえて多走行車を選ぶメリットは少ない。メルセデスCクラスやBMW3シリーズのように、シンプルであることが多走行車において重要なポイントになってくるのである。
それゆえ、グレードにおいてもベーシックなのがベスト。車格を妥協したのだから、グレードくらいは上を狙いたいという気持ちは分かるが、上級グレードに搭載されるエンジンは車格が一つ上のクルマと同じエンジンというケースが多い。これなら最初からEクラスや5シリーズを選んだ方がいいだろう。ただし、ここでもベーシックなグレードを選ぶのが鉄則だ。
そして、もっとも重要なのが過去の整備履歴がはっきりしているクルマを選ぶこと。これまでどんなメンテナンスをしてきたかによって、クルマのコンディションは大きく変わる。仮に走行10万㎞であれば、ある程度のメンテナンスはされていると思うが、その内容が重要だ。詳しくは次ページで解説するが、前オーナーが大切にしてきたクルマであれば、これまでの整備履歴は残っているはず。逆に、整備履歴が分からない多走行車は避けるべきである。
流通している中古車の中には、多走行でもワンオーナーというクルマもある。新車を買える経済力があって、整備はディーラーで実施しているケースも多いので、こういったクルマはコンディションが良い可能性が高い。もちろん、整備履歴は確認するべきだが一つの目安にはなる。
(すべて GERMAN CARS 2014年9月号より抜粋 。相場や「現行型」「先代」などの表記はすべて2014年当時のもの)



多走行車選びのポイント
【その1】なるべく構造がシンプルなモデル

【その2】ベーシックなグレードを選べ!!

【その3】整備履歴がはっきりしている

走行距離にまつわる噂の真相
Q. 高速メインの乗り方をしてきた
クルマは元気!って本当なの?
A. 高速道路はドイツ車に適した
環境であるためストレスが少ない

Q. 法人ワンオーナーの
低走行車は本当に極上なの?
A. 掘り出しモノがあることは事実だが
必ずしも極上とは言えない
